前回記事の続きです。
工程12、13は車体に付く車外装備品の取付作業になります。
ドラゴン社の組み立て説明書は、誤記や説明不足、そして一つの工程の情報量がかなり多いので注意深く確認する必要があります。
組立説明書の確認と組立の際の摺り合わせをしっかりする事がドラゴン社のキット製作のポイントだと思います。

さて、車外装備品の取付で一番面食らったのが前部フェンダーに付くボッシュライトの取付です。
組立説明書では曖昧な位置に取り付けるように指示されてあります。
ただ、ボッシュライトの基部にはダボが付いているにも拘らず、取付側のフェンダーにはダボ穴がありません。

はぁ~?って感じです。
仕方が無いので再び資料本の“アハトゥング・パンツァー”を開いて取り付け位置を確認・・・
それにしても、作るのにいちいち資料本を参照しなければならないプラモデルってどうなんでしょう?
取付位置を確認した後、ボッシュライト基部の裏側にあるダボをデザインナイフで切り取り、紙やすりで均しておきます。(赤丸で囲んだ部分)


ボッシュライトの取り付け位置はこの辺りです。
あっ

接着は必ず瞬間接着剤(出来れば強度の高いエポキシ系が良い)で行わないといけませんよ。
まず左側。。。



右側については、もう一つ別の問題があるのでまとめて説明したいと思います。
右側フェンダーの前部には、フェンダーの支持架を取付ます。
組立説明書では、この部分は
プラパーツ(H5パーツ)とエッチングパーツ(MA12)のどちらかを選択するように指示されています。
この部分は、実車では薄い鉄板になっている事からココはエッチングパーツを選択したいトコロなんですが、車体側の取り付け位置にモールドされたボルトがエッチングパーツの穴よりも大きくて上手く収まってくれません。
その為、エッチングパーツのMA12を切り出す前にピンバイスを使ってエッチングパーツの穴を広げておく必要があります。
下の画像が修正して取り付けた状態です。
また、右側のボッシュライトの取り付け位置も併せて参考にして下さい。



次に、車体左中後方の天板に付く手摺り(B22パーツ)が組立説明書で取付指示が抜けています。


注意が必要な場所はまだまだありますよ~。
車体右側面に取り付けるアンテナケース(C4パーツ)は塗装後にデカールを貼ってから取り付けないと、この場所に国籍マーク(バルケンクロイツ=鉄十字)を貼る事が出来なくなります。
お陰でまめ八はこの場所に国籍マークを貼らないパターンの車輌しか作れなくなりました。



また、アンテナケース(C4パーツ)を取り付ける際には、車体側の3つあるダボ穴の内、最後方のダボ穴(赤丸で囲った部分)は深さが足りないのでC4パーツ側のダボを短く切り取るか車体側のダボ穴をピンバイスで貫通させてやる必要があります。



次に左右のフェンダー後部上に付く、吸気ルーバーのカバーをエッチングパーツ(MA1、MA2、MA7、MA3、MA4、MA5、MA8、MA9)かプラパーツ(E21、E22)を選択して取り付けるように指示されています。
実車ではこの
吸気ルーバーのカバーは極薄い鉄板なのでココもエッチングパーツを選択したいトコロなんですが、組立説明書の取付指示が非常に曖昧です。エッチングパーツをフェンダーに取り付ける際にはパーツの表面に取付基部のモールドがある方を下(瞬間接着剤を塗る側)にして取り付けます。


それにしてもこのキットはエッチングパーツを使う場所について首をかしげたくなる個所が幾つかあります。

まず、砲身のクリーニングロットのこの部分・・・(赤丸で囲んだ部分です)



この場所は、プラパーツ(C10)をそのまま使うパターンと、C10パーツの一部(赤丸で囲んだ部分)を切り落としてエッチングパーツ(MA18)に置き換えるパターンが選べます。ところがそのエッチングパーツ(MA18)が余りにも小さい上に真鍮板が硬くてまめ八が持っている道具(タミヤのエッチングベンダーと金属定規)では曲げる事が出来ませんでした。
ご覧の通りプラパーツでも十分良い感じなのでエッチングパーツの使用は諦めました。
それにしても、こんな場所をエッチングパーツにして何の意味があるのか?設計者はどんな意図でココをエッチングパーツにしたのか?
まめ八には理解しかねます。

次は、テールランプの部分です。
Ⅳ号戦車のテールランプは、上半分が赤の4灯(この4灯の見え方によって車間距離を測る事ができた)、下半分がカバー付きのブレーキランプになっているようです。
その下半分のカバーをエッチングパーツ(MA14)を使って再現してあるのですが、実際に組んでみると余り意味がないような気がします。
コレがエッチングパーツを使った状態です。


そしてコチラがエッチングパーツを使わないプラパーツ(G16)。。。


プラパーツの出来が極めて良いのでエッチングパーツを使う意味が全くありません。
エッチングパーツを使用するということは、切り出し、切り口(ゲート)処理、そして瞬間接着剤での接着という具合に、プラパーツに比べて格段の手間がかかります。強度やディテール再現上(例えば薄い鉄板を再現するといったような・・・)でプラスチックの限界を超えているような場所のディテールを再現する上でエッチングパーツは非常に有効なディテールアップパーツである事を否定するつもりはありませんが、このように余り意味の無い場所に使う事はいたずらにモデラーの手間を増やすだけだと思うのです。しかもエッチングパーツはキットの価格を引き上げてしまうワケですから無駄なエッチングパーツはモデラーにとって百害あって一利無しだと思います。

さて、ボヤいていても仕方がないので先に進みます。
この工程で注意を要する点はまだあります。
ソレがジャッキの取付です。
このキットのジャッキ自体は非常に良く出来たモノなのですが、コレを右フェンダー上に接着する際、そのままではジャッキ(C26)に付いた取付用のガイドのモールドが邪魔して正規の位置に取り付ける事が出来ません。
その為、ジャッキの後ろ側(車体側)にある取付ガイドをデザインナイフで削り取って接着してやる必要があります。
そうすればご覧のようにきちんと所定の場所に取り付ける事ができます。


それから、先にも述べましたがこのキットにはボッシュライトのコードが付属していません。
工程10で真鍮線に置き換えた事によって不要パーツになったA52パーツがサイズ的にもピッタリなので現物合わせで調整して取り付けてやれば簡単に再現することが出来ます。
ただ、まめ八は使い慣れたモデラーズのプラグコード(0.58㎜)を使って再現しておきました。


やれやれ。。。
やっと車体上部が完成しました。
まず右側面で~す。


左側面。。。
プラの形成色の関係もありますが、モールド等がかっちりしている上、細かい部分まで再現してあるのでこのままでも十分カッコいいでしょう?



車体後面。。。
タミヤのキットとは一味違います。
苦労が報われる瞬間です。

このドラゴン社のⅣ号戦車G型のキットは、作り易さを追求した“スマートキット”と銘打っていますが、タミヤやファインモールドのキットと同じ尺度で“作り易かろう”なんて考えて手を出すととんでもない事になります。
あくまでも、「同社の製品の中では作り易いというレヴェル」位に考えておいた方が良いでしょう。
まめ八のような下手っぴ~が言うのもおこがましいのですが、ハッキリ言って中級者以上の方以外は手を出さない方が無難です。(模型雑誌やライター諸氏の話を鵜呑みにしてはいけませんゼ



上から見たトコロ。。。


それでなくても手がかかるドラゴン社のキットですが、その手のかかる作業を2回(2輌分)行わなければならないのでかなり辛かったです。
ドラゴン社のキットを2つ一度に組もうなんて無謀な事を、コレから先は絶対に考えないようにします。


さて、ココまでで19ある工程の内、13まで終わりました。
これからいよいよ戦車の顔である砲塔の工作になります。
仕事の方も忙しくなってきてますが、3月末までの工作終了を目指してコツコツ頑張って製作を継続していきたいと思います。