番外編:愛鳥へのレクイエム(1) | Black Angel

Black Angel

悩んだり迷ったり 怒ったり笑ったり
それはあなたかも知れない わたしかも知れない

 

 

おはよう

おはよう

 

こんにちは

こんにちは

 

 

お前は人まねものまねばかり

 

 

寂しくはないか

哀しくはないか

 

 

自分の気持ちを

自分の言葉で語りたくはないか

 

 

 

 

 

 

ペットを飼うなら

 

九官鳥と決めていた

 

艶やかな黒い羽と

 

赤みを帯びた嘴が魅力的だった

 

 

 

 

 

ペットショップでは

 

生まれて間もないオスを勧められた

 

よく喋るのはオスの方で

 

それも大人になってからでは

 

言葉を覚えないとかで

 

言われるままに

 

ボサボサの羽と黄色い嘴の幼鳥を選んだ

 

 

 

 

幼鳥をボール箱に入れ

 

竹製の鳥籠と餌

 

必要な容器など

 

ひと通りを揃えて家に連れ帰った

 

 

 

 

 

ボール箱から鳥籠に移し

 

まず水と餌を与えなければならない

 

 

 

 

なにしろ幼鳥なので

 

まだ自分では餌をついばめない

 

自然界にいたら

 

親鳥から口移しに餌をもらうような時期だ

 

親鳥の代わりを

 

私がやらねばならない

 

 

 

 

 

とは言え

 

相手は嘴を持った鳥

 

突かれやしないかとビビってしまう

 

 

 

 

 

ピーピー鳴いて

 

必死に餌を求める口の中めがけて

 

ピュッと投げる

 

投げる方が投げる方なら

 

受ける方も受ける方で初心者同士

 

ヘタクソ極まりなく

 

ほとんどが下に落ちる

 

なかなか口の中にはおさまらない

 

 

 

 

 

ペットショップに相談すると

 

餌入れから自分でついばむので大丈夫

 

と笑われた

 

 

 

 

 

それはそうだと思う

 

餌も自力でついばめないようなら

 

ペットショップには並ばないだろう

 

 

 

 

 

勝手な思い込みで

 

ずいぶんひもじい思いをさせてしまった

 

 

 

 

 

それはそうだけれど

 

なぜか急に物足りなくなり

 

いらぬおせっかいをし

 

餌を手の平に乗せて与えるようにした

 

 

 

 

 

以来餌は

 

私の手の平からしか食べなくなった

 

 

 

to be continued

 

 

 

『Black Angel』

 

『Salon de Akane