イジメ[No.291] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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 イジメを苦に自ら命を絶ったなんてニュースが頻繁に報じられています。学校や地域社会、職場といった人が集まる場所でコトの大小はありますが、イジメは避けられない人のサガなのかもしれません。表向きはいい人に振る舞っておきながら裏側では表に影響を大きく及ぼすことはないだろう弱者をターゲットに陰湿の限りを尽くし死に至らす、本当にイヤなやり方です。

 

弱い者達が夕暮れさらに弱い者をたたく

ザ・ブルーハーツのTRAIN-TRAIN

 

 似たような話で、江戸時代の身分制度として士農工商が有名ですが、実際にはその下に穢多非人といった人々を位置させ差別することで日々の不平不満を緩和する、今も残っているところには残っているイヤなイヤな同和の問題があります。今の自分はイマイチだ、、、でも彼らに比べたらまだマシだ。本当に嫌らしい考え方です。

 

 それに加えてイヤらしいのが集団になって弱者を叩くやり方です。このようなイジメは決して子供に限ったことではありません。むしろ大人のそれは、陰湿、巧妙さが増しよりタチが悪いように感じます。それでは運悪く自分がそういった陰湿のターゲットになってしまった場合、どうしたらいいのか?自分の経験も踏まえて記していきます。

 

 まずは一人で悩まないで他者に相談(公表)することです。これはイジメられている、イジメている双方にとってイジメを止める観点で有効です。イジメている側は自分達の行っている陰湿がおおやけにさらされることを妙に怖れます。イジメの先頭に立つ人は世間体に敏感すぎる傾向があるからです。ですのでイジメる側は他者にその実態を告発しない、もしくは告発したとしても上手くやり込めるだろうなターゲットを選びます。私はかつて先生に言いつける、いわゆるチクリに抵抗を感じていました。権威のある人に密告し解決を委ねることに幾分のズルさを感じていたからです。でも今は全くそんなふうに思いません。積極的に相談(公表)し事態の収拾を図ります。ズルいのはやられている側ではなく、やっている側ですので。

 

 またイジメられている本人は他者に事情を話すだけでも少しだけ気分が楽になります。さらに客観的な第三者から公正なアドバイスをいただくことで自分の修正点を把握できますし、イジメている側の自分へのハッタリな攻撃をハッタリとして受け止め受け流す事の助けになります。自分を否定するようなハッタリを真に受け、自分をダメと思い込まされ、ふさぎ込んでしまうのは非常に残念です。加えて他者の助けによりイジメそのものが収束に向かうかもしれません。またその一方で何も変わらず苦しい状況が暫く続くかもしれません。

 

In the end, we will remember not the words of our enemies, but the silence of our friends.

結局、我々は敵の言葉ではなく友人の沈黙を覚えているものだ。

 

黒人差別解消に向けた公民権運動の指導者 キング牧師

 

 

 肝要はイジメの攻撃に反応しすぎる(可能な限り受け流し、気を落としすぎる)ことなく、粘り強く惨状を広く発信し続けることです。しかしながら一向に事態が改善することなく我慢の限界に達した場合、安全な所に身を、心を、移す、つまり距離を取ることが大切だと考えています。引っ越す、転校する、会社を辞める、といった具合です。お金がかかる、収入が絶たれる、地位が奪われる、といった負の側面はありますが、凄惨な現場から離れ安全を確保することが出来ます。私はかつて、ここに居続けなければならない、といった変なこだわりで自分を非常に辛い状況に追い込んでいたことがあります。そのこだわりを捨てたことで劇的に状況は改善されました。土地の所有が許されなかったユダヤ人がそれを必要としない商売を洗練させ富を得たように。逃げ恥だなんて思いません。状況によっては必要です。何よりも優先すべきは生き続けることです。このような経験により、収入や立場や場所、人間関係に固執(依存)し過ぎることは控えるようにしています。

 

闘争と逃走のバランス

 

 また事務的なことではありますが、被害の証拠を残すことが重要です。昨今、ITの進歩で少し前ならとんでもないお金がかかっていたことが今はほんの少しの知識とお金で出来るようになりました。例えば防犯カメラやスマホ、さらにはapple watchといったスマートウォッチで事の経緯をつぶさに記録できます。被害の状況を撮影、録画(音)する等で、後に第三者を交えた補償の交渉といった時に備え、主張の客観性を担保しておきます。イジメる側は自分にとって都合の良いように事実を脚色する、さらに時には全くのハッタリをかまして自身を守ることが往々に予想されます。証拠(事実)に基づく主張、反論は自らの正しさに繋がります。また情報を記録していることを相手に匂わせておくと相手の行動を牽制するのに効果的です。その一方、基本的に収集した情報は小出しにするのではなく、ずーっと貯めておいて、相手を油断させ、ここぞの勝負の一瞬に全てを勢いよく吐き出す間合いのはかり方を強く意識すると良いです。政敵のスキャンダルネタを温存しておいて、いざ政局となった時に自分に攻め込んでくる政敵にカードを切る老獪な政治家みたいに。

 

相手がどう反撃していいか、わからないような戦法でぼくは権力と戦いたい

ジョンレノン

 

 最後に、イジメの先頭に立つような陰湿な人は1対1に弱いイメージを私は経験的に持っています。ですのでグループを形成し数的優位を作り出した上でターゲットを攻撃します。このような相手に対応すべく以上に述べたような事を心がけることで「こいつだったら何をやっても大丈夫だ」ではなく「こいつ何だか不気味だ、ひょっとしたら大変なことになってしまうかも」を陰湿な相手に感じさせ、毅然としていたいものです。また変なこだわりを捨て柔軟にしなやかに対応することで強く(鈍感で)ありたいものです。このように身構えているうちに少しづつ少しづつ打たれ強くなれます。だって世界は広く、考え方次第で、どこにでも自分の居場所は作りだせるわけですから。

 

You don’t know what you’re missing,Nowhere Man, the world is at your command.

今、居場所を失っている君は自分が見過ごしていることに気づいていない。世界は君の意のままなんだ。

ビートルズのnowhere man