かつては「空気を切り裂くカッティング」で悲しみとか、反骨みたいなものを”ロック”を通して表現していた。
そんなレディオヘッドがKID Aというアルバムから変わった。シンセを多用したエレクトロ系の環境音楽みたいなものに。当時の僕はエッって感じで非常に残念だった。どうして、今までのやり方で高いところに連れて行ってくれなかったんだ?って。
Kid a/Capitol
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51ZWr2hIj8L._SL160_.jpg)
ネットでの批判的な評価も多かった。リーダーのトム・ヨークは「ついてこれない人はそれでいい」みたいなこと言ってた気がする。芸術家特有のコマースを無視した純粋なアートの探求。
それが、繰り返し繰り返し聞いているうちに少しづつ心に沁みこんでくる。ひび割れた乾いた土に半年ぶりに降った雨水がしみわたるように。結局、僕はトム・ヨークの世界に引き込まれてしまった。How To Disappear Completelyとか聞いてると不意に幼少のころに感じた晩秋の夕方の寂しさみたいなものに心が支配される。
今となってみると、そのKID Aというアルバムは商業的に大成功だったし、アーティストとしてのロックではないレディオヘッドの評価を決定的なものにした。今までのスタイルを捨てたことはイノベーションを引き起こすための創造的破壊だったんだ。
最初はケチョンケチョンに言われながら後から凄いじゃんってことある。みにくいアヒルの子みたいに。
もうすぐ2014年がやって来る。僕は芸術家でも、突出した才能があるわけではないけれども、今までにとらわれることなく、その時、その時、感じた大切にしたいことを素直に大切にできる2014年にしたい。
人の言うことは気にするな。
「こうすれば、ああ言われるだろう・・・」
こんなくだらない感情のせいで、どれだけの人はやりたいこともできずに死んでいくのだろう。
ジョン・レノン