編集部(以下、編):電気自動車、ちょっと勢いが落ちてきました?
損小神無恒(以下、損):アメリカではテスラの販売が落ち込んでいると聞いた。フォードなど、これまでの電動化戦略を見直すメーカァも出てきた。
編:元はといえば、ヨーロッパ勢が「トヨタ潰し」で始めた戦略ですよね。ところが先陣を切ったヨーロッパ勢よりも、びっくりするほど安い中国車が勢いづいています。
損:電気自動車には趣味性が無い。たとえばポルシェなんか「911」ばかり売れて「タイカン」は売れ残っているという。これはつまり、クルマ好きはどこまでも保守的ということだ。
編:そうそう。一部のクルマ好きを除けば、クルマなんて安けりゃいいってのが大半ですよ。そういう人たちは中国車に流れるんじゃ?
損:まだそれは分からない。世界販売で一位になったといっても、そもそも中国のEV市場は世界の七割だからな。
編:そうかあ。でもEUは「2035年の完全電動化」にストップをかけましたよね。それって、将来の中国車の脅威に備えてるんじゃ?
損:そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
編:テキトーですねえ。
損:ま、難しい話はよしとこうじゃないか。
編:先生にとって電気自動車なんかはどうでもいいんでしょうね。
損:そうでもない。今日は日産・アリアとトヨタ・bZ4Xに乗ってきた。どちらも五百万円を超える電気自動車(BEV)である。
●巨匠、電気自動車が嫌い。
編:へーっ。どうでしたクルマの出来は?
損:アリアの方がいいけど、まあどっちも同じようなもんだ。
編:評論家としてあるまじき適当さ!
損:どうでもいい。だって私はMAZDA評論家だから。
編:くだらねえ白物家電なんか評価しねえ!…なんてこと言ってないで、一つくらい良いところ見つけてくださいよ~。
損:別にそこまでは言ってないが。
編:島倉千代子が言いました。嫌いになった人にでも、一つくらい良いところはある。そしてそれさえ見つけられれば好きになったも同然だって。
損:お千代さんは好きだが、BEVは嫌いだ。
編:もう!!ジジイなんだから~!
●巨匠、軽トラがお好き。
損:強いて言えば、アリアのシィトは良かった。
編:アリアと言えば、組子文様や杢目で日本らしさを表現していますが、そこのところは?
損:かつてのインフェニティ・Q45と同じである。
編:それはライバルに敗れるという意味で?
損:違う。間違った日本らしさという意味でである。フロアマットで枯山水を描きましたとか、そういう表面的なことじゃないだろう日本らしさってのは。
編:手間暇をかけるってことですか?MAZDAみたいに。
損:それとも違う。端的に言えば、軽トラである。日本の農村に土着した軽トラこそが日本である。つまり普遍的な日本らしさを研ぎ澄ませると、軽トラが出来上がるわけだ。
編:それって高級車には似合わないんじゃ…。
損:左様。だから高級車は好きになれない。
編:んな無茶苦茶な!今日の先生はいつもより投げやりです。
損:そりゃそうだ。今日はチャリに乗っていたら高校生に煽られたのである。あの野郎共、急にでかい声出しやがって…。
編:因果応報ですね。いつもRX-8でぶっ飛ばして周りに迷惑かけてるから。
損:私が悪うございました。
編:また話が逸れました。最後にbZ4Xの方はいかがでした?
損:つまらないクルマである。二百万なら買っていい。
編:以上です。ありがとうございました。
HP
「MX-30 HEV/BEV/ロータリーEV」
「2024年改良型ロードスター」
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