明日に備えて、今朝届いたばかりの新しいアイシング用具で腰や左足首を丁寧にアイシングしながら、遂にアルケッティ先生のご高著『Masculinities』(男らしさ)を完読しました。上の写真のジョセフ・アルベナ先生のご高著とともに昨年7月に購入して以来、薄い本なのに、読み終わるのに13か月間も要してしまいました。

 しかし実に面白かった。アルケッテイ先生は、「男らしさ」は「ナショナリズム」と関係するという通説をベースに、アルゼンチンにおける「男らしさ」という概念をサッカー、ポロ、タンゴを通じて解析していくのだけれども、そもそもアルゼンチンにおける「ナショナリズム」というものは、「原アルゼンチン人」ではなく、アルゼンチンという近代国家を形成したUKやスペインなどのヨーロッパから移住してきた人間たちによって確立されてきた「ハイブリッド」な概念なので、「男らしさ」という概念もハイブリッドなものになるという、心の底から納得できる結論に。

 つまりイングランドで生まれたサッカーやポロを通じて初めて、「アルゼンチン人」という「国民」や「国民性」が生まれてきたり、タンゴがパリで興隆することにより「アルゼンチンらしさ」とイメージが生まれ、そのイメージを逆輸入することによって初めて、自分たちが「アルゼンチン人らしく」なるということなどなど。

 ご高著の完読の歓びを散歩のエンジンにして、久々に18時過ぎに高根島を散歩しました。秋の日は釣瓶落としですし、そろそろ薄い手袋も必要ですね。

 散歩しながら、スマホに入れた「星座アプリ」を半信半疑のまま初めて星空に照らすと、さまざまな星座が非常に簡単にわかりました。このアプリは凄いなぁ。正直、「星座早見表」よりもよく理解できるわ。西の空、金星近くの「いて座」、北の空の「カシオペア座」と「アンドロメ座」などなど。

 ちょっと星の名前がわかる素敵な大人の男になっていい気分。ボクにとっての「男らしさ」とは、ゆっくりと星を観察する時間があり(時間を創り)、星の名前がわかること(わかろうとすること)かな。