「ドイツ流・技術立国はここが違う!

ドイツは昨年GDPで3.6%成長を遂げ、90年のドイツ統一以来最高の伸び。今年は2.6%(予測)とやや鈍化するものの、ユーロ圏全体の1.5%と比べるとかなり高水準にあります。
それは、大企業・銀行間の株式持合い、製造業依存、時代遅れなサービス産業、厳しい政府規制、慢性的な高失業率と高い労働コストというどうしようもない状況からこの10年間で見事に脱却したからだといいます。以下サマリーです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●ニッチ分野での圧倒的シェア
産業界の目立たない分野で圧倒的なシェアを誇るタイプの企業を、ドイツでは「ミッテルシュタント」と呼び、これがドイツ経済を牽引する原動力になりました。また、ニッチでなくとも、慎重な財政運営、上司と従業員の協力関係、価値観の共有といった、企業哲学の意味合いも含んでいるそうです。
【企業例】
・ヴィルトゲン
(老朽化した道路のタール・砂のリサイクル用機器)
・クグラー・ヴォマコ
(パスポート印刷の製造ライン)
・B・ブラウン
(医療機器メーカー)
・ボッシュ
(自動車部品メーカー)
●政府の産業政策
グリーンエネルギーやセキュリティ、バイオテクノロジーといった重要な成長分野に政府が積極的に助成金や研究開発のインフラ整備に協力した結果、例えばドイツは太陽光発電装置の世界最大の市場に。その結果、国内産業が育ち、失業率も低下。
●企業が「金融ショック」を契機に「機敏に」
大手経営コンサルティングファーム、ベインは「金融ショックの打撃が大きかったために、それを乗り越えたドイツ企業の多くが設備投資の見直しサイクルを1年から数ヵ月に短縮するなど、本当の変革が起きた」と分析しています。
●輸出頼みに潜む不安
GDPに占めるドイツの輸出額シェアはこの10年間で22%も増え、とりわけ輸出相手国が中国に集中しているため、新興市場の成長鈍化により大きな影響をこうむる危険がある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本だけでなく海外の景気動向や経済政策などは普段大きく採り上げられることが少なく、こういった特集記事はとても興味深いものです。
学生時代に、「日独マクロ経済比較」という仰々しいゼミに参加していた僕は、理解の薄いままに「回帰分析」とか「計量経済学」などの入門編を勉強していたのですが、当時何を学んだのかは全く覚えていないのは恥ずかしいところです。国内総生産=消費+投資+~ みたいな…。ゼミの同級生が「ドイツ経済はドイツ国内でのビール消費量

ただ、景気変動の発端が、民間の消費なのか、企業の設備投資なのか、政府支出なのか、輸出入のどれで、それぞれの影響(寄与)度がどれくらいなのか、というアプローチは、何の巡り合わせかちょうど僕が今やっている仕事とかなり近しいものがあります。
「キャリアの80%は偶然でできている」という最近読んだブログとなんだか重なります。