昨日 (2026年7月8日)、維新の会の悲願であった比例定数削減法案の今国会での審議が見送りとなりました。

一昨日、Yahoo!ニュースで比例定数削減法案の記事に対するコメントを見ていて、「相変わらずヤフコメってレベル低いな!」と思いました。ヤフコメする人って、おそらくSNSを見ていないのでしょう。情報量の少ない状態で、且つ、偏向報道に基づいてコメントしているのだろうと思います。「オレ、X民でよかった!」と思いました。比例定数削減について解説します。

比例定数削減は日本の民主主義を後退させる

実は、比例定数を削減することは日本の民主主義を後退させてしまうことになるんです。

 

比例代表制導入の背景・歴史から書くと非常に長くなりますので、今回は、要点しか書きません。興味のある人はAIに「日本に比例代表制が導入された経緯および理由を教えて」と訊いてみてください。

 

現在の選挙制度

現在の (国政) 選挙制度は、衆議院選挙、参議院選挙とも「小選挙区+比例代表」制ですね。

比例代表制は、衆議院選挙が拘束名簿式、参議院選挙が非拘束名簿式です。

 

①拘束名簿式:政党があらかじめ当選順位を決めた名簿を作成

       投票券には政党名のみ記入

②非拘束名簿式:有権者の個人票に基づき当選者が決まる。

        (2019年から特定枠制度を導入)

        投票券には、名簿に記載された候補者の個人名でも政党名でも、

        どちらでも記入OK。

もし小選挙区制だけだったら・・・

もし、比例代表制度がなく、小選挙区制だけだった場合を考えてみましょう。

小選挙区制は1人しか当選できませんね。

当選者の得票率が30%だったら、つまり、 30%の得票率で当選したとすれば70%は死票になります。

投票によって意思表示された民意の70%が国政に反映されないことになるのです。

これ、民主主義が成立している状態と言えますか?

比例代表制が必要な理由-1:死票により無効とされた民意の吸い上げ

小選挙区制だけでは、投票の多くが死票となり、民意が十分に反映されません。

死票により無効となってしまう民意を吸い上げるための方策と言えます。

 

小選挙区制だけだったら、

宣伝費を多くかけることができる大政党の候補者が圧倒的に有利になります。

また、有名人の候補者も圧倒的に有利になります。

現実として、候補者が表明する政策の良し悪しよりも、知名度によって当選が決まってしまうような状態が生まれます。

 

比例代表制が必要な理由-2:政策に着目する投票行動を促す

比例代表制の場合、(拘束名簿式の場合は特に) 知名度の影響力が弱くなります。

それにより、候補者の所属政党の政策、候補者が主張する政策に有権者の意識が向かいやすくなります。

逆から見れば、知名度がなくても政策が良ければ当選する可能性が高くなると言えます。

比例代表制が必要な理由-3:金がかかり過ぎる選挙の是正

小選挙区制よりも個人名を売る必要性が低くなりますから、選挙費用の中の宣伝費を大幅に削減することが可能になります。

 

比例代表制が必要な理由-4:小さな政党でも選挙で勝てる可能性

理由2・理由3と関連するのですが、新たに政党を作った場合、多くは小規模政党としてスタートします。小さな新興政党には十分な選挙資金がありません。

お金のない新興政党が、小選挙区で巨額の選挙資金を持つ自民党に太刀打ちできるでしょうか?はっきり言って無理ですね。太刀打ちできるわけがありません。

でも、比例代表制であれば、WEB戦略・SNS運用に長けていれば、政策を訴え、同時に知名度も上げて行くことが可能になります。圧倒的に少ない費用で選挙戦を戦い抜くことが可能です。

逆に言えば、比例代表制がなければ、新興政党、小規模政党の候補者が国会議員になることは、ほぼ不可能です。

 

比例代表制が必要な理由-4:※超重要!少数意見の吸い上げ

新興の小政党が少数意見を主張する政党だとします。その少数意見が、まだ多くの国民が気づいていない正論だったとします。この場合、将来、その新興政党が日本を変えて行く可能性がありますね。

実際、新興政党は、既存政党にない視点・考え方を持っていることが多いわけです。

民主主義においては多数決で物事が決まりますが、少数意見を無視してよいわけではありません。少数意見を無視するような社会は健全な民主主義社会とは言えないことはわかりますよね。

比例代表制が無ければ、少数意見を国政の舞台に持ち込むことが非常に難しくなるのです。

これが最も大事な比例代表制の存在意義です。

ですから、比例定数の削減は日本の民主主義を後退させると言っているのです。

 

比例定数の削減に賛成している人の多くは、国会議員の報酬に関連付けてしか考えていないでしょう。

それもわからなくはない。しかし、「比例代表制の、この本質を知って賛成と言っていますか?」と問いたい。

 

私は、議員数削減ではなく、報酬そのものを削減すべきだと思っています。

日本人の平均年収に合わせればよいと思っています。

 

データを貼ります。

日本の国会議員の報酬は世界トップクラスですが、国会議員の数は決して多くないことがわかります。

 

維新が進めようとしていた比例定数削減は、小選挙区に強く比例区に弱い維新の会と、小選挙区で圧倒的に強い自民党の党利党略でしかありません。

比例定数を削減すれば小政党の国会議員が大幅に減ることは明らかなのです。

すなわち、日本の民主主義が後退することは明らかなのです。

維新と自民は、国民のため、国家財政のために比例定数削減をやろうとしているわけではありません。

自分たちの独裁的体制を強化したいからやろうとしているのです。

この点、しっかり認識してください。

 

きょうはここまでです。