ヨーガの先生にいただいた蓮の鉢にボウフラが湧くので、その対策として、メダカを飼育することにしました。

 そして今朝、和歌山県から小さな、でも色とりどりのメダカが20匹超届きました。放流後もなかなか元気に泳いでおります。

 メダカでいつも思い出すのは、TBSさんで放映されていたドラマ「赤メダカ」です。

 あのドラマは落語家の立川談志師匠と、その弟子の立川談春師匠の師弟愛と落語愛に溢れた物語だったと記憶していますが(原作は談春師匠の本『赤めだか』)、ある日、談志師匠から「金魚を買ってきてくんな」と頼まれた談春師匠が、様々な理由から「赤メダカ」を買ってくるシーンがあるのですが、ああ、いいドラマだったなぁ。

 でもあういう物語は今の時代には生まれないでしょうね。それは多くの青春物語も同様でしょう。なぜなら、教員と学生の関係性、古典芸能や学問や宗教の師弟関係、そしてビジネスや組織の上司と部下、経営者と社員の関係も、今と昔では大きく変わりましたからね

 ボクはパワハラやセクハラが横行していたどす黒い、昔の関係性よりも今の時代の関係性の方が透明性が高く、あっさり、すっきりして大好きだわ。ただボクはそういう関係性を体験することもなく、ただ想像するだけなのですが。  

 他者と関わるのはいつの時代も難しく悩み苦しむこと。ならば、その他者との関係性を希薄化、つまり他者と交わる機会をドンドン減らせば楽になるのにね。

 他者との交わりを極端に制限した状態のリタイア=隠居って、怒りや黒い欲望、不安、嫉妬などの煩悩=不満=苦を滅し、悟り=何事にも執着しない、対象に束縛されない完全なる自由を得ようとする者にとっては最高の状態だと、ボクは思うけどな。

 江戸時代から隠居生活を象徴する事物は盆栽や金魚だと思いますが、我が家の場合は赤、黒、白、銀、黄メダカ達が隠居生活のシンボルですね。まあ彼らと仲良く共に暮らしながら黙々と修行を続けます。そして犀の角の如くひとり歩んでいくつもりです。