伊坂幸太郎の作です。表紙もお洒落です。
人間に扮した少し変わった「死神」が、死を目前にした人間に会いにゆき、本当に死なせても
良いかを7日間かけて可否の判決を下すというお話。6つの短編から成り立っていますが、
それぞれの短編が実は時間を越えてつながっていたり、随所にさりげない伏線が張り巡ら
されていたりで、「さすが」という一言に尽きます。
話の最後で「ああそういうことだったのか」という気持ちになれる、期待感を裏切らない作品。
推理小説タッチの1編では、人間が持っていない能力を有する「死神」がいる設定だから
こそ成立しえるトリックが盛り込まれるなど、作品としての「緻密さ」も感じられました。
彼は「多作」なのにもかかわらず、今まで読んだ作品はどれも完成度が高いので、
まだ未読のものも多いのですが、次が楽しみです!
買い溜めしておいた「グラスホッパー」に挑戦です。