先週の土曜日は、まめ八、奥さん、娘の計3台のiphone6の設定作業で丸一日潰れてしまいました。
そして日曜日は、あいにくの雨。。。
それでも午前中一杯はiphone6の設定で潰れてしまいました。
午後から時間が出来たので中断していたマーダーⅢMの製作を行いました。

塗装ブースの問題も解決したのでいよいよ塗装作業に入ります。
塗装ブース、コンプレッサー、ハンドピースを準備し、3年間放置してあった塗料の瓶を恐る恐る開けてみると・・・
ナント
溶剤と顔料は分離していましたが、塗料は使える状態でした。
恐るべし・・・日本の工業技術

ココでチョイと模型の塗料について解説しておきますね。
模型の塗料は、溶剤によって①ラッカー系塗料、②エナメル系塗料、③アクリル系塗料の三つに大別できます。

①ラッカー系塗料
塗膜が強いので下地塗装に向いているが、溶剤が揮発性が強く臭いも強烈。大量に吸い込むと中毒や習慣性が出る(所謂、シンナー中毒)。ラッカー系の溶剤はエナメル系塗料やアクリル系塗料の溶剤としても使用できるが、ラッカー系塗料はエナメル系やアクリル系の溶剤では溶かす事が出来ない。この特性を利用してラッカー系塗料で下地塗装を行っておけばその上からエナメル系塗料やアクリル系塗料で重ね塗りをしても下地塗装が溶け出す事が無い。塗料の肌理が細かく乾燥が早い上、発色も良いので模型塗料として古くから使われてきたが、希釈や扱いが難しく、シンナー中毒の危険性もあるので他の塗料と併用される事が多い。代表的な塗料は、GSIクレオス(旧グンゼ産業)のMrカラーとガイアノーツのガイア・カラー、タミヤのタミヤスプレー等がある。

②エナメル系塗料
塗料としての肌理が細かく発色が極めて良い。乾燥も比較的早い。ただし塗膜は弱い。エナメル系溶剤は勿論、ラッカー系溶剤やターペンタイン等の油絵用の溶剤でも溶く事が出来る。ラッカー系塗料程ではないが石油系の臭いがきつい。この塗料の一番の欠点は溶剤がプラスチックを侵す事で、ウォッシング等に使用するとパーツが割れたり、接着部分からパーツが取れてしまう事が多々ある。その為、最近ではターペンタイン等、プラスチックを侵さない溶剤を使って使用することが多い。代表的な塗料は、タミヤ・エナメル。

③アクリル系塗料
中毒性が低い溶剤を使用している事から健康を害する心配が低い。学校の美術の授業でも使用されているアクリル絵の具と同じ物で水でも希釈が出来る。ただしプラスチックが素材の模型では水で希釈すると弾かれてしまうのでアルコール系の溶剤を使用する。その為、臭いも余り無く、優しい。
発色が良く扱いやすい反面、塗膜が粗く弱い為、艶消しの塗装には向くが光沢のある塗装には向かない。また厚塗りになってしまう傾向がある。
ラッカー系の溶剤には溶けるが、エナメル系溶剤には溶けない。また、一度乾燥してしまうとアクリル系溶剤でも落ちにくい。
乾燥が遅く、エアブラシを使用した際に湿度の影響で白化を起こし易い。代表的な塗料は、タミヤのタミヤアクリル、GSIクレオスの水性ホビーカラー等。

・・・と、模型用塗料の特性についてザッと説明してみましたが、どの塗料も一長一短があるので、モデラーの多くはその特性に応じて使い分けているみたいです。

さて、まめ八は、第二次世界大戦(以降WWⅡ)中盤以降のドイツ軍戦車を塗装する場合には下地塗装としてラッカー系塗料のMrカラーのマホガニーを模型全体に吹き付けます。
コレは、WWⅡ中盤以降、ドイツ陸軍の兵器の基本塗装色であるダークイエローを吹き付ける前にマホガニーで下地塗装することによって、影の部分の表現やダークイエローの発色を良くし、色に深みを与える事を目的に行います。


チョコレートの戦車って感じになってしまいました。


次に、同じラッカー系塗料のMrカラーのフラットブラックで履帯や転輪のゴム部分、スコップなどの金属部分をエアブラシを使ってザッと塗装します。


ちょっと解りにくいので転輪の部分をアップ。。。
後から基本色を吹き付けていくのでこの段階でははみ出しても全く問題ありません。


ココまで作業が終わった段階でとんでもない悲劇が。。。
塗料が乾燥するまでPCデスクの上に置いて、ハンドピースの掃除を行っていたトコロ、溶剤を拭き取ろうとトイレットペーパーのロールに手を伸ばした際、模型にトイレットペーパーのロールが当たってしまい模型は床にガッシャ~ン・・・

不幸中の幸いでこのアクシデントによる損害は、①マフラーが接着部分から折れた。②マフラーに繋がっている排気管が折れた。③カムフラージュ用ネットを装着するためのアームが根元から折れた。。。という小破で済みました。ふぅ
それにしても何たる失態。。。
集中力が衰えていますねぇ~

気を取り直して壊れた部分を修復し、塗装作業を続行。。。
アクリル系塗料のタミヤ・アクリルのダークイエローで基本色を吹き付けていきます。


色を重ねる事によってダークイエローに深みが出ている事がお分かりでしょうか?
また、転輪やルーバーの奥に下地のマホガニーが残って影の表現になっています。



特にマーダーⅢMはオープントップ車両なので戦闘室の奥まった部分などにマホガニー色が残って暗い影の部分として表現されます。
アクシデントによって壊れたマフラー部分も目立たない程度に何とか修復できました。




フラットブラックで塗っておいた履帯や転輪のゴム部分にダークイエローが被っていますが、この部分は後から筆を使って修正してやります。
結局、後から筆を使って修正するこうした部分に予めフラットブラックを吹き付けておいたワケは、筆が届かない奥まった部分(こうした部分には基本色はかからない)を塗っておく事と、筆による修正を簡単に済ませる事が出来るからです。

さて、この後、いよいよ迷彩色の吹付けに入りますが今回はこれで時間切れ。。。
マーダーⅢMの製作を始めて早2ヶ月が過ぎてしまいました。
予想通り、長期戦の様相を呈してきましたね。
本当に完成するのかな。。。