自分株式会社[No.303] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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 今年も、もうすぐ1年が終わろうとしている。1年前の自分と比べて少しでも新しいことに対応できるようになったか?振り返ると少しの不安を感じてしまう。この1年、良くも悪くも安定した1年だった。安定は新たな必要を生まない、どうにかしないと!に乏しくなる。引き締め直さないといけない。

 

 往々にして企業や、国家は人と似ているように感じる。中国の追い上げに不安、嫉妬を感じ、その勢いを削ぐために多くの妨害をするアメリカ。かつての日本がそのターゲットだったように。ウサギとカメの童話のように、かつて世界を席巻したものの、その後の慢心によりイノベーションに乏しくなってしまった日本の家電メーカー。このように企業や国家はとても人間臭い。

 

 自分を企業や国家に例えて今後、激しい競争の中、生き残っていくにはどうしたら良いか?よく考える。どうやって差別化を図っていくか?他者の多くが出来ることを自分が出来るようになっても、レッドオーシャンの中、買い叩かれながら、あくせくしていかないといけない。とはいえ、希少な能力を身につけ保持していくのは簡単なことではない。だから1つにこだわることなく、2、3の能力の組み合わせで希少さを実現していきたい。顧客のビジネスに精通し、システムも分かり、さらにデザインもできるシステムエンジニアでありたいと考えている。

 

 このような能力を身につけるため、日々の限られた時間を何にどれくらい割り当てるか?とても重要な問題である。企業の浮沈を左右する設備投資計画みたいに。なりたい自分を規定して、なりたい自分から今の自分を引き算して求められる不足を埋めるために、何を続けていくか?何を止めるか?何を新たに始めるか?難しい問題だ。新しく始めるには、何かを止めないと時間が足りなくなる。今まで続けてきたものの、それよりも重要なことが見つかった場合、勿体ないけれども捨ててしまわないといけない。成長戦略にそぐわなくなった部門を売却し再生を期する企業のように。

 

 最近、日本の停滞を報じる記事をいくつか目にした。例えば2020年の日本の平均賃金は韓国のそれを下回っている。2000年から2020年の間に韓国はGDPが285%増えた一方、日本は2.9%増と横ばいで、その結果が賃金の逆転を許した。ユニクロの柳井社長は日本の停滞の理由を日本人はハングリーではないと表現していた。「あがり」現状がほどほどなのだから、今をキープしていればいい、ともたもたしている間にじりじりと・・・まさにゆでがえる。幕末期における過去の喪失感をバネに機会を窺ってきたハングリーな薩長の革命に対して、太平の中、世襲によって高い身分が保障されてきた幕府のヌル過ぎる旗本武士が全くかなわなかったように。

 

 

 このような日本の残念な状況の中、自分の活動を日本に限定するのは非常に勿体ない。とはいえ世界に自分の活躍の場所を探すにあたり情報が不足している。ITによってマッチングや意思疎通がスムーズになるのも時間の問題だとは思うが、僕はそれを待っていられるほど若くない。自分の気になる地域のビジネスはもちろんのこと、言語や文化についても積極的に情報収集し取り入れていきたい。そのうち多国籍企業になれたらと思う。

 

広い世界観を歌ったbeatlesのacross the universe