말모이/マルモイ:言葉集め
今日、マルモイ/말모이/ことばあつめ という韓国映画をDVDで見ることになりました。 この映画は朝鮮半島が日本の植民地だった1940年代、当時の朝鮮総督府 により教育でも朝鮮語を教えなくし、人の名前も日本式に変える「創氏改名」を推し進めていた頃の物語です。 2019年1月に公開された作品です。
映画に登場するのはそのような中で朝鮮語を守り、朝鮮語の大辞典を作り上げようとする「朝鮮語学会会/조선어학회」の有志達で、彼らが朝鮮半島から朝鮮語を失くしてしまおうと血眼になった朝鮮総督府の弾圧に命がけで立ち向かう姿を描いています。
結末は、終戦により朝鮮語での日常生活が戻った末にようやく辞書の原稿が見つかり、日の目を見ることとなります。
マルモイ予告編
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今は朝鮮語といえば、いわゆる北朝鮮の言葉とされ、韓国語は大韓民国で使われる言葉とは区別されますが、もともと南北に分断される前には「朝鮮語」しかなかったし、みんな朝鮮人でした。
僕は在日朝鮮人3世として日本で生まれ育ち、親から朝鮮語を学び、朝鮮学校でも学び使い続け、結婚後に韓国籍を取得し、更には韓国語教授法の研修を受け、韓国語を教える立場になり、今は韓国からの留学生達と韓国語で会話し、韓国のラジオ放送を楽しみながら、このブログ記事を投稿するような生活をしています。
日本にいながら、韓国語を交えて生活し、韓国や韓国語に関する情報を発信できる状況がどんなに幸せなことか、実感できました。
日本では一部の心無い人たちにより在日韓国人や韓国についての誹謗中傷やヘイトのことばを目や耳にして気分を害することが時々ありますが、日本の植民地時代に比べたら大したことないと思います。
70年代、80年代と朝鮮学校で民族教育を受け、同じような境遇の同胞たちの中で青春時代を生きて来た僕にとっては、良いことではありませんが、空気のようなものかも知れません。
韓国語という言語面で見ると、今や BTS/防弾少年団/방탄소년단 やブラックピンク/BlackPink/블랙핑크、 トゥワイス/트와이스/TWICE などのK-POP が韓国語の歌詞で世界的な人気を得ていますし、ハリウッドで韓国語がメインの映画、ミナリ/MINARI/미나리 が作られアカデミー賞候補になるなど、韓国語の世界的な認知度はかなり高まっています。
これもひとえに日本の植民地時代に国語を守り抜いた先祖様たちのおかげだと、彼らに対する感謝の気持ちがこみ上げてきます。 そして世界をマーケットにして展開する現在の韓国文化ビジネスにも感謝したいです。 これからも韓国語、朝鮮語が世界的に広まるように、ほんの少しでも貢献していけたらいいな、と思いました。