おはよう
おはよう
こんにちは
こんにちは
お前は人まねものまねばかり
寂しくはないか
哀しくはないか
自分の気持ちを
自分の言葉で語りたくはないか
ペットを飼うなら
九官鳥と決めていた
艶やかな黒い羽と
赤みを帯びた嘴が魅力的だった
ペットショップでは
生まれて間もないオスを勧められた
よく喋るのはオスの方で
それも大人になってからでは
言葉を覚えないとかで
言われるままに
ボサボサの羽と黄色い嘴の幼鳥を選んだ
幼鳥をボール箱に入れ
竹製の鳥籠と餌
必要な容器など
ひと通りを揃えて家に連れ帰った
ボール箱から鳥籠に移し
まず水と餌を与えなければならない
なにしろ幼鳥なので
まだ自分では餌をついばめない
自然界にいたら
親鳥から口移しに餌をもらうような時期だ
親鳥の代わりを
私がやらねばならない
とは言え
相手は嘴を持った鳥
突かれやしないかとビビってしまう
ピーピー鳴いて
必死に餌を求める口の中めがけて
ピュッと投げる
投げる方が投げる方なら
受ける方も受ける方で初心者同士
ヘタクソ極まりなく
ほとんどが下に落ちる
なかなか口の中にはおさまらない
ペットショップに相談すると
餌入れから自分でついばむので大丈夫
と笑われた
それはそうだと思う
餌も自力でついばめないようなら
ペットショップには並ばないだろう
勝手な思い込みで
ずいぶんひもじい思いをさせてしまった
それはそうだけれど
なぜか急に物足りなくなり
いらぬおせっかいをし
餌を手の平に乗せて与えるようにした
以来餌は
私の手の平からしか食べなくなった
to be continued