「が!」おいしそうだと思ったら片っ端からつまみ食いしていたのではすぐに肥えてしまい、消化不良で身動きがとれなくなってしまいます。「インプットだけでなくてアウトプットが大事」というのは良く言ったものだなと思います。

アート/クリエイティブディレクターとして、数々の心にとまる広告を世に送り続ける佐野研二郎さんの著書を手にとりました。それまで恥ずかしながら名前を存知あげなかったのですが、その作品たるや、au「LISMO」、TBS「Tブー!S」、資生堂ザ・コラーゲン、フランフランpigmug、山形県新米「つや姫」など、「あ、これは知っているぞ」という印象的なものばかり。
彼が過密スケジュールのなか、完成度の高い作品をつくり続けることを可能にしているのは、その思考法にありました。
1、シンプル(単純)に
2、クリア(明快)に
3、ボールドに(太く)
たったこれだけです。
広告によりターゲット(消費者)を魅きつけるには、単純で分かりやすくて芯のあるものでないと、結局何がいいたいのか分からないような広告や企画になってしまいます。これは広告業界だけでなく、ぼくたちが関わっている仕事でも言えること。プレゼン1つにしても、一生懸命話しているのはわかるけど、主張が曖昧になってしまったり、ページ数だけ異様に多くて結論のない企画書なんかがあてはまると思います。(自分も思い当たるふしがあるので直さなければ…)
また、タイトルにもある「思考のダイエット」ですが、冒頭にも書いたとおり「あれもこれも」ではなくて力を入れるべきものに照準を絞り、常にトップスピードで成果を出すために、無駄な贅肉はそぎ落とさなくてはなりません。あまり時間をかけなくても良いもの。自分でなくてもできる仕事。実はやらなくても誰もそんなに困らなかったりする仕事。これらを勇気をふるってやらないことで、仕事の効率とクオリティがUPするよ、と新しい気づきを与えてくれています。
今のぼくは興味は人一倍あるのですが、それもあってか色々なものをかかえてしまい、完全な肥満状態。ランニングで体を身軽にするだけでなく、思考も身軽にしなければなりません!
本著では色々な作品が紹介されているのですが、中でも気に入っているのが豊島園の広告です。夏場のプールの楽しくなるような感じを消火用のホースで放水しまくる消防士たちの姿で表すなんて素敵すぎます!
