巨匠's Eye 第十六回 ~キムコのUXV450i~ | 損小神無恒の間違いだらけのMAZDA選び

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巨匠、損小神無恒が走る白物家電を断罪する!

編集部(以下、編):先生、今回はネスタリゾート神戸にやってきました!

 

損小神無恒(以下、損):私は遊園地は嫌いである。言わんこっちゃない、こんなにも人だらけではないか。

 

:まあまあ。今日はKYMCO・UXV450i、いわゆるATV(全地形対応車)に乗ってみようということで。

 

:だからといって、休日の行列に加わるのは御免なのさ。

 

:分かりやすく言えばバギーですね。キムコは聞きなれないメーカーですが、台湾ではもっとも売れているオートバイブランドのようです。

 

:それにしても遠いな。あのゴルフカートに乗けていってもらえんものか。

 

:水冷の単気筒エンジンは443ccで33馬力を発生。車体重量は515kgとかなり重いですから、恐らく動力性能はそこそこでしょう。一方でホイールベースは2メートルを切り、エンジンはミッドシップマウントというので、敏捷性は期待できそうですね。

 

:まったくもって坂が多い。エスカレーターはないのか。

 

:4WDシステムはスズキ・ジムニーと同じパートタイム式です。最低地上高の230mmはジムニーをも凌ぎます。しかもボディはフレーム構造ですから、本格オフローダーですよ!

 

:もう疲れた。そろそろ休憩にしよう。

 

:文句だけは一人前なんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

●巨匠、柄にもなく楽しむ。

↑右のほうがKYMCO・UXV450i。
 

↑トランスミッションはCVTだからお気楽である。
 

↑リアデフがよく見える。エンジンは左奥にマウントしている。

 

 

 

 

 

 

:さて、早速乗り込んでしまったが、どうすればいいのだろう。

 

指導員:各部の操作は乗用車と変わりません。ミッションはオートマチックですから、アクセルを踏むだけで走ります。

 

:HI-LOでいうとHIの方に入れておけばいいのだな。ほんとうだアクセルを踏むと進んだ。

 

:エンジンは殆どバイクですね!すごいバイブレーション!

 

:フロントガラスが無いから容赦なく風が吹きつけてくる。先行車の砂塵が目に入って痛い。

 

:痛たたっ…。ゴーグル借りたら良かったですねえ。ぜんぜん前が見えない。

 

:思った以上に速度が乗るな。カール・ルイスよりも速そうだ。

 

:できればウサイン・ボルトで例えてください。うわあ、今度はヘビーなオフロードですよお。

 

:ためらいなく突入する。おっと、スティアリングを戻し遅れた。

 

:お願いだからぶつけないで下さい!うう~っ、揺れがすごくて酔いそうです。車両間隔は適切に!なおかつインプレッションもお願いします!

 

:難しいことを言うな。ついていくのがやっとなんだから。

 

:ついていくたって、前は若い女性ですよ!あなたはMAZDA評論界の巨匠を何年やってるんですか!

 

:くそう、サイドブレィキはどこだ!

 

:ドリフトでもするつもりですか!バギーでラリーはご勘弁を!

 

:おっと、アールを読み違えた。そして思ったよりサーボが効かないな。

 

:ちょ、ちょっと待ってください。それって止まれないんじゃ…。

 

:大丈夫。

 

:おおお横転するーっ!

 

:大丈夫だ。トレッドは狭くともミッドシップなので重心が低い。まるでラリーカーのようなプロポゥションをしておるから、そうそう倒れることは無いだろう。

 

:冷静なふりしてますけど、脂汗ドロドロですよ先生!

 

:とにかく小さくてすばしっこくて楽しいクルマだった。注文はブレィキとシィトだな。このシィトなら体育館のパイプ椅子の方がマシだ。

 

:冷静にクルマとして見ると、オンロード性能はひどいですね。まあでも、公道は走れませんから。本来は広い農場や牧場などで使われるんでしょうし。

 

指導員:お疲れさまでした。ヘルメットはあちらにお願いします。

 

:1周2km強で約15分のトレイル。いかがでしたか先生?

 

:ひどく疲れた。帰りはあのゴルフカートに乗せてってもらおう。

 

:そうですねえ。って、あれ、すごい!あのカート、無人で走ってます!

 

:これも自動化の波であるな。我が家にも一台欲しいところだ。

 

:そうやって快適に胡坐をかいてたら太りますよ!もう太ってるけど!

 

:…今日はひとつ、歩いて帰ろうか。