そのリンのブログ -164ページ目

ぼちぼち劇場その5『 コケルふたたび』の巻

そのリンのブログ ミント先生と散歩(幼少の頃)



ぼちぼち劇場その5『 コケルふたたび』の巻 ぶるぶるどっぐ


ミント先生の趣味は、お散歩です。今日は、そのリンは休日で、2人は、公園に、散歩に出かけました。

そのリン ・・・ 散歩に行くよ。準備はOK!!

ミント先生 ・・・ おう !!

ミント先生は、別に準備するものはありません。ここは、緑地公園で、家族連れや、カップルが楽しんでいました。

ミント先生 ・・・ ヒモはずしてや。走ってくるわ。  ※ワンコはつないで、散歩させましょう。わんわん

公園の一角に女性たちが、群がっていた。彼女たちは「カッコイい。声かけようか!」など、迷っていました。それをかきわけ、そのリンが前に行くと、ベンチに座った、蒼白の貴公子こと、橋田コケルが、愁いをこめた眼差しで、考えこんでいた。

そのリン ・・・ 橋田くん

コケル ・・・ そのリンさん

まわりにいた女性たちは、「なんや、あのブス。あつかましいね」などといいながら、去って行った。


そのリン ・・・ どないしたん。真剣な顔していたで。

コケル ・・・ 君には関係ないだろう。

ミント先生 ・・・ なんや、そのいい方は!!

気がつくと、ミント先生が戻ってきた。ミント先生の事だから、女性に媚びうって、「可愛い。キャー ヽ(≧▽≦)/ 」とか言われて、帰ってきたのだ。

ミント先生 ・・・ この、そのリンが。わいが、苦しんでも、ほっちちした、そのリンが心配したんやで。

そのリン ・・・ あれは、ミント先生が、食いすぎだったからでしょ。

ミント先生 ・・・ 何があっても、動じない、ゴリラのような強靭なハートの持ち主のそのリンが、心配して、声かけたのに、「君には関係ない」やて。なに、格好つけてるねん。

そのリン ・・・ 悪かったね。ゴリラで!!


コケル ・・・ なんだい。この、汚い犬は。

ミント先生 ・・・ わいはミント先生や。文句あるか。何、悩んでるか、当てたろか。人間関係やろ。あんた、みないな、青ちょろい男の言う事、みんな聞くわけないで。

コケルは、ギクッとした。

ミント先生 ・・・ やはり、図星やな。

コケル ・・・ 僕が書いた、業務改善は、最高なんだよ。それなのに、現場の連中ときては、協力してくれないんだ。

ミント先生 ・・・ 渇 !!
ミント先生が、勢いよくジャンプしたので、コケルはのけぞって、コケタ。

コケル ・・・ どうしてなんです。僕の何がだめなんですか?

ミント先生 ・・・ 丁稚奉公へ行け。

コケル ・・・ エェ。なんて!!
                                                    
ミント先生 ・・・ 工場に丁稚奉公に行けって言ったんや。そんな、エリートが書いた、「机上の空論」に協力する人はいない。現場に行って、一緒に汗ながして、はじめて信頼関係が生まれるんやで。「絵にかいた餅」は、誰も、食べへんで。

コケルは、じっとミント先生を見つめた。

コケル ・・・ ありがとうございました。僕、やってみます。

それから、数ヶ月が流れた。ミント先生とそのリンが、公園に散歩に行くと、女性が遠巻きに、一人を見つめていた。そこには、赤銅色の肌を持つ、イケ面の男が立っていた。

コケル ・・・ まいどビックリマーク ミント先生!! 

ミント先生 ・・・ コケルか。久しぶりだな。

コケル ・・・ ミント先生のアドバイスのおかげで、わての、プロジェクトは、成功したんやさかい。これ、お礼でまんねん。

コケルは、高級ドックフードの入った袋を、ミント先生に見せ、そのリンに手渡した。

ミント先生 ・・・ ありがたいのう。こんなおいしいドックフードを食べるれる事は、一生あるかないかだ~。

そのリン ・・・ 悪かったね。安いドックフードしか買えなくて。

コケル ・・・ ミント先生のおかげで、工場に丁稚奉公に行ったでっせ。わて、正しい大阪弁を勉強したんヤンケ。工場で大阪弁で話すとと、えらい人気がでて、おもろい、オモローって言われたんやん。

ミント先生 ・・・ コケルも、大阪弁を使えるようになったんか?

コケル ・・・ 先生のおかげでっせ。 今まで、英語、フランス語、中国語と、10ヶ国語以上をなろうてきたけど、大阪弁ほど優雅な言葉はないヤンケ。ワレ ヾ(@°▽°@)ノ

ミント先生 ・・・ そうやろ。その通り。では、大阪弁の練習や。

コケル ・・・ ほいな。

ミント先生 ・・・ もうかりまっか?

コケル ・・・ あきまへん。

ミント先生 ・・・ うまいぞ、コケル。筋がいい。

コケル ・・・ そうや、さかい。ワレ、がんばるさかい。


イケ面のコケルの使う、奇妙な大阪弁と、ミント先生の会話に、頭がクラクラした、そのリンであった。

ユキのたから

ユキのたから    

 それはさむい晩でございました。
 雪がシンシンふる晩でございました。
信州の山おくに年老いた夫婦が住んでおりました。夫婦は子宝にめぐまれず、二人肩をよせあってひっそりと暮らしておりました。
そんなある晩のことでございます。
「じいさま。起きてくださいよ」
おばあさんは、となりに寝ていたおじいさんの肩をゆすった。
「どうしたんじゃ。ばあさまや」
「さっきから、家の外から赤児の泣き声のようなものが聞こえるんじゃ」
「そんなことあるめい。ばあさまや、それは風の音じゃで」
「じいさま。しずかに」
おじいさんが耳をすませると、ヒュー、ヒューという風の音にまじって、かぼそい赤児のなく声がした。
「たしかに。赤児の声じゃ」
おじいさんはブルッとみぶるいしたが、布団からとびおきると綿入れをはおり土間にかけおりた。木戸をあけると白い雪が音をたてて舞いこんだ。おじいさんはあまりの寒さに歯をガチガチならしたが、手をグッとにぎると外に飛び出した。赤児は白いおくるみにつつまれて庭の梅の木のもに捨てられていた。赤児のからだには、たくさんの雪がつもっておった。
「だれが、こんなむごいことを」
おじいさんは赤児をだきあげた。
赤児はおじいさんの顔をみると声をたてて笑った。
赤児は雪のような真っ白な肌をしておった。いや、髪も瞳も真っ白じゃった。
「ばあさまや。赤児じゃわい」
おばあさんは、急いでお湯をわかした。
「まあまあ。かわいそうにのう」
おばあさんは赤児のそばに寄って、おくるみの中の雪のように白い子供をみて驚いた。
「じいさま。この子は」
「梅の木のもとに置き去りにされておった」
おじいさんは赤児をいろりのそばに連れていった。すると、赤児は火をつけたように、泣き出した。おじいさんは赤児をあやしながら、部屋のすみずみまで歩いたがいっこうに泣きやまなかった。だが寒い土間にきたら、赤児は笑いだすのだった。
「ばあさまや。この子はおなかがすいているのじゃろう。食べる物は残っておらんかの」
「ヒエ粥ならありますじゃ」
「ヒエ粥か。くわんよりか、ましじゃろ」
おばあさんは大事にとっていたヒエ粥をあたためはじめた。
赤児はいろりのそばに連れていくと泣くので、おじいさんは寒い土間で赤児の口に粥を入れようとすると、赤児はいやがって食べなかった。
「どうしたんじゃろう。困ったもんじゃな」おじいさんは心配そうな顔をした。
「ひょっとして、この子供は」
 おばあさんはそうゆうと外にとびだして、手にひとつかみの雪を持ってきた。おばあさんは雪を赤児の口をはこぶと、赤児は美味しそうにたべた。
「やはり、思ったとおりだ」
おばあさんは顔をしかめた。
「じいさまは雪女の話を聞いたことがあるかね」
「ああ。そんなら聞いたことはある」
「じゃ。雪ん子の話はどうじゃ」
「それはしんねえ」
「じゃ、はなして聞かせよう。おらが子供だったときに本当にあったはなしだ。 おらが十のときに、一ノ谷に若夫婦がすんでおった。夫婦には子供がおらんかった。雪山に猟にいった主人がおんなの赤児を拾ってきた。赤児はなんでも野道に捨てられていたそうで、ふびんにおもった若夫婦はじぶんの子供として育てた。赤児は髪も目も肌も真っ白じゃった。それも、この子とおなじように火をとても嫌ったそうじゃ。赤児は雪しかくわんかったが、どんどん大きくなり、ひと冬で娘になった。夫婦はおそろしゅうなって娘を山に捨てにいった。それからじゃ。夫婦も娘の姿も見えんようになったのは。村の衆はいった。娘は雪女で、夫婦はとってくわれたじゃと」
「ばかばかしい」
「それじゃ。じいさまは、そのはなしを信じないとゆうのかい」
おじいさんは、返事をしなかった。
「じいさま。悪いことはいわん。この子は人ではねえ。はよう山に捨ててくることじゃ」
おじいさんは困った顔をして、
「ばあさまや。もう少し様子をみよう。もしも雪ん子なら、おらがお山に捨てに行くから」
 おじいさんは、赤児におユキとゆう名前をつけ、とてもとても、かわいがった。おユキはみるまに成長して、晩冬には少女になった。おばあさんは、おユキがおそろしくてならんかった。

ある日おばあさんは、おユキにこんな仕事をたのんだ。
「おユキよ、ばばの願いを聞いてくれるか」
おユキはうなずいた。
「マキがのうなったので、山からマキをとってきてくれないか。マキは必ず乾かしてくるんじゃよ。それと、マキはかならず猿の沢でとるのじゃよ」
猿の沢は、冬場は猟師でも行けないような奥山にあり、少女の足てはたどりつくのがやっとだった。おユキはうなずくと、ちいさな背中にしょいこをせおって雪の山道をすすんでいった。
「これで、あん子は帰ってこれんじゃろう」
おばあさんは、胸をなでおろした。
そうこうするうち夜になった。
「おユキはどうしたんじゃろう」おじいさんが言った。
「おら、しんねえ」おばあさんは、しらん顔じゃった。
 おじいさんはやさしい人なので、おユキがいないのをたいそう心配した。
もうすっかり日も暮れた。おばあさんはフトンにもぐりこんだが、おじいさんはいろりの側で、おユキの帰るのをまった。
「じいさま。おユキは雪ん子じゃけん、お山に帰ったんじゃねえのか」
「お山にか」
「そうじゃ。かかさまのいるお山じゃ」
すると、なにやら外から足音がした。
「おユキじゃ。おユキが帰ってきた」
 おじいさんは土間にかけおりると木戸をあけた。おユキは、小さいせなかに、乾いたマキをたくさん積んでいた。
「どうしたんじゃ。こんなに、おそくまで」
「心配かけてごめんなさい。拾ったマキを火で乾かしていたんで、おそくなったのです」

大晦日になった。おユキはすでに娘になった。
「おユキよ、ばばの願いを聞いてくれるか」
「はい、おばあさま。どのような事でしょうか」おユキは言った。
「今夜権現さまの火祭りがある。権現さまはそれは立派な神様で、人をたぶらかす悪い魔物を退治してくれる神様じゃ。おユキよ権現さまのたいまつの火をこのわらで編んだひもにうつして、かまどに火をおこしてくれないかい。そうすれば無病息災になるそうだ。それと、一晩中かまどの前で火の番をするのじゃよ。わかったか」
 おユキはうなづくと旅装束に着替え、もらい火用のわらのひもを手ににぎった。その晩、おユキの帰りが遅いのでおじいさんはおばあさんへ聞いた。
「おら、しんねえ」おばあさんは、しらん顔じゃった。
「雪女め。今度こそ、権現さまのお力で、無事にはすみますまい」

「おユキ、しっかりしろ」
 おじいさんの声でおばあさんは飛び起きた。
 おユキがかまどの前で倒れていたのだ。おユキはいつもは近づかないかまどに火をつけて番をしていたらしい。おばあさんは、大声をあげると寝込んでしまった。おユキがいくら看病しても、おばあさんの病気はよくならなかった。
「おばあさま。お体の具合はどうですか」
おばあさんは、おユキに背中を向けると、
「おユキよおらは、じき死ぬ」
「そんな事ないですよ。気をしっかりもって下さい。」
「春はまだかな。せめて、死ぬ前に梅の花のにおいをかぎたいもんだ」
「梅の花の香りですか」
「そうじゃ」おユキは一瞬ためらったが。
「判りました」
 とそう言うとおユキは外にかけだした。おユキは雪女の姿になると、手あたりしだいに、あたりものを凍らせはじめた。それとみたおじいさんとおばあさんは手をとりあってブルブルふるえた。
 するとどうじゃろう。
 今まで凍った木々からすーと雪が消えると、一羽のうぐいすが飛んできた。

うぐいすは梅の枝にとまった。おユキはその下にいた。

ホーホケキョ
ドス
おユキの腕がとけてなくなった。

ホーホケキョ
 ドス
おユキの足がとけてなくなった。

ホーホケキョ
ドス
おユキの体がとけてなくり、あとは、首しか残っておらんかった。
 
 おユキの首はふたりに微笑むと、
「おじいさま、おばあさま。今までお世話になりました。わたしは春になると生きられません。これからも、ふたりなかよく、くらしてくださいね」
 おじいさんと、おばあさんは、うなずいた。
「ありがとう」そう言うとおユキの頭は溶けて、あとには水たまりしか残らんかった。
おじいさんは、おばあさんの手をにぎると、
「ばあさまや、あの子は、わしらのたからじゃったの」と言った。
おばあさんは、ただ、うなずくばかりで、目から涙が洪水のようにあふれた。
 それから、おじいさんとおばあさんのすむ山里だけが、春のくるのが早くなったそうだ。                        おしまい


画像データ付HP http://homepage2.nifty.com/kaigalin/sousaku_yuki.html


そのリンの小説  http://homepage2.nifty.com/kaigalin/sonolin_world.html

惑星ミライ開拓団

惑星ミライ開拓団  

どこを向いても、ヤミ。
暗黒のうなばらを、ぼくたちのスターシップはすすむ。
めざすは、惑星ミライ。そこに、自由はあるのか?

ぼくが地球補完機構のポスターを見たのは、はじめてではなかった。
いつもは、笑って通りすぎるのに、その時は、
「めざせ 若者! 惑星ミライ開拓団 募集!」
イラストの若者たちは、手をたかだかと上げて茶番としかいいようのない、
ひどい出来だった。こんなポスターで人が集まるものかと、
笑っていた僕が、この船に乗っている。

開拓団の参加は両親は反対だった。両手で顔をおおいすすり泣く母。
父は何もいわずパイプに火をつけた。惑星ミライには、
片道150年はかかる。
生きてふたりに会うことはない。

当直の時間は終わった。僕はカプセルに横たわると、
カプセルは、機械音をたてながら閉じた。
遠くから、カプセルの開く音が聞こえた。
つぎに目が覚める時は、33年後だ。
その頃には、どんな世界が
僕を待ち受けているのだろう。
すーと、消え行く意識の中で、僕は思った。
きっと、そこには自由があるはずだ。


画像データ付HP http://homepage2.nifty.com/kaigalin/sousaku_mirai.html


そのリンの小説  http://homepage2.nifty.com/kaigalin/sonolin_world.html