承前。

 こういうことが30年前に、同じUSAを舞台にして起こったことを多くのコロンビア人達は決して忘れてはいないと思う。そしてその記憶は、今回暴れた一部のコロンビア人達の身体にもしっかりと刻み込まれているはずだ。ただ残念なことに、ラテンアメリカで多く見られる「yo no se manana」(明日の事はわからない。だから今を精一杯楽しもう)と考え、感情と行動の自制が崩壊してしまったのだろう。
 それは7/15に開催された「COPA」ファイナル時、キックオフ前のコロンビア国家を歌い終わった女性歌手が「コロンビア!」と黄色のユニフォームの観客席に向けて雄叫びを上げ拳を突き上げたこと、またハーフタイムショーの終わりにシャキーラさんが「コロンビア!」と叫んだことにも現れている。
 国を愛し、それを多くの国民と共有したいと思うことは大切だが、本来中立を貫かねばならないシーンで自分の感情をコントロールできず、結果、スタジアムのコロンビア人達を煽ることになったことは本当に残念だ。二人のコロンビア人女性アーティストのこの言動は明らかに常軌を逸していた。エンターティナーとして、そしてそういう人物を選んだ人間達も大きな間違いを犯した(他にも今回の『COPA』はセキュリティ、タイムマネジメントなどで問題だらけの大会だった。大丈夫か、2年後のワールドカップ開催?48か国が参加するスーパーメガ大会、USA、カナダ、メキシコの3か国の分散開催で、気候、高度、スタジアム・ピッチ、宿泊施設、交通手段などで公平性が担保できずに既に問題だらけ)。
 とにかく幸せになるために、歴史から何も学ばない人間は愚か者だ。愚か者にならないためには、50~100年のスパンで歴史現象の因果関係をしっかり分析し認識することが必要だ。そしてそこから多くのことを学び成長していかなければならないと、ボクは思う。
 そしてコロンビアよ、あなた達が、過去も現在も未来もUSAとは非常に複雑な関係であることはボクなりに重々承知しています。ただ現在の私の立場で願うことは、子供達が安心してサッカーができる環境が整い、何事にも「過剰」にならず、あなた達の国のサッカーレベル全体がますます発展することです。そのことだけにしか現在のボクは関わることができないので、その点だけに集中して全力で、そして深く連帯します、Vamos Colombia!
 そしてコロンビア代表チームと同様に、9/5から始まる「FIFAワールドカップ2026大会」への出場国を決めるアジア最終予選で奮闘するであろうパレスティナ代表チーム(グループB)を、日本代表(グループC)と同レベルで全力で応援します。ガザへの寄付も引き続きしないとね。

 明日は政治家・首長と選挙民というテーマで書きたいと思います。hasta mañana.