無責任によるポテンヒット[No.83] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
文章長すぎ!って方は赤字部分だけお読みください。
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ある野球チームでショート、センター間のお見合いによるポテンヒットが頻発していた。お互いが自分には関係ないと思い込んでいたためだ。その都度、レフトの前進守備によるカバーで凌いでいた。

今日もまた、ショート、センター間にボールが飛んだ。いつものようにセンター、ショートはお見合い、レフトのカバーも間に合わず、結局それが決勝点となり試合に敗れた。

試合後、センター、ショートはレフトのいないところで、お互いの保身のため、次のような会話を交わした。

「どう考えてもあれはレフトのボールだよな、試合に負けたのはあいつのせいだ。そもそもあいつ、レフト定位置のボールさえも取れないことあるし、辞めた方がいいだろ!」

一方、その試合を観戦していた2人の観客は帰り道で次のように試合を振り返った。

「どうしてレフトがあそこまでカバーに入るんだ?センター、ショートは一体何やっているんだ?監督はどうして指導しない?」

「実はショートが選手兼監督みたいなんだ。」

「・・・。」

こういった無責任に因を成す敗戦の増加に伴い、入場者数・視聴率の低下がここ数年続いている。そういった中、球団収入は減少の一途をたどり、球団存続を危ぶむ声も一部では挙がっている。

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誰かが守備範囲を拡大すると、それに乗じる人が出てくる。とはいえ、区切りを適切にかつ明確に付けて、後は知らないではロボットのようで無責任だ。境界はそれに接している両者の責任と考えると良いみたい。豊臣秀吉は築城の際にそうすることにより、驚異的なスピードで城を作り上げた。組織内に他責なんて許さないぞ!っていう雰囲気を作るのって素敵だ。

また、過剰な前進守備は時として本来定位置のボールさえも追いつけなくする。それを主張しないと戦犯になることだってある。黙っていてはいけない、たとえ、そうすることが戦力外通告を招いたとしても。人は貧乏には耐えられても屈辱には耐えられないから。

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その後、レフトは歪んだ前進守備をやめ、フライが打ち上げられた直後、本来、捕るべきプレーヤに指示の声をあげるようになった。「センター!」って。自分のため、何よりチームのために。