お金[No.332] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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7月よりお目見えする1万円札に描かれる渋沢栄一について見聞きする機会が増えた。ぼくもそんなブームに乗っかって彼を描いた小説を読んだ。お金儲けに終始し三菱財閥を興した岩崎弥太郎とは対照的に士魂商才(※)を掲げ社会全体の公益を前提に富を築いた。誰かが言っていたが、確かに花咲か爺さんのような人である。今回はそんな1万円札に代表されるお金への想いについて記したい。

 

士魂商才:武士の高貴な精神と商人としての抜け目ない才能とを併せもっていること。

 

 

先ずは老後への備えの話。リタイヤが遠い将来でなくなってきた僕は、老後の生活安定のためにも政府の進める資産運用立国実現プラン、つまり家計に眠っている現金を企業への投資に振り向け、企業はそれを元手に挑戦し、そのリターンによって家計が潤う、そんなことがぐるぐる回る構想にうまく乗れたらと思う。バブル崩壊を記憶している世代なので少し不安ではあるけれども。その実現に向けて、現状維持の少しづつ少しづつしぼんでいく残念から、ダメかもしれないけどひょっとしたら上手くいくかも、だからやってみる!な価値観への転換が進むことを期待したい。企業家も投資家も。

 

若い頃は、お金は少し足りないくらいで丁度いいと思う。何とかしないと!で必死になって試行錯誤できるから。なので、子供に残すことを考え過ぎない方がいいと考えている。それに甘えられてしまっては彼らの努力の機会を奪ってしまう。ある程度のハングリーな気持ちは彼らの成長のためには不可欠である。貧困の悔しさをバネに過酷なトレーニングをモノともしない自分の拳だけを頼りとするボクサーのように。

 

さらに一度、生活レベルを上げてしまうと、それを落とすのは中々難しくなる。この前、詐欺かなんかで捕まった犯人が、かつてのような生活を取り戻したかったと犯行理由を述べていた。そんなだから、子供たちに過度な贅沢はさせたくないし清貧といったら大袈裟だけれど、質素を勧めていきたい。

 

もう一つ質素であることのメリットは人からの無用な嫉妬を避けられることだ。この感情はとてもタチが悪い。時に足を引っ張られかねない。だから質素や謙虚は欠かせない。多少裕福になったからといって華美に自分を飾らない人が増えているそうだ。SNS等で派手に飾られた投稿を見ると承認欲求の高さがそうさせるんだろうけど、危うさを感じてしまう。そのようなことを反面教師にしているのかもしれない。

 

いとこが土地を買うと腹が痛い

韓国のことわざ

 

その一方、自分で稼いだお金で何とかできることはお金に任せないと!と思うこともある。かつて「金持ち父さん貧乏父さん」という本で盛んに語られていた「お金に働いてもらう」ように。また、貯めるだけには陥りたくない。子供の教育とか、自分のQOL(生活の質)を上げる、リターンの期待が大きいことには積極的な投資(投機ではなく)を惜しまないようにしたい。そうやって人生の生産性向上を図っていきたい。

 

以上のようにお金について述べてきたが、お金に対する姿勢は、その人の生き様を表しているようで非常に興味深い。夢があれば、そんなもの、、、なんてことは絶対にない。その一方、お金や地位に執着し妙に汚くなるのもみっともないから絶対に嫌だ。だからお金に対する距離感は良い塩梅を心がけたい。

 

富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。

論語と算盤:渋沢栄一

 

お金では買えない:ビートルズ