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少年時代
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私は雪国に生まれ、小学校三年生までその地に育った。
母方の実家は茅葺屋根の旧家で囲炉裏(いろり)があった。
そこで食べ物を煮たり焼いたりできるし、家族との団欒の場でもあった。
水は井戸から汲み上げて、夏はスイカや果物を冷やして食べることが出来た。
風呂は五右衛門風呂だった。
浮いている木の板を踏んでお湯に浸かった記憶がある。
そうしないと火傷(やけど)をするからだ。
私が生まれる前には馬小屋があって、お爺さんが馬を飼っていたそうだ。
家の離れには藁(わら)が沢山積んである棟があった。
そこで筵(むしろ)や草履や縄などをつくる。
私も興味があって縄を綯(な)う技術を教えてもらった。
へたくそでとても商品にはならないが、難しくも楽しい作業だった。
海岸まで歩いて15分くらいの距離だが、途中の畑で生っているトマトをもいで食べた。
もちろん実家の畑のトマトだ(笑)。
その味が今でも忘れられない。
昔の日本のトマトは青くても美味しかった。
そんな時代はもう戻ってこないだろう。