ウチの職場の事務員は怒ってます。

“来月からの給料迷彩に減税分を給料明細に明記せよ“との総理大臣閣下からの御達しがあったからです。

私は、T議員さんのことは余り好きではないのですが、先日の国会質疑では私が言いたいことをほぼ完璧に質問してくれました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/328722/



岸田君・・・というより、政府・自民党、そして財務官僚の皆さんは何か勘違いされているのでしょうね。

確かに、日本国憲法には、国民に対して納税の義務が課せられています。

しかし、納税された税金の使い道は国民の“健康で文化的な最低限度の生活を保証“(日本国憲法第25条)される為に使われなければならないはずです。

国会議員や官僚たちのお金でないことは勿論、自分たちの恣意で自由に使ってはいけないお金のはずです。

それなのに、今回の岸田君の言い分。。。「税金を下げてやることを国民に周知徹底しろ・・・」

いやぁ〜、コレはおかしいでしょう。

“(税金を)下げてやる“って、一体とういう感覚で言っているのでしょう?

税金は、国民から供託されたお金のはずです。

納めたが最後、国会議員や官僚が勝手に使ってはいけないお金のはずです。


実は、今年度、我が家でも税金に関する事件がありました。

昨年度の税金がかなり上がっていたので、税務署に確認したところ、超過課税されていた事がわかりました。

もし、こちらが気が付かなかったら返還もなしでそのまま過分な税金を取られていたところでした。

手続きの結果、超過分は返還される事になったのですが、手続きに行った際も税務署の職員からはお詫びの言葉一つなし。。。

いやいや・・・あんた達の間違いで、こちらは7万円以上のお金を失うところだったんだよ。

一般の取引だったら民事訴訟ものだよ。。。

しかも、還付までには数ヶ月を要すると一方的に言われる始末。。。

税金を1ヶ月以上滞納したら課徴金を取るくせに、取り過ぎた分を返すのには数ヶ月かかるっておかしくないですか?


そもそも、日本の政治家や官僚は、税金に対する認識が江戸時代の年貢から変わっていないと考えるのは私だけでしょうか?

否、江戸時代初期までの年貢は「お前達(納税者)の財産生命を守ってやるから、年貢料を払え」という双務的な無言の契約で年貢が成立していました。

ところが260年に渡って太平の世が続いた江戸時代の間に年貢は片務的になり、その後、明治以降の天皇主権国家では、臣民(家臣)の主君(天皇)に対する義務となっていきました。

戦後、国の主権者が国民になった事で、税金も国民のために使われなければならなくなったはずなのですが、戦前の感覚が抜けきれない政治家や官僚は、納税=国民の義務、集めた税金は国民の信託を受けた国会議員(=戦前の天皇)と、その指示の下に動く官僚が自由に使って良いもの・・・という構図が出来上がってしまいました。

でも、税金は国家の物でも、政治家の物でも、官僚のものでもありません。

近代ヨーロッパの市民革命は全て税金が原因で生じています。

西欧諸国では、“税金=国民のお金“という意識が徹底しています。

名前は忘れましたが、第二次世界大戦のドイツ軍を描いた映画の中で、命からがら武器(機関銃)を放棄して敗走したドイツ軍兵士が憲兵隊の即席裁判で「ドイツ市民の税金によって購入された財産(機関銃)を無為に放棄したことはドイツ国民に対する裏切り行為である」という理由から懲罰部隊へ送られたシーンがありましたが、ナチス政権下の軍隊であっても、国民が納めた税金というものは尊重していたのです。

それを、「税金を下げてやったんだぞ」と恩着せがましく、自分の点数稼ぎのために、職場の事務職員の負担も考えずに減税分を給与明細に書き込めと命じる総理大臣。。。

自分たちのミスで、市民から払わなくても良い税金を納めさせていたにも関わらず、謝罪の言葉一つない税務職員。。。

こんな、税金の意味も分かっていない議員と官僚(公務員)が多いから、自分達の利権のために税金を湯水のように使いまくる国に成り果ててしまったのでしょう。

他人に義務を迫る人間は、それに伴う更に厳しい義務を負わなけれならないと私は思います。

納税の義務を国民に迫るなら、納税した国民が納得するような税の使い方をする義務が国会議員や官僚にはあるはずです。

それがないから皆怒っている。

挙げ句の果てには、税金を下げてやるからありがたく思え・・・なんて、考え違いも甚だしい。。。

こんな馬鹿が日本の政治リーダーであること自体、日本国の恥です。


ヨーロッパのピューリタン革命。名誉革命、フランス革命やアメリカ独立戦争と同様、日本人ももうそろそろ自らの税負担に対して、怒りの行動を起こしても良いのかも知れませんね。