田中角栄の言葉[No.69] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
田中角栄というと金権政治といった負の側面の一方、コンピュータ付きブルドーザーとか、選挙の神様といった評価もあり、僕の大好きな政治家の一人である。全盛期をリアルタイムでは知らないけど、VTRで演説を見たことがある。独特のダミ声、人情を揺さぶる言葉によって、引き込まれてしまった(ある意味危険だけど)。人の思いを的確に理解することが天才的だったようである(システムエンジニアでも出世しただろうな)。きっと豊臣秀吉もこんな感じだったんだろうと思う。そんな彼が次のように残している。

分かったようなことを言うな。気の利いたことを言うな。
そんなものは聞いている者は一発で見抜く。
借り物でない自分の言葉で、全力で話せ。
そうすれば、初めて人が聞く耳を持ってくれる。

この言葉は恐らく一生忘れられない言葉だ。本物の田中角栄が僕にあの語り口調でどことなく優しく、厳しく語りかけてくれてるんじゃないかって錯覚しそうになった。

人、本、新聞などから得た情報を分かったつもりになって、自分の中で消化されていない借り物の状態で知ったように話すのって何か気持ち悪い、というか深くつっこまれると返す言葉がない。相手の心に届くはずない。

さらに情報って発信者が自分のいいように加工することが多いので怪しいこともある。

得た情報を自分の経験とか思いとかと照らし合わせて、なるほど!って感動したり、やっぱりそうなんだとか、これはちょっと違うな参考にしちゃまずいなって風にかみくだく。そうすると、得た情報がすーって腹に落ちる。こうなると自分の言葉で自信持って伝えることができ、変なところからつつかれても間に合わせに頼らなくてすむ。

それでも時として得た情報を誤って解釈してしまうことはある。そういった時はこう言うことにしている。

記憶にございません(※)。

※ロッキード事件の国会証人喚問で田中角栄の刎頚の友、小佐野が発した当時の流行語。