そこで仏教では、「諸行無常」、「諸法無我」、「涅槃寂静」を三法印とし、それらに加え、倫理や諸社会規範などを含めた「法」(dharma サンスクリット語、ダルマ、真理)をこそ信じるべきものとし、「私」への執着を解く=手放す道を指し示します。その道を信じ修行に励むことこそが「ブッダ」=「仏」へ近づく、そのことを説きます。

 

●諸行無常

あらゆるものは因果(縁起)によって成立し、常に誕生し生成変化し、そして消滅する。実在(現実存在)は「仮象」にしか過ぎない。永遠に絶対不変なるものは何も存在しない。

 

●諸法無我

あらゆるものは決して単独では存在しない、それ自体で完結存在できる、自性なものは何もない。常にすべてが何かと相互依存的に存在する。

例えば「私」は「他者」である両親から生まれ、「他者」との差異によって初めて「私」を認識する。また「有」は「無」と相互依存的に存在する。

このように自性なく相互依存的な「在り方」を「空」という。そしてその「空」という概念も「非空」という概念と共に相互依存的に存在する。

 

●涅槃寂静

あらゆる煩悩、そして「私」が完全に消滅し、平安・平穏・静謐で、ただ光の中に慈悲(いつくしみとあわれみ)の素粒子のみがある安らかな世界。

 

※これに「一切皆苦」を加え、「四法印」とする宗派もある。