7月号で休刊となったエスクァイア日本版。テーマ、記事内容、デザイン、
レイアウトどれをとっても洗練された雑誌がなくなってしまうのはすごく
悲しいことです。
その集大成を飾る最終号は「編集部総動員でつくりあげた、限られた
時間におけるベストアウトプット」とあるように、まさに完全保存版。
22年前にほぼ無名の会社によって世に出た新しい雑誌作りの現場や、
その後の足跡が、代々の編集長や活躍した編集者らによって振り
返られています。版元はユーピーユーという企業の採用広報を主と
する会社とのことですが、当時アメリカのエスクァイアの版権獲得
にはマガジンハウスも動いていたようです。
今回の休刊という残念なことについて、
「雑誌を愛してくれている読者がいる中で、経済的な理由で次々と
なくなってしまうとすれば、読者が本当に雑誌というメディアから離れて
いってしまう。ネットにはできない、紙に刷り込んだ写真の美しさとテキ
ストを愛する読者がいることを、作る側は忘れてはいけない。」
と書かれていたのが印象的でした。
分野や規模は違っても、同じ業界にいる人間として、利益性の問題だけで
価値ある紙媒体が姿を消していくのは悲しいことです。こういった流れを
食い止める方法が必ずやあるはず、と考えながらもはや古書店(しかも
ほぼ新品)を開けるんじゃないかというくらい積み上がった雑誌と本から
知識と情報とアートと感動のシャワーを浴びるのが先決です。