資源依存モデル〜嫌なら別に他があるから[No.115] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
文章長すぎ!って方は赤字部分だけお読みください。
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組織は外部の取引先から、様々な資源を調達して、それをもとに、商品やサービスを作り上げお客に提供している。例えばパン屋は小麦粉を卸業者から仕入れ、パンを焼くための燃料をガス屋から調達している。このような取引先との依存関係を適切にコントロールすることはお客への安定した商品やサービスの提供に欠かせない。資源依存モデルとは、このような依存関係を上手にマネジメントするための考え方である。

例えば相手に大きく依存してしまうと相手に大きな交渉力を持たれてしまい、資源の安定確保が怪しくなる。僕も相手に依存してしまい、微塵の主導権を持ちえない状態で「ふーん、嫌なら別にいいんだけど」みたいな言葉と僕の些細な弱みの指摘を事あるごとに浴びさせられて、最終的にはこっちも「それならいいよ!」ってなってしまった事がある。高飛車な女性に振り回されるくらいなら別れを選ぶように。


Under My Thumb(ストーンズの傲慢さを歌ったナンバー)

実際の例として2010年に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件。日本はレアアースの大部分を中国に依存していた。そんな背景を利用して中国は船長釈放への圧力として日本へのレアアースの輸出を禁止した。このことが効いたのかどうかは分からないけど中国の船長は間もなく穏便に釈放された。ただ禁輸はさすがにやり過ぎということでWTO(世界貿易機構)より不当との裁定が下された。またこの件をきっかけにレアアースを使わない技術が発達し、さらにはレアアースの中国以外の代替先からの確保の動きが活発化した。

圧倒的な影響力を背景とした傲慢さには遠心力が働く


また調達する対象が特殊で対応できる取引先が少なかったり、対応方法について相手の取引先だけが分かっていて、こちら側が分かっていなかったりすると、適正な価格が分からない。そういった状況をいいことに高値でふっかけられてしまったりする。このようなことへの対応として社内の人材を育成したり、系列や子会社といった近しい間柄の組織に任せることで、情報の非対称性をいいことにした変な駆け引きによる行き過ぎた高コストを防止できる。

このように調達先を分散させることで依存度を下げたり、内部で対応した方がコストを抑えられる場合は内部化したり、さらには誠実なコミュニケーションの継続によって信頼関係を築くことが重要だ。でも、国際関係は別の話として、こちらのそういった努力の甲斐もなく、いつまでも損得、相手の弱みばかりに異常に執着してコロコロ態度変えてくる人・組織に対してはある程度の距離を取ることを視野に入れてもいいと思う(資源の重要度によって一概には言えないけれど)。自分の立場を上げることだけに終始しているような人・組織との長期の信頼関係は難しい。政局の時だけ妙にギラギラする政治家を信用出来ないように。互いの良い所を出し合って利益を分かちあおう!でもそれには各々の能力が研ぎ澄まされている必要があって、それが難しくなった場合は残念だけどサヨナラだ、みたいな前向きな緊張をともなった関係が素敵だ。

1984年ロス五輪の柔道無差別級の決勝でエジプトのラシュワンは山下泰裕の負傷した右足を攻めなかった。結局、ラシュワンは山下に寝技で敗れた。後に、「どうして右足を攻めなかった?」との問いに彼はこう語っている。「相手の怪我した足を攻めるのは私の宗教と道徳に反していた」小学校5年だった僕は格好いいと思った。29年の時が流れ清濁をそれなりに目にしてきた今でも彼のそういったスタンスについてキレイ事だとは思わない。

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