日本人と韓国人 異文化コミュニケーション! | 韓国語 英語トリリンガル♪楽習ブログ

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第一回 駐日韓国文化院 世宗学堂 韓国語教師研修 最初の講義は「異文化間コミュニケーション」。

国際基督教大学(ICU)特任講師 呉惠卿/オ・ヘギョン 先生

講義の内容は日本人と韓国人の文化の違いによって生まれる誤解を防ぐことについてのお話でした。一貫して流暢な日本語で講義をなさいました。

日本人と韓国人は似てはいても背負っている文化は随分と違います。文法が酷似している言語を使う民族同士でも、思考方法は同じではありません。

呉先生は、今の十代の若者達だって自分にとっては異文化だと言います。そう、異文化とは国や民族という単位で考えるのではなく、もっとシンプルに「自分と違う全ての集団」を異文化と言うのだそうです。

日本語韓国語の表現で大きな違いのひとつに敬語があります。日本には謙譲語といって、自分を相手より下に見せることで相手を立てる習慣がありますが、韓国にはありません。

日本人は自分の家族について友人や知り合いに話すときには家族の良くないところを言ったりします。逆に相手の家族はすばらしいと引き立てるのです。それをお互いにすることで、自慢合戦にならないようにしているのでしょうか。自慢よりは相手をほめる方が良いですよね。また、表現j方法でも自分の父親について言うときに「ぼくのお父様」とか言わず、単に「父」と言いますよね。

韓国人は自分の家族を人前でも褒めるそうです。自分の親を悪く言う人は悪いやつだと思われてしまいます。自分の父親について言うときも「僕のお父様/내 아버님 」と言います。そう言わないと聞いている人に悪い印象を与えます。呼び方だけでなく、表現もそうです。「母がつくってくれました」と言う所を韓国語では「お母様が作ってくださいました/어머님이 만들어주셨어요.」と言うのです。ビジネスの場でも同様で、上司のことを「李は外出しております」という言い方はしません。「我が社長様/우리 사장님」と言うのです。ですので、韓国から日本に留学に来た韓国人の日本語がこのような表現の和訳になってしまうことが良くあるんです。

外国語を学ぶ上で、その言語の背景にある文化も身につけることってとても大事なんですよね。言語がまた、重要な文化そのものなのですから。日本人が韓国語を学んで韓国人と話をしても、今話したようなことを分からなければ、韓国人にあなたの家族は良くない人だという印象を与え、それを言うあなたもまた良くない人だと思われてしまうのです。でも相手が日本のこのような謙譲の美徳について理解していれば誤解することも無いでしょう。

このように、言語が通じるだけでは不必要な誤解がやたらと生まれてしまい、友達もできなくなってしまうかも知れません。ですので、相手の文化について理解しようとする姿勢が外国語学習においてはとても重要なことなのです。

おっと、別にこれが講義の内容というわけではありませんよ。振り返って思ったことです。

講義の中で特に印象深かった話の一つは、韓国人はビジネス上で男のお客さんにはほとんど先生様(선생님/ソンセンニム)または社長様(사장님/サジャンニム)と付けるということでした。何かビジネスをしている人はみんな社長様。僕のように一人で自営業していても社長様なんですよ。ビジネスも何もしてなさそうな人なら先生様と呼ぶそうです。

まだ僕が韓国デビューするずっと前、確かアメリカから日本に戻ってきたときでしょうか。成田国際空港で韓国の旅行会社のツアーコンダクターらしき人が日本へ旅行できた韓国人旅客の点呼を取っていましたが、名前の後にみんな「社長様/사장님」と付けていたのを不思議に思ったことがありました。これは企業の社長さんだけ集まった特別なツアーなのかと思ったら、僕自身が韓国の雑貨屋さんで社長様と呼ばれたので、そのときやっと本当に理解できました。

最後に、日本人は人が話しているときは最後までうまくうなずきながら聞いた後に、自分の意見を言ったり相手の間違いを指摘したりしますが、韓国人は話の途中で平気で割って入るそうです。日本人には腹立つ行為かも知れませんが、韓国人は悪気があってのことではないので、大目に見てあげてくださいね。

英語教育と文化―異文化間コミュニケーション能力の養成 (英語教育学大系) 異文化間コミュニケーション入門 (丸善ライブラリー)