Netflix
「ビッグ・ベイプ」
JUULと野望と終焉と
2023年
Netflix
「ビッグ・ベイプ」
JUULと野望と終焉と
2023年
Netflixのドキュメンタリーシリーズ
「ビッグ・ベイプ:ジュールと野望と終焉と」
を観ました。
VAPE=電子タバコ、
「JUUL (ジュール)」をめぐる
スタートアップ企業の急激な成功と、
その後の転落を描いています。
すごく見応えのある作品でした。
私はJUULのことを ほとんど知らなかったです。
アメリカや海外で電子タバコが売られていること、
電子タバコは健康に悪いこと
(紙巻きタバコから電子タバコに変えても、
健康には結局 悪いこと)は知っていましたが、
社会で論争やデモが起きるほどの
社会問題になっていたとは。
日本で電子タバコは販売されていないから
知らなかった、気づいていなかったのかも
しれません。
加熱式タバコと電子タバコの違い
・加熱式タバコ
タバコの葉を使用。
ニコチンを含む。
日本では、たばこ製品として販売されている。
・電子タバコ(VAPE)
リキッドを加熱して吸う。
ニコチン入りリキッドの国内販売には
薬機法上の規制がある。
内容:ネタバレあり
2005年ごろ――電子タバコの開発
スタンフォード大学の大学院生の2人が
「喫煙者を救うため」に
新しい電子タバコの開発に取り組みます。
もともと電子タバコ製品はありましたが、
大きくて古臭くてカッコ悪かった。
彼らは
製品のデザイン・設計の勉強をしていたので、
医学的なアプローチではなく
紙巻きタバコに
置き換わるタバコ製品を作ることが目標。
新しいタバコ製品によって、
紙巻きタバコをやめたり
喫煙量を減らせたりできれば
健康被害が少なくできるのではないか、
という考え。
卒業後、会社を設立
卒業後
2人は電子タバコの会社を設立して
開発を進めていきます。
集まった社員たちは
既存のタバコ会社とは違う!
健康のため社会のためにいいことをするんだ!
という志を持って働いています。
2015年ごろ――JUULを発売
USBメモリーのような小型でスタイリッシュで、
従来のタバコとは違った
洗練されたデザインでした。
作中で
JUULは
『タバコ界のiPod』
のような存在として語られていました
2016~2017年――爆発的な人気に
カラフルな広告、
クールなモデルやインフルエンサー、
SNSなどを利用したマーケティングを展開して、
JUULは
若年者を含む幅広い層に広がり、
大人気になります。
2018年ごろ――社会問題化
アメリカの若者の間で
電子タバコの使用が急速に広がっていることが
大きな社会問題になります。
さらに
敵視していた既存のタバコ会社から
資金調達したり、
当初の
「既存のタバコ会社とは違う」
「喫煙者を救うため」という
理念が揺らぎ始めます。
2019年ごろ――規制と批判
電子タバコの使用による
若者の死亡や入院が発生し、
相次いで報道されました。
実際には
JUULではない製品や
薬物使用などが関係した
健康被害の問題もありましたが、
それらの問題とJUULの問題が
一括りに語られていました。
とは言え、
JUULは他の電子タバコよりも
ニコチン濃度を高くできる技術を使っていて、
若者の間でニコチン使用が広がったことは
大きな社会問題となりました。
FDA(アメリカ食品医薬品局)も
規制に乗り出します。
その後
急成長を遂げたJUULでしたが、
社会からの批判、規制、訴訟などによって、
会社を取り巻く環境は急速に悪化していきます。
創業者の2人は会社を離れ、
残った会社のトップや役員は
既存のタバコ会社から来た人間に
置き換えられていきました。
ここで作品は終わりです。
個人的に面白かったところ
JTがでてきた
JUULの開発者が最初に設立した会社の名前はPloomでした。
これは日本のJTが販売している
加熱式タバコの名前ですよね。
JTの海外事業会社である
JTI(Japan Tobacco International)が
Ploomと提携を結んで出資していた時期があり、
その後、
JTIとPloomの関係が解消されました。
その時に
会社は名称変更し(Pax Labs)、
Ploomというブランド名がJTに移ったそうです。
紙巻きタバコと電子タバコの悪影響の差
作品内で、
紙巻きタバコと電子タバコの
健康への悪影響の差を
『建物から飛び降りるなら、
50階と15階、
どちらがいいか』
というような例えで説明されていましま。
どちらががマシか、という話になりますが、
どちらも嫌ですね。
まとめ
既存のタバコ会社とは違う!
喫煙者に より安全なタバコ製品を届けたい!
という純粋な気持ちから始まった
新しい電子タバコの開発。
それが
新たな健康問題や社会問題を作り出し、
それが最終的には
既存のタバコ業界に飲み込まれてしまったのは
皮肉なことだと思いました。


