PCを立上げメールや株価などをチェックした後に、ある検索エンジンのトップ画面に表示される10項目程度のニュース一覧を眺めていると、毎回ほぼ半数以上が犯罪などのネガティブニュースであることに気づきうんざりし、そのページから嫌な気分で離れ、他のチェック作業を開始する。

 こう毎日、世界中の犯罪、それも組織的、計画的、猟奇的な犯罪がニュースとなり、被害状況や加害者の犯罪動機が詳細に報じられる中で、ある架空の犯罪をテーマとする小説を読んでいるとページをめくる手が動かなくなる。

 ボクが読みたい小説は、人間の負、闇の部分をどうだどうだとここぞとばかり抉り出し、出口の光をまったく示さず、希望のかけらさえない絶望的な犯罪モノではないんだよなぁ。読後に悦びと希望がほんの少しでも欲しいんだよな。だって小説はエンターティメントのひとつで、エンターティメントは他者に悦びを運ぶことだもん。現実も小説も絶望的な状況ばかりを示すモノだと生きるモチベーションがなくなるじゃんねー。