もしあなたが、つるっぱげの写真を見せるなんて自分の感覚からして理解できない、と思う方は、ここでブログを閉じてください。

 

さて、

わたしがなぜ化学療法で脱毛したハゲ頭の写真を出し続けているかというと、

がん患者さんの「ハゲ写真」を見たことで、わたし自身が病気に立ち向かう勇気を得たからです。

 

わたしが初めてがんになった6年前、アメリカ出張から帰国したボスが送ってくれた雑誌 『 People 』(2014.8月号)

 

ボスは 「アメリカのPEOPLE誌で全米モーニングショー、一番キャスターJoan Lundenが、優雅に、美しく、しかも勇敢に乳がんと闘っている記事見つけた」 とメッセージをくれた。

 

入院中だったわたしは、送られてきた雑誌の表紙を見てオイオイ泣きました😭

 

(出典元:Instagram @joanlunden https://www.instagram.com/p/BU9VUemgBWl/?utm_source=ig_web_button_share_sheet

 

がんになって初めて思いっきり泣いた😭

泣いたあと、「すがすがしい。綺麗だな」そう思い、ふつふつと元気がみなぎってきた。

 

ふつふつ、ふつふつ。

 

この時わたしは、左胸にあった「がん」を摘出するとともに、転移していたリンパ節も切り取り、それと同時に切り取った胸にシリコンインプラントを挿入する「同時再建手術」を受けていました。

手術から8日目。

まだ身体にドレーンという血液の排液チューブが刺し込まれていて、ダメージ最強な時。

 

手術前の化学療法で髪の毛はほとんど抜けていました。

 

そこにこの写真😭

 

(出典元:Instagram @joanlunden https://www.instagram.com/p/BZ6GiD4gDg-/?utm_source=ig_web_button_share_sheet)

 

わたしのボスは、ホリエモンが逮捕されたライブドア事件のあと、社長に就任した平松庚三氏。

ご存じの方も多いと思いますが、実にスケールの大きい実業家です。

世界的企業のCEOを経験し、ライブドア後はITベンチャーを立ち上げ、ハーレーを乗り回し、セスナも、機関車も運転し、宇宙旅行も申し込んでいる。

世界中に部下を持つ大親分。

 

ボスは、化学療法で髪が抜けたわたしを「タコ坊主のねえちゃん🐙」と呼んで、

「いいか、みんなの前でそう呼ぶぞ。」と。

「みんな、お前を心配してる、だからその頭を笑い飛ばすぞ」と、真剣なまなざしで言った。

 

気持ちが楽になったなぁ。

わたしがゲラゲラ笑うのを見て、みんなもゲラゲラ笑った。

オフィスに行くのが楽しくなった。

 

初めてのがんの時には、自分自身の心とからだを今までどおりに保とうとして、あえて仕事仲間や取引先と積極的に(がんばって)交流していました。

 

ボスは「いいか、人から心配されたら、治療で髪の毛をなくしたけどシャンプーが2滴ですむようになった、と言って笑うんだぞ」

また真剣なまなざしでそう言った。

 

ボスの予想どおり、取引先の皆さんは

「だいじょうぶですか?」と心配そうに声を掛けてきた。

わたしはすかさず、

「シャンプーは2滴ですむし、顔を洗うついでに頭も洗える。まつ毛もないからマスカラも減らないので便利になりました」 と笑いながら言った。

 

皆さん、「そうなんですか?」とびっくり。

少し髪の毛が後退しつつある男性のひとりは、「また生えてくるんでしょ?僕から見たらうらやましいよ」
と言って、ゲラゲラ笑って下さった。

 

わたしが一番笑った😆

 

このおかげで、心がほぐれていき、特段の問題も起こさずに仕事と抗がん治療の両立がはかれました。

→後日談:取引先にあとから教えてもらったのですが、この時の私は「すごく弱々しくてなんて声をかけていいかわからなかった」そう😅

 

こんなふうに仕事を続けながら、分子標的薬(ハーセプチン)の点滴治療を17クール終えた翌年。

全摘した左胸に、局所再発しました。

 

まさかの再発。

また同じ治療が始まる。。

また髪の毛が抜ける。。

 

「でも1回経験したから何が起きるかわかる。だから怖くない。」

「大丈夫。」

そう自分に言い聞かせて、再びがんの摘出手術を受け、また強烈な化学療法を受け始めました。

 

2回目はものの見事にツルツルになった。

 

でも、もうみんな「タコ坊主のねえちゃん🐙」と笑ってくれなくなりました。

再発=もうおしまいだな、って思われちゃったから。

 

その上、化学療法で使ったタキサン系の抗がん剤、タキソール(パクリタキセル)の副作用がひどくてオフィスに出勤できなくなっていった。

 

みんなと過ごすことができなくなり、ゲラゲラ笑うことができなくなった。

 

そこで思い出したのが、あの雑誌のこと。

今回は、あのキャスターみたいに写真を撮ってみよう。

最悪の状態を笑顔で撮って、自分で元気になろう、自分を救おう。

 

そう思い、カメラマンに撮影してもらいました。

 

キャスターと同じ、白いシャツにピアス。

マネっこ😆

 

写真を両親に見せたら (まだ2人とも介護前)、

「とてもいいね」と。

親しい友人も「すごくいいね」と言ってくれた。

 

そこで、自分の誕生日にfacebookに出してみました。

健康はみんなはなんて思うだろう、と恐る恐る。

 

そうしたら、

「きっとたくさんのがん患者さんのちからになるよ」「その強さに勇気をもらった」 とコメントがあって。

「あれ❓私と同じだ❗️」 と。

 

あの時のキャスターの写真を見た時にわたしが感じたこと、それをそのまま健康な友人たちが感じてくれている。

がん患者じゃなくても同じことを思うんだ、って。

 

そこで、ハゲ写真をおもてに出していくことにしました。

 https://twitter.com/sonoingsonoing

 

もともとは、自分の心を奮い立たせるために、元気になるために撮った写真ですが、

今では、

  • どこかにいる、乳がんになりたての患者さんで、「治療が怖い」と思っている方
  • どこかにいる、髪を失うのが怖くて、抗がん治療を拒否しようとしている方(だめだよ)

そんな方たちに、

 

「ここに化学療法のダメージを受けた仲間がいるよ」

「だから大丈夫だよ」

そんなメッセージを込めて出しています。

 

ただし受け止め方は人それぞれ。

冒頭で触れましたが、「こんな姿を出すのは感覚的に信じられない」「見せるな」

というご意見があるのは承知しています→実際にいただいています。

 

でも見て。

 

今年、アメリカのマテル社がハゲ頭のバービーを発表しました。

「義肢や髪の毛のないバービー人形、今年発売へ」 (2020.1.30 https://sptnkne.ws/BkPH

 

PHOTOGRAPH BY MATTEL

(出典:PHOTOGRAPH BY MATTEL)

 

マテル社は、

美しさや包括性に対する多様な見方を反映するため、新シリーズのバービー人形を発売する」

というメッセージを出しています。

 

ね❓

少しづつ、少しづつ意識が変わってきたのは間違いないよね。

だからわたしも、以前のわたしがふつふつと元気を回復したことを思いながら、おのれのハゲ写真を出し続けます。

 

いやな方は、遠慮なく去って行ってね。

告知から1か月後に化学療法が始まる。

「速いな」 瞬間的に、そう思いました。

 

でも、Webで情報を調べまくり、不安にさいなまれるうちに、

治療が始まるまで1か月の間、

この、何もしない1か月の間に、

がん細胞がどんどん増殖していくイメージが付きまとい始めた。

 

本当に1か月もの間、何もしないで、放置していいのか?

 

左胸のがんがどんどん大きくなってきた!(気がする)

リンパにあるがんが身体中を駆け巡っている!(気がする)

 

そこで、前回④で告白した 奇跡の抗がん剤 「 超高濃度ビタミンC点滴 」 を選んだわけです。

ビタミンの先生、すごく優しいし、何でも話せる。助かった、助かった。

 

先生は、「 がんは糖をエサにするんです。あなたもPET-CTの画像を見たでしょう? 」

そう、PET-CTは、がん細胞が正常な細胞に比べて8倍近いブドウ糖を取り込む、という特徴を生かした検査。

検査の前に、光るブドウ糖を注射してがん細胞を見付けるもの。

 

これは私の画像。「 脳 」 と 「 胸のがん 」 と 「 ぼうこう 」 が光っている。

脳の栄養は糖、だからピカリ。

胸のがんのエサも糖、だからピカリ。

ぼうこうには、検査用の糖が排出されるために集まってきているからピカリ。

 

これを見れば、

  • がん=糖を食べる

こんなにわかりやすい説明はないよね。

だから糖を制限しないといけない。

 

糖が入っている食べ物は、

  • ごはん、うどん、そば、パン。
  • それにイモ類、果物。

あと、ビタミンの先生から4つ足の動物は食べない方がいい、と言われた。

だから2つ足の鶏肉だけはOK。

そして乳製品も女性ホルモンが過剰になるから、ホルモン依存がんの私には危険。食べちゃダメ。

 

ほんとうに全部食べませんでした。

だって、これ、がん細胞のエサになるんだもんね。

 

それと、ビタミン点滴の前の日からは絶食する。

がん細胞を飢えさせて、飢餓状態にすれば、

ビタミンCを点滴したとたんに、それをエサ(糖)と間違えてガツガツ食い始める。

 

ビタミンの先生が教えてくれた仕組みはこうです。

ビタミンCとブドウ糖の化学式はほぼ同じ。

だから、がん細胞はエサと間違えてビタミンCを食べて酸素不足になり ⇒ 悶絶死する。

この 「 飢えたがん細胞が苦しんで死ぬ 」 イメージを思い浮かべながら、自分の飢えを我慢した(涙)

 

自分が飢えている=がんも飢えている

だから我慢しないといけない。

 

さて、このように ヒトは恐怖にさらされ続けると冷静さを欠き、判断をあやまるわけです(笑。いや笑いごとじゃない)

 

皆さまもご承知のとおり、【脳のエネルギー源はブドウ糖】です。

 

浜松医科大学名誉教授の高田明和医師は、「脳の栄養失調に要注意」と警鐘を鳴らしておられる。

  1. 脳は、体のほかの部分と違って、エネルギー源としてブドウ糖しか利用できない。
  2. しかも脳にはブドウ糖を蓄えておく仕組みがないので、常に一定のブドウ糖が脳に供給される必要がある
  3. 粗食ブームなど行き過ぎると脳の栄養失調をもたらす可能性がある

脳の栄養失調でダメージを受けるのは、「 前頭連合野 」

ここを損傷すると、

  • 聞いたり読んだ話は理解できるが、発話ができなくなる
  • 作業記憶の障害を引き起こす

ことばが出なくなり、とっさの判断ができなくなるんですね。

 

まさしく!私もこうなりました。

こんな具合でした↓

 

大学病院での抗がん治療(標準治療)は、

  • 6/2からは化学療法FECを3週間に一度 点滴して、それを5クール。これと並行して、超高濃度ビタミンC50gの点滴は、週に1回から2回⇒3回まで増やしていきました。
  • 8/21からは、強烈なタキソテール ( ドセタキセル )と分子標的薬のハーセプチンの点滴を5クール。

すると8月の半ばからだんだん言葉が出しづらくなってきて、そのうち持っているものをガシャンと落とすようになった。

体重は10キロ減ってガリガリ(17%減)。

 

国立がん研究センターの消火器外科医 吉川貴己医師は、

「体重が15%以上減少すると、ステージ2以上で必要となる抗がん剤治療の継続が困難となり、予後が悪化します。」

とおっしゃっている。

当てはまっていますね、わたし。

 

ビタミンの先生は、点滴が終わったあと、わたしが帰って行くうしろ姿が危なくなってきた、と診察後に見送ってくれるようになっていました。

 

身体がしびれて、力が入らなくなったので、

8/29に緊急で大学病院へ。

主治医に「 体がおかしくなりました。ろれつも回らない。」  と言ったら、

「え!それはいけない。治療をいったんストップしましょう。」 と。

 

ビタミンの先生は、「ストップして良かったですね。もう限界だったんですよ。」と言って、

わたしが通院するのが大変だろう、と飲むタイプの超高濃度ビタミンCのスプレーを出してきた。

 

「 これは点滴と同様の効果があります。 」とおっしゃった。1本9,000円。

「 あ、良かった!それをください。」

 

これを友人に話したら、「それなら初めからそれを飲んでたら良かったんじゃないの?」と。

あれれ?そっか。。。

痛い思いをして、高額の支払いをしてきてバカみたい。点滴は1回25,000円。。

 

これがきっかけとなり、わたしは高濃度ビタミンCの治療を止めたのでした。

 

 

 化学療法のFEC(真っ赤なエピルビシン)と、高濃度ビタミンC点滴と、飲む高濃度ビタミンCスプレー(笑)

 

 

その後も、体がジーンとしびれ、頭にモヤがかかったようなボンヤリ状態が続いたので、

これで脳のリハビリを始めました。

 

子ども向けのアプリ。バスの停留所が来たら、ボタンを押す。

なんとここからやり始めたんです(笑、いや笑いごとじゃない)

 

あ、ちなみに大学病院の主治医にビタミンCの話を打ち明けたのは、この時から5年後の年末のこと。

「 私も疲れが取れると思い、ビタCを打ったことがありますが、体調が悪くなりました。あれはダメですね 」と。

先生も打ったことあったんだ。。

 

早く話せばよかった。。とほほほ。

 

(おわり)

 

【追記:重要】 2019.12.21に衝撃のエビデンスがfacebookに掲載されていました。

このテスト、私とマッチしているのは、「腋窩リンパ節転移陽性」「化学療法前と化学療法中→FEC」「ビタミンC服用」。

私は服用じゃなくて「超高濃度点滴」だし。再発の原因はこれだったのかもしれない。。

・・・・・・・・・・・・・・・・
「乳がん化学療法前後に抗酸化物質 (ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・カロテノイド・コエンザイム Q10)、ビタミンB12、鉄剤をサプリメントとして内服していると、再発・死亡リスクが増加 (文献2019-261)。」

"Dietary Supplement Use During Chemotherapy and Survival Outcomes of Patients With Breast Cancer Enrolled in a Cooperative Group Clinical Trial (SWOG S0221)."
https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.19.01203?af=R&;
DOI: 10.1200/JCO.19.01203 Journal of Clinical Oncology


SWOG S0221 は、腋窩リンパ節転移陽性あるいは腋窩リンパ節転移陰性高リスク乳がんを対象に、doxorubicin、cyclophosphamide、paclitaxel の投与スケジュール (weekly vs biweekly) を比較する無作為比較試験。本試験では化学療法中のサプリメント使用状況を聴取しており、治療開始前と無作為化から6ヶ月後時点で質問に回答のあった1,134例を対象に、サプリメントが生存成績におよぼす影響を前向きに調査した。検討したサプリメントは、抗酸化物質であるビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・カロテノイド・コエンザイム Q10、非抗酸化物質であるマルチビタミン・ビタミンD・ビタミンB6・ビタミンB12・鉄剤・葉酸・カルシウム・オメガ3脂肪酸・グルコサミン・メラトニン・アシドフィルス。
●いずれかの抗酸化サプリメントを、化学療法前と化学療法中に内服した場合の再発ハザード比は1.41 (95% CI 0.98 to 2.04; P = 0.06) で、再発リスクが増える傾向だった。全死亡ハザード比は1.40 (95% CI 0.90 to 2.18; P = 0.14) で差はなかった。
●ビタミンB12を化学療法前と化学療法中に内服した場合の再発ハザード比は1.83 (95% CI 1.15 to 2.92; P < 0.01)、全死亡ハザード比は2.04 (95% CI 1.22 to 3.40; P < 0.01) であり、再発および全死亡リスクが増加した。
●鉄剤を化学療法前と化学療法中に内服した場合の再発ハザード比は1.91 (95% CI 0.98 to 3.70; P = 0.06) 、全死亡ハザード比は1.90 (95% CI 0.90 to 4.02) で、再発・死亡リスクが増える傾向だった。鉄剤を化学療法中のみ内服した場合の再発ハザード比は1.79 (95% CI 1.20 to 2.67; P < 0.01)、全死亡ハザード比は1.71 (95% CI 1.06 to 2.76) で、再発・死亡リスクが増加した。

(出典先:「岸和田市乳腺外科専門医のページ」 https://www.facebook.com/kishiwada.bc/

このコロナショックの間も、初めてがんになったご本人や、ご家族ががんになった方から相談があります。

 

何がおきるのか不安。

乗り切れるのか不安。

とにかく不安。

 

心のことです。

 

今では、ある程度、適切な話をして差し上げられるようになりましたが、

わたしも当初は心がさまよい続けました。

 

おかげでトンデモ治療を試して、脳障害までおこしてしまった。

ははは(涙)

 

なぜかというと、抗がん治療は 「悪」 「毒」 だと思い込んで、怖くて心が逃げ出したから。

冷静さを欠いていたんですね。

 

なぜなら、どんどん書いて強くなる「記録のチカラ」をまだ知らなかったから。

 

今、はっきりそう言えます。

 

わたしの場合はこうでした。

 

6年前、初めて乳がんになった時。

4/24に告知、1か月後の6/2に化学療法がスタートしました。

はやいはやい。

 

告知の時にはギューッと身体にチカラを入れて現実を受け入れ、

診察室を出てすぐにクライアント2社に会議をキャンセルする電話を入れました。

80代の両親に伝えるのは、よく考えてから、と後回しにしました。

 

わたしの乳がんは1.8㎝で比較的初期でしたが、PET-CTで見たらすでにリンパ節8個に転移があり「浸潤性がん」=周りに拡がって転移していくタイプのがんでした。

エサもパクパクたくさん食べる、HER2+のトリプルポジティブ。

ステージはⅡA。

 

大学病院の先生は、

「手術よりも先に抗がん剤を点滴して、ある程度がんを小さくして広がりを抑えてから手術をします」とおっしゃった。

そして「治療は通院で、外来でできます。お仕事も今までどおりに続けられますよ」と。

 

なんだ、そんなにきつくないんだ、とまずは安堵して、

あれれ?すぐに手術するんじゃないんだ、と面食らいました。

 

だって、がんは素早く切り取らなきゃどんどん増殖すると思い込んでいたから。

不安だ。

 

抗がん剤の説明は看護師さんにササっと受けて、あとで読むように、と小冊子を受け取った。

 

 

この時は、

・髪の毛が抜けるからかつらを買う。

・白血球が少なくなってバイキンに感染しやすくなる。マスクをする。

とポイントだけが頭に入った。

 

あとは、なにがなんだかわからん。

 

この小冊子には、毎日の体調をマークするページが付いていて、

これで管理すればいいんだな、と思いました。

当時はまだ「どんどん書き出す」ノートをつけるなんて考えてもいなくて。

 

ここには吐き気、痛み、しびれっていう欄があるけど、

やっぱりきついんじゃないかしら?

何か自分でできることはないかしら?

 

直後からWebで情報を調べまくった。

Amazonでクチコミのいいがんの関連本を買いまくり、読みまくりました。

 

「抗がん剤で殺される」「抗がん剤は効かない」「がん放置療法のすすめ」は即購入。

おかげでどんどん不安になってきた(笑)⇒ここ要注意です。

 

そして、調べまくった結果「超高濃度ビタミンC点滴」を選択しました。

 

ビタミンC はいつも飲んでるし、たくさん摂っても排出されるから安全。

おまけに「がんが消滅する」って!最高じゃない!って。

 

この「超高濃度ビタミンC点滴」は保険がきかない自由診療のクリニックが扱っていて、

先生がとてもとても優しい方だった。

 

「この点滴は副作用がないし、自己免疫力が高まります」

「がんと戦うチカラが付きます」

「抗がん剤と併用すればひどい副作用が緩和されます」

と、笑顔で力強く話してくれた。

 

それに、わたしの不安な気持ち、混乱する気持ちをよくわかって下さった。

「あ、ここに救ってくれる先生がいた!」と嬉しくなっちゃった。

 

大学病院では初診から治療開始までに、主治医となるお医者さんと会ったのはたったの3回。

優しい印象の先生というだけでよく知らない人、信頼関係も築けていない。

よく知らないから、抗がん剤に対する不安をぶつけることも、質問することもできなかった。

 

でも大丈夫。不安はすべてビタミンの先生に話せばいいんだし。

 

実は、このことを地元のかかりつけ医に相談しました。

「抗がん治療中に大量のビタミンCを点滴で入れるのはよくないよ。健康体ならいいけど。主治医に聞いてごらん」

OKはもらえなかった。

 

もし主治医に聞いて「ダメ」と言われたらイヤだから、やろう!

だって、ビタミンの先生は信じられるもんね!

 

そして化学療法の開始前に先がけて、

レモン5,200個分のビタミンCの点滴(25g)を始めました。

1本1時間で、25,000円。

これが痛いのなんのって。

冷たいビタミン液を点滴するから血管痛がひどいひどい。

 

そしてその8日後、6/2に大学病院で化学療法 【FEC】 がスタート。

並行して高濃度ビタミンC点滴(50g)を1週間に1度、打ち続けた。

 

そしてそして、その2か月後、脳障害を引き起こしてドクターストップがかかるのでした。

(つづく)

がん再発と、両親の介護。

親よりも先に死ねないぞ問題。

 

「死ねないぞ」と思いつつ、「死んだらどうしよう」という恐怖と不安にさいなまれ、

わたしはひそかに自分の「葬式の準備」をしました。

そしてその流れで「相続の準備」

「遺言の準備」をするはめになりました。

 

本来の順序は、遺言⇒相続⇒葬式 なんだけど、

わたしの場合は逆からやったことになりますな(笑)

 

この頃、化学療法の点滴治療は、

1週間に1度の強烈なパクリタキセル野郎と、

3週間に1度の分子標的薬(ハーセプチン+パージェタ)のスケジュールだったので、

ほぼほぼ病院に通いつめてました。

 

パクリタキセル野郎の副作用がひどくてひどくて。

これ、植物由来の抗がん剤なのですが、いわゆる植物アルカロイド(毒)です。トリカブトも同じ。

 

骨髄にダメージが出るので血液の生産能力が低下する。白血球、激減。

身体が「泥」のようで、うまく動かない。

それに加えて手足のしびれと筋肉のひどい痛み、肝臓のダメージも重なったので、何度も治療が延期になった。

 

もちろん髪の毛はすべて抜けてツルツル状態。

 

それでもやるんだもんねぇ、葬式やら相続の準備を(笑)

 

なんでこんなことができるんだろう、と自分でも不思議だったんだけど、

最近になって、大ファンの精神科医の樺沢紫苑先生の本(※)を読んでいたら、ピカっと判明。

 

「逃避か闘うかの切羽詰まった状況の時に脳内より分泌するノルアドレナリンには、集中力を高め仕事を素早く終わらせるなどの効果があります」とあった。

 

わたくし、精神も肉体も追い詰められた局面で『恐怖野郎をやっつけてやる!準備をしてやるっ!』と闘ったわけですね。

極限にあっての闘争本能ですな。

ははは。

 

ただし、「長期間この状態にさらされると、ノルアドレナリンは枯渇してうつ病になってしまいます。」と注意が。。

 

ありゃ、キワキワなことだったのね(汗)
 

さて、話を戻します。

 

親が不動産を所有している場合、その親が認知症と診断されたら不動産に「ロック」がかかります。

まったく動かせなくなるのね。

 

なんでか。

 

認知症と診断されると、「判断能力がない」ってみなされるから。

本人の意思が確認できないんだから、身内といえども不動産を動かすことは許さんぞ、ということなんですね。平たくいうと。

 

親が亡くなって、相続が終わって初めて不動産を処分できるわけで、それじゃ遅い。

 

入院、手術、有料老人ホームに入るなど、介護にはお金がかかりますよね。

それもいつ終わるかわからない。

 

だからどこかの段階で、

不動産を売却してキャッシュを作ろう、とか

リバースモーゲージで自宅に住み続けながら資金調達しよう、

誰かに貸そう、と思う方は多いはず。

 

それが、認知症の診断が出たとたんに、な~んもできなくなる。

 

こういう時には、専門家に相談をしないと。

わたしは、知人のフィナンシャルプランナーに会って、悩みのすべてを話しました。

 

彼は、「あなたのケースなら、最新の相続対策をしたらいいと思います」と

『家族信託』を薦めてくれた。

 

これは、平たくいうと

親名義の不動産を子どものわたしが管理する、管理人さんになるということ。

売却も賃貸も可能になる。

 

昔から、「成年後見人」っていう財産を管理する制度があるけど、彼は、

「決断するときにいちいち家庭裁判所まで持っていかなきゃいけないし、後見人との間でトラブルが多い」

と教えてくれた。

 

この契約には、両親の合意が必要なので、そのフィナンシャルプランナーに家に来て、わかりやすく説明してもらいました。

寝たきりの父も母も笑顔でOKを出して、「よろしくお願いします」と彼に頭を下げた。

 

そして、すぐ実行。

 

結論は、

・手続きは司法書士と公証人のふたりが全部やってくれた。

・着手してからちょうど2か月ですべての手続きが終わった。

・かかった経費は約70万円⇒相場は150万円以上。

・不動産にかかる固定資産税とか火災保険料などの経費管理はわたしがやり始めた。すべてが見えるようになった。

・この先、母が認知症になって施設に入るようなことになっても、わたしが不動産を処分してキャッシュを作ることができる。良い施設を選ぶことができる!

 

 

そして、

手続きを終えてから7か月後に、母がアルツハイマー型認知症の確定診断を受けたのでした。

ギリギリセーフ。

 

※樺沢紫苑著

「脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法」

 

 

 

 

がん再発と、両親の介護。

恐怖と不安をどうにか乗り越えてきてますシリーズ、その③です。

 

その②では、自分が最も恐れていることが「親より早く死ぬこと」だったことがわかり、

その恐怖を押さえ込むために、まず葬儀屋ベンチャーに頼んで葬式の準備をした、と告白しました(笑)

 

なぜに葬式か。

 

当時、父はまだ救急病院に搬送されたままでしたから、もしわたしが先に死んだら誰も何もできない。

自分が死んだ直後の心配をしたわけです。

とりあえずおのれを荼毘にふさなきゃ。

葬式代を準備しなきゃ、と。

 

もし父が病院で死んだら、化学療法中でヘロヘロなわたしは動くことができない。

父が死んだときの心配もしたわけです。

頼める身内がいないから遺体を引き取りにも行かれない。

葬儀屋にやってもらわなきゃ、と。

 

そうそう、これ、みなさんご存じですか?

もし病院で亡くなったら、霊安室からなるべく早く遺体を出さなくてはいけなくなるそうです。

 

何も準備してないと、看護師さんから「うちの病院でいつも頼んでいる葬儀屋さんがいます」と言われて、

霊安室に営業マンがやって来ると。

病院が契約してる葬儀屋さんね。

 

手にカタログを持って、

「家族だけで見送る一番お安いコースは100万円(とか150万)になります。これは相場です」

「遺体はすぐに出さないと病院では預かってもらえませんのでここで判断してください」

と言われるんだって。

 

断れないよね、これ。

支払うしかないよね、これ。

いきなり大金ですよね、これ。

 

わたしの認識では、亡くなったらその本人の銀行口座は即日 凍結されるので、お金を引き出せなくなる。(後日談:これ、だいじょぶだった)

だから、事前に葬式代を準備しておかなきゃ、とあせったんですね。

 

当時、会社の売り上げも激減していて、わたしの治療費も含めていろいろとお金がかかっていたから、

100万以上のお金をポンと葬儀屋に支払うなんてできなかった。

 

でも、葬儀屋ベンチャーに頼めば支払いは30万、よし。(後日談:実際の支払額は28万ちょっとだった)

 

このコースは、わたし、父、母、誰が先に死んでも適用される、よし。

もしコトがおきたら、24時間いつでもフリーダイヤルに電話すれば、すぐに動いてもらえる、よし。

 

これで、ものすごく、ものすごく安心できたんです。

ぐっすり寝られるようになった。

 

この後、脳科学者の茂木健一郎さんのベストセラー「結果を出せる人になる!すぐやる脳の作り方」を読んだら、そこに、

 

『 最悪の状況を思い描ける人が最強 』 と書いてあった。

 

「メンタル管理の1つに、最悪の状況を想定して、それに対する心構えを作っておくと言う考え方があります。」

と。

まさに『 備えあれば憂いなし 』、ですな。

750年前の教えが、現代のメンタル管理術になってる(笑)

 

続いて、

「あらかじめ、最悪の状況を考え不安を取り除いていくこともリスクテイクの大きな条件。それにより人間の実行力は大幅に強化されるのです。」とも書いてある。

 

不安恐怖症なのかもしれない、っておのれを心配してたけど、

な~んだ、いっつも最悪の状況を考えてるわたしって最強のリスクテイカーなんじゃない!

っていきなり太陽がさしてきました。

 

茂木先生よ、ありがとう!

 

 

 

葬式の話しだけで終わってしまった(笑)

 

次回は、「相続の準備」をした話。

そう、不動産が親の名義で、その親が認知症になるととんでもないことになるんです的なお話を。

 

これ、知っておかれたほうがいいです。マジで。