あまりに澱んだ世界だから、もう私は戻らない。
森の闇に溶けてゆく。
深い霧の中、私の鼓動は早まりを見せ、
木の枝から囀る、あの子たちの声だけが森を貫く。
焦りも躊躇いもない。
私はここに在るのだから。
そう、私は心の中にいるの。
何処までも繋がる、この深い森の中で。
フクロウが知らせる。
また、命が絶えるのだと。
森の掟に従うまで。
私はこの森に還ってきたの。
あなたに逢える、そう信じて。
本当のあなたは何処?
真実を探す旅路は始まったばかり。
満月の光が深遠を蘇らせる。
樹木は静寂を貫き、山風が緩やかに吹き抜ける。
この森にも命が届いた。
ほら、もう夜が明ける。
みんな、気をつけてお帰りなさい。