上の写真の本の解説を元共同通信社、ラテンアメリカ研究者の伊高浩昭さんが書かれているのですが、その末尾に、こんなことが書かれています。

 「ゲバラが発し続けている究極のメッセージは『見果てぬ夢を見よう』ということだと私は受け止めている」。

 なるほど、さすが伊高さんだ。彼の『チェ・ゲバラ 旅、キューバ革命、ボリビア』(中公新書、2015年)を拝読して、実にクールにゲバラさんのことを書かれていると大いに感動したことを思い出しました。

 伊高さんは、ボクの2冊目の本の版元(出版社)である論創社さんから2冊ご高著を出版されていて、ボクの担当編集者から伊高さんをご紹介いただこうかなと思っています。

 うん、伊高さんの「見果てぬ夢を見よう」という言葉は、哲学者の野矢茂樹先生のご高著のタイトルである「語りえぬものを語る」(講談社、2011年)という言葉と同じくらい素敵ですよね。

 そういう二つの態度を昭和的に他者に熱く語らず、自分自身も決して黒い欲望に侵され熱くならず、実にクールに淡々と、粘り強く諦めず、他者からバカにされても我慢し、たった一人荒野に屹立し、スイスイと最後まで実行していくのはもっと素敵ですよね。それが大人だとボクは思います。