異世界の三日間。(続き) | Song Ridersオフィシャルブログ Powered by Ameba

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続き




すまん、病院行ってた

ウイルス性の風邪だと
結構高熱で るんだな

俺はとりあえずつまらなくても最後まで話そうと思うからさ

(コメント「寝ろ ねろ 」)

寝るぐらいなら倒れてやるわ!

優「そんなじろじろ見るような部屋じゃないでしょ?www」
俺「まぁ、また入れると思わなかったからさ」
優「ねぇ、気になってることあるんでしょ?」
こう言われてはもう聞くしかない
俺「お母さんはどこにいるんだ?」

優は笑いながらこう話した

お母さんはね、死んじゃったんだ
ダンプと正面衝突
お母さんね、病院に運ばれたときお母さんじゃないみたいになってた
血まみれの何かにしか見えなかったんだ
あたししばらく受け入れられなくてさ、何回もいなくなっちゃおうかって考えたよ

こちらの優は自分が事故に遭わなかったものの
お母さんの事故によって深い傷を負っていた
俺はそれにまったく気付けなかった

優は続ける

俺君の話聞いたとき
もしかしたらそっちの世界ではお母さんが生きているかもしれないって
俺君が私に会えたみたいに
私もお母さんにまた会えるかも?って期待したの
でも俺君の世界ではお母さんどころか私までいなくなっちゃってた
ねぇ俺君
なんでお母さんはいなくなっちゃったんだろう
もうどこの世界でもきっと会えないんだろうなぁ
お母さんじゃなくて私がいなくなっちゃえばよかったんだ
あーあ、なんか疲れちゃったなぁ

そう言って悲しそうに笑った

俺は

生まれて初めて優にビンタをお見舞いした

スパァァァァァァン

優は痛みよりも驚きが隠せないようだった

優「何なの・・・?」
俺「何でお前そんなことばっかり言ってるわけ?」
優「あんたにわかるわけないじゃん!」
俺「おう、わかんねーわ」
優「あたしはずっと辛かったの!お父さんだって妹だって人が変わったようになっちゃってさ、あたしは一人で支えてきた」
俺「もしお前が慰めてこなかったら、二人は俺の世界と同じようになってただろうね」
優「もう疲れたの、あたしの人生だったら何したって構わないでしょ!」
俺「お前がもう一度あの苦しみを俺に与えても平気だって言うんだったら好きにしていい」
優「そうじゃないけど・・・!」
俺「お父さんと妹をさらに苦しめたいならやればいい」
優「いっつも正論ばっかり言ってさ!あたしの言ってることが間違ってることなんてわかってるよ!でも辛いの!辛いんだもん!」
俺「俺だって辛いわぼけ!何が嬉しくて好きなやつに死にたい死にたい言われなきゃいけねーんだよ!」

俺「馬鹿じゃねーの!?お前こっちではいなくなってんだぜ?俺がお前のことどんだけ好きだったと思ってんだよ!お前が死んでから誰とも付き合わなかった、いや付き合えなかった!お前のことがそれだけ好きだったんだよ!」
優「そんなに好きだったんならちゃんと好きって言いなさいよバカ!」
俺「馬鹿ですよ!馬鹿だからお前が死んでからしか気付かなかったんだろうが!死ぬことだけは絶対に許さねぇ!」
優「はぁ・・・本当にバカ・・・俺君とケンカしてまとまった試しないよね・・あーあ、バーカ、バカバカバーカ」
優は泣き出した

優が俺に抱きついてきた
俺は久しぶりに優の匂いを近くで嗅いだ
匂いの記憶って意外と残ってるもんなんだね
嗅いだ瞬間匂いが変わっていないことに気付く
優自身の匂い、髪の匂い、そして香水の匂いが混じった大好きな匂いだった
正直高校の頃はこの匂いを嗅いでしまうと息子が元気になってしまったものだが、今は穏やかな気持ちで抱き締めていられた

俺「この香水まだ使ってたんだね」
優「やっぱりそっちでもそうなんだねぇ・・」
この香水は付き合って初めて誕生日プレゼントであげたものだった

俺「あの時は頑張ってバイトしたよー、学校にバレないようにするのも必死だったしさー」
優「そっちでもサイゼでバイトしてたの?」
俺「そうそう、稼げてチョリソーとメロンソーダが近くにある環境だと思ってさwww」
優「チョリソーそんなに美味しいの?」
俺「今だったらビール飲みながらだったら最高かも」
優「ふぅん・・・。あ、じゃあお酒買ってきて飲もうか?」
俺「それいいじゃん、買ってこようぜ」
二人でセブンに行き
メロンソーダとお酒を買って戻ってくる

ちなみに優の買った酒は
カロリとかほろ酔いみたいなあんまりアルコールがきつくない酒
俺はビール大好き野郎だけど金がないので発泡酒大量購入
チョリソーありませんかー?
って優が店員さんに聞いてたみたいだがどうやらなかったようで文句言いつつも普通のウインナー購入
この夜俺は優の新たな一面を目にすることになる

優の部屋で酒を飲みながら雑談する
優の今の趣味のこと
優の今の好きな音楽とか
こんなこともやってるのかー、って結構楽しく話せた
優の顔が赤くなってきた
酒はそんなに強くないと話していた
すると優が急に俺の発泡酒を奪い
とり半分くらい飲んだ
「うにゃー!にゃー!いやー!」
苦さのあまり猫になった

優「あはははは!wwおいしくなーい!ww」
俺「おい俺に謝れ」
優「ねーねーねーねー!ww」
俺「ん?どうし チュッ
優に急にキスをされた
俺「なんだ!?急になんだ!?」
優「えー?俺君好きだからー!」
そのあと俺の上に優はのしかかりキスの雨を降らせた

優はどうやら酔うとキス魔になるらしい

ここで俺はとてつもない罪悪感に襲われる
もし俺がこっちの世界の俺だったら?
絶対にこんなこと嫌だと思うはず
俺は俺かもしれない、でも俺は俺だと思う
同じ形のものに入っているというだけで同じ人だとは限らない

俺「ごめん、これ以上無理だ 」

優「やめちゃうの? 」

俺「俺にもお前にも悪いからさ 」

優「そっか、残念だけど決めたんでしょ? 」

俺「うん 」

優「じゃあそれが正しいと思うっ 」

俺達はこの日久しぶりにベッドで抱き合って就寝した

ベッドで寝ていたと思っていたら急に優が話しかけてくる

ねぇ

ん?

俺君は向こうで幸せなの?

まぁまぁかな

そっか、おやすみ

うん、おやすみ

本当はただ毎日惰性の様に仕事に行って、嫌なこと忘れるのにバスケをして、そんな無気力な生活が到底幸せだとは言えなかった
でも優にはそんなこと言えなかった

朝誰かの声で目が覚める

おねーちゃん!ご飯炊き忘れた!
え!?うそ!?信じられない!
おいお前ら俺これから仕事なのに白米食えないわけ?
そんなこと言うならお父さんが炊いてから寝ればいいじゃない!

朝っぱらから大騒ぎのようだ
やはり今日も俺は元の居場所に戻っていなかった

今日は日曜日
いつもと変わらない日曜日・・と言いたいところだが
この家に居ること、お父さんと妹が元気なこと、そして優がいること
全てがアブノーマルだった
優の机の上には
昔俺がプレゼントしたのと同じ香水
オムニアクリスタリンが乗っていた
懐かしいなぁ、そう思い手にのせて眺めていると
優が
ご飯だからおりてこーいっ!
と下から叫ぶ声が聞こえた

食卓に並んでいたのは
ウインナー、ハッシュポテトスクランブルエッグ、そしてパンだった
結局お父さんが近くのコンビニにパンを買いに行かされたらしい
ちなみにウインナーは昨日買ってきたもの
優「みてみてー!あたしが作ったのー!」
お父さん「全部焼いただけじゃ・・・」
優「うるさい」

優は家事オンチで
昔もそのことをよくお母さんにからかわれていた

いっただきまーす
みんなで食卓を囲む
優の作ってくれた朝ごはん
どれもすごく美味しかった
俺「これ、美味しい!」
優「愛が詰まってますからな!」
妹「あたし吐き気が」
父「俺も吐き気が」
優「ちょっとあんたら!」
あはははは、と俺は笑いながら
昔優が弁当を初めて作ってくれたことのことを思いだした。
これ、美味しいよ!
愛が詰まってるからだわww
同じやり取りをしていたことを思い出す

妹「俺さんなんで泣いてんの?」
俺は笑いながら泣いてしまっているようだった

優はすかさず
「俺君お笑いの見すぎで笑うと涙が出てくる体質になっちゃったらしいよww」
妹ちゃんとお父さんは
「なんじゃそりゃww」
って笑ってくれてた
まったくいつからこんなに臨機応変なうそがつける子になったのだろうか
優に感謝した

部屋に戻り優と話す
優「急にだったからびっくりしたわー」
俺「ごめん、つい」
優「ついっておいwwさっきから香水見てるね。懐かしいの?」
俺「おう、俺があげたやつ棺桶に入れちゃったからさ」
優「ふーん、なんかありがとう」
俺「お前にお礼言われてもなぁ」
優「私代表ということでさwwあの香水あげようか?」
俺「え、でも」
優「大丈夫だよwあれ俺君が買ってくれたやつとは違うやつだからww何年経ってると思ってんのww」
俺「じゃあ、記念にもらおうかな」
もらった所で向こうに持って行けるのかもわからないし
自分が帰れる保証もなかったが
何故か俺はその香水に興味をそそられていた

香水の入れ物はこちらの世界と何も変わらず
俺が一目ぼれした形の容器そのものだった
メビウスの帯のようなその形がとても綺麗だと思った
優「それ匂いかがずに買ってきたんだよね?www」
俺「今考えるとチャレンジャーだよな」
優「たまたま好きな匂いだったから良かったけどね・・・」
俺「こんないい容器に入ってるのに変な匂いのわけがない」
優「俺君て本当にわけのわからない根拠で動くよね・・・www」
俺「そんなことねぇよ」
優「そんなことありますからwww」
俺「そういえばさぁ」
優「んー?」
俺「こっちの俺が初めて好きだってちゃんと言ったのどんなときなの?」
優「え///急に何なの?」
俺「いや、気になるじゃん」
優「どんなんだったかなあ・・・」
俺「脅迫してたのは聞いてたけどさ
優「脅迫じゃありませんー!」
俺「で、思い出した?」
優「んー、正直今は思い出せないかなぁ」
好き、という言葉が当たり前になってしまうということが
俺には少し寂しく感じられた

俺が好きだという場面てどんな場面なんだろう、そんなことを考えていると
優「ねぇ、デート行こっ」
俺「デート?どこにだよ」
優「○○駅の近くの駅ビル!」
俺「なんでそんな高校のころでも行けるような場所なの?」
優「よく言うよね、バスケばっかりであたしの相手なんて大してしてなかったくせにさ、エーンエーンオレクンガイジメルー(あからさま過ぎる嘘泣き)」
俺「わかったから!あの時はすいませんでした!駅ビル行きましょ!」
こうして駅ビルデートに行くのである

駅ビルに関して駅の反対側にあること以外は特段変化はなかった
ここにくると優は必ず最初にある店に行く
そう31アイスクリームだ
案の定優は俺の手を引いて31へずんずん進む
そんな優に俺は

ポッピングシャワー?ww

と声をかける
すると優は

まだまだ甘いねっww

と言いでこぴんをしてくる
店に着いた優が注文したものは
ポッピングシャワーのダブルだった

結局ポッピングシャワーじゃねえか・・・

優は向かいの店を眺めつつアイスを口に運ぶ
その横顔を俺が見ていると
不思議そうな顔で んっ?とこちらを見てくる
俺が どうかした? と聞くと んーん、と言いまたアイスを口に運ぶ
向かいの店を見てみると
こちらの世界とは違う店が入っているようだ
何の店なんだろう?
看板を見て思い出した
ここは俺がプレゼントの香水を買った場所だ

こっちではここにあるんだなー、とあまり動揺もしなくなってきた
アイスを食べ終えた優を連れて向かいの香水屋さんに足を踏み入れる
そこの店にはオムニアアメジストは置いてあるものの
オムニアクリスタリンは無いようだった
ここねー、しばらくクリスタリンおいてないんだよねー。だから通販で買うしかないんだぁ
と優が口を開く
6年という時間は、思い出が少しずつ減っていくには充分な期間だった

俺は1度、煙草吸ってくるからといい優から離れた
優はご飯のあとでいい!とのことだった
優の煙草吸ってる姿を思い出して少しニヤニヤしてしまった
あまりにも似合ってなくて
・・・ん?
ここであることに気付く
ちょっと待て、どういうことだろう?
いやー、気のせいか、気のせいだろうな
この場では自分の考えを否定し優のもとへ戻ることに

優の元へ戻ると小さな右手で携帯をいじっていた
おかえりっ、じゃあ行こう!
俺達はバイキングへ行くことに
席につき優の挙動をじっと見つめた
優はセルフで持ってきたコップを右側に置く
ちっぽけな疑問を優にぶつける
なあ、お前って左利き?
俺の知っている優は右利きだった
んーん、右利きだよっ、何で?

俺の心臓が早く打つのがわかった







俺「お前、右利きだったのか?
左利きじゃないのか? 」

優「左利きじゃないかと言われると何とも言えないかなぁ 」

俺「どうして? 」

優「だって昔は左利きだったんだもん
でも運動とかしてると右の方がが成績よかったから、右手で生活するようになって、今は立派に右利きww 」

俺は激しく混乱した


俺「お前何かのきっかけで右利きになったんじゃないのか? 」

優「いや、本当に自然にじわじわとだよww 」

俺「昔の記憶で曖昧な部分とかないか? 」

優「え・・・ないと思うけどどうして? 」




俺「お前もしかして
こっちの優なんじゃないか? 」




優「は?何言ってるの?急にどうしたの? 」

俺「最初に疑問を持ったのは車に乗せてくれた時なんだ
お前が車の運転をしてる時に
「左ハンドルって運転しにくい気がする」っていう言葉
あと煙草を右手で吸ってたこと
まあ煙草に関しては何とも言えなかったけどさ
そしてさっきの右利きという離し
一番気になったのは足だ
どうしてこっちのお前が優と同じ部分に傷跡があるんだよ?
いくら世界が違うからって勝手に傷跡が出来るなんて事があるのか?
なぁ、お前優なんだろ?
そうだろ?今まで何かの理由があって嘘つかなきゃいけなかったんだろ?なあ! 」

優「そうだよ
私はあなたの世界の優だよ
ごめん嘘ついてて
本当は最初に気づいてたんだ
でも俺君があたしのこと愛してくれてるか確かめたかったんだ!
じゃあ、一緒にもどろうか 」

優は笑みを浮かべた
俺は嬉しさで泣きそうだった
が次の瞬間優は真顔で

優「そう言ってほしいの?
それが俺君の欲しい答えなの?
ねぇ、俺君。
あたしは、あたしなんだよ 」

俺は自分の言った言葉が優の一番嫌いな類いの言葉だと気付き血の気が失せた

優は誰かに似てるなどと言われるのを物凄く嫌う
あたしはあたしだ、と
そんな優にあろうことか俺は優自身の存在を否定してしまった

優「ねえ、俺君
私から見たって俺君だって俺君じゃないんだよ? 」

冷ややかな視線、声

そんなつもりじゃなかったんだ
こう言おうとした俺だが言葉は出てこなかった

今まで見たことがないくらい
優の表情が辛そうで、悲しそうだったから

あたし、帰るね

そう言うと優は席を立ち、振り返ることもなく背を向けて歩きだした

俺はただただ遠くなる優の背中を定まらぬ焦点で見つめるしかなかった

俺は歩いて家に向かった
空は少し雲があるが晴れていた
笑える、本当に笑える
せっかく会えたのに
あれほど望んだ再開だったのに
俺はまたあの時と同じ様に後悔している
何でこうなんだろうなぁ
あはははは、笑える
涙なんて出なくていいのに
どう我慢しても頬に落ちていく

家に着いた
家には誰もいなかった
俺はこの世界の俺から借りていた服を脱ぎ
こちらに来てしまった時に着ていたバスケの服に着替えた
俺はバッグを漁る
あった、きれいだなぁ
でもこれは俺が持っているべきじゃない
机の上にオムニアクリスタリンをそっと置く
やっぱりここは俺のいていい場所じゃあなかったんだ
忘れ物はないかな?
大丈夫だな、よし
俺は車に乗り込み家を後にした

俺が行ける場所なんて限られている
俺がいていいかもしれない場所なんて限られている
信号に苦戦しつつも俺は優の母校である中学校へ向かった

中学校に着いたのは4:30頃だったと思う
日曜日で本当に良かった
敷地内には誰もいない
俺にとってはここだけが希望の持てる場所である
この3日様々なことがあった
色々ありすぎてすっかり疲れてしまった
・・・いや、この脱力感は俺の優に対しての情けなさから来ているんだろうな
そう自分のことを鼻で笑った

もうこれで本当に優に会うこともないだろう
もし帰れなくても二度と会わないつもりだ
俺と優は一緒にいられないような運命にあるらしい
こっちの世界の二人は羨ましいなぁ
ああ、そうだ
もし帰れなかったら
自分で自分を終わりにしよう
そうしなければこっちの俺は出てこれないんだろうから
楽しかったなあ
すげー辛かった、悲しかった
でも思い返すと楽しかったことしか出てこねーや
あーあ、本当都合よくできた頭だな
あーあ、楽しかった・・・
そして俺は煙草に火をつける

2口ぐらい吸っただろうか
煙草が肺に染み渡り気分が落ち着く
その時、校門から車が一台凄いスピードで入ってくる
敷地内では煙草を吸ってはいけないので
慌てて俺は火を消した
誰かが降りてくるようだ
面倒くさい・・・
どうせ学校の先生だろう
そちらを見ないようにしたが運転席の窓が叩かれる
舌打ちをしながら横をむく
そこにいたのはまぎれもなく優だった

(この時点で「終わらないでくれ」とコメントが多数)

なんでここにいるんだ?
そう思い動揺する
優は運転席のドアを外から開けるとほとんど叫ぶようにこう聞いてきた
優「どっち!?どっちなの!? 」

俺「ごめん、まだあっちの俺だよ 」

その瞬間、優は俺に抱きついた
今まで感じたことがないぐらい強く、強く

優「まだ帰ってなくて良かった!
さっきはごめんなさい!
俺君が辛いのはわかってたの!
でもあたし馬鹿だから、だから、だから・・・ 」

俺「俺が悪かったんだよ
そんなに泣くなよ
あーあ、もう会わないつもりだったのに
そんなに泣かれたら
帰るの辛くなっちまうよ 」

(この時点で「泣いた」コメント多数)

優「あたしね、さっきはあんなこと言っちゃったけど
本当はそんなこと思ってない
俺君は俺君だけ
あなただけなの
まだ3日しか一緒にいないかもしれないけどさ
外見もこっちの俺君と一緒だけどさ
あたしは俺君が本当に好きだと思った
あなたのこと本当に大好きだと思った!
愛してる、愛してるよ
いなくなるのは寂しいよっ! 」


俺「ダメだよ優
優にはこっちの世界の俺っていう大切な人がいる
さすがに俺は違う世界とは言っても俺のことは裏切れねえよ
でもな優
たった3日間だけど俺だって優のこと好きだ
大好きだ!愛してる!
これからだってずっと好きなんだと思うよ 」


やっと俺は初めて自発的に優に愛してると言えたんだ

優と目が合う
距離が近づく
俺達二人は
ひぐらしの鳴き声の聞こえる車の中で長い長いキスをした
最期に見た優は冷たかった
でも目の前にいる優は温かかった
優は確かに存在している
そして俺も確かにここに存在していた
永い永い一時だった

(コメント多数「本当に映画化してほしい 切に願う ニートだけど働いてお金払って映画館に見に行くよ 決めた 就活する」
「だよな、映画化したら一緒に見に行こう 」
「僕もつれてって 」
「俺も行く 」
「気になって寝れん! 」)



でも永い時間にも終わりは来る
俺と優の唇が離れる
優は泣きながら笑っていた
いとおしい、守りたい
でも俺は優とはなれなければいけない
辛く悲しく切なく、でもかけがえのない愛のあるキスだった

優でよかったよ
本当に良かった
生きていてくれてありがとう

俺君も二度と死のうとか考えちゃいけないよ?
あたしの最高の浮気相手なんだから・・・

優はアスファルトに泣き崩れた

俺はもう幸せな気持ちが顔からにじみ出ていたと思う

優、愛してる
さて、立てる?

こうして優を優の車に乗せる



俺「優、敷地から出ていてくれる? 」

優「え・・・嫌だよ 」

俺「お願いだよ、優
いつも俺の選択は間違ってないって言ってくれるだろ 」

優「ずるいよ・・・ 」

俺「大丈夫だよ、帰れる見込みなんてどうせないんだからさ
帰れなかったらラーメン食べ行こうぜ 」

優「味噌ラーメンじゃなきゃ嫌だよ? 」

俺「わかったよ そうしよう 」

優「ねぇ俺君 」

俺「何? 」

優「またデートしようね? 」

俺「もちろん!
色んな所行けるといいな 」

優「ね!じゃあ、外で待ってる 」

俺「おう、よろしく 」

優「ねぇ俺君 」

俺「何?優。 」

優「愛してるよ 」

俺「俺も愛してる 」

優「行ってらっしゃい 」

俺「行ってきます 」

優は校門から車で出ていった
景色はすっかり暗くなっていた

俺は車に戻った
帰れるのだろうか
そんなことは誰にもわからない
何をすればいいのだろうか
この前は寝てただけだ
そうだ、その前にメールしとこう
ごめんなこっちの俺、携帯借りるぜ

俺のこと信じてくれてありがとう
また会えて良かった
また会えるかな?
酒と煙草は控えめにな
それじゃあね
愛してる

あーあ、なんか眠くなってきた

すごく眠い
瞼が重い
携帯が鳴る
緩慢な動きになってしまった身体で辛うじて携帯を取る

俺「はい・・・ 」

優「俺君
メールありがとう
最初は信じられなかったけど、俺君を見てて嘘じゃないって思えたんだよ
俺君だって煙草吸いすぎだし
ビールばっかり飲んでたら太っちゃうからねっ
大好き
愛してる 」

俺「うん・・・
俺も優に会えて良かった・・・
愛してる・・・ 」

優「俺君帰っちゃ嫌だよ、嫌だ 」

俺「おまえ・・・な・・・わがまま・・・言わないの・・・

でも・・・

大丈夫・・・・・大丈夫だよ 」

優「本当に? 」

俺「うん・・・・・・ 」

優「俺君がいうならきっとそうだね、信じる! 」

俺「なぁ優・・・・・・・ 」

優「なぁに? 」

俺「ありがとう・・・・・・・・ 」

優「俺君?俺君?ねえってば! 」

俺の記憶はここで途絶えた
深い深い眠りについた

頭が痛い
どのくらい寝たんだろう?
外は暗い
ここはどこだ?ああ、中学校か
また戻れなかったみたいだな

俺は車から出て優の車の場所へ行く
しかしそこには車はなかった
優帰っちゃったのかな・・・
そう思った俺の目に飛び込んできたのは
赤黄青の三色の信号機だった

ポケットに何かが入っていることに気が付く
そこに入っていたのは携帯だった
しかしiPhoneではなくXperiaだった
中学校の近所にある車もほとんどが右ハンドルだった

俺は帰ってきてしまった

(ここで、喜びと落胆が混じった溜息コメント多数)

この夜俺は車を家に停め、家に帰ることなく一人で横町に飲みに行った
みんなが楽しそうにはしゃいでいる
ケンカもしてる
そして恋人同士で仲良く飲んでいる
すごくすばらしいことだと思った
ただ、俺は一人だった
横町が閉まってからは公園でぼーっとした
朝になり
朝日が身体にあたる
訳もなく涙が出てきた

歩いて家まで帰る
本当に色々な事があった
夢だったのかもしれない
でも俺にとっては現実だった
俺は優のためにも生きていかないといけない
優は俺に色々なものをくれた
俺も何かあげられたのかな?
考えても仕方がない
無気力に生きてたって優に怒られちまうな
これから頑張ろう
幸せな姿で墓参りに行けるよう頑張らないと
家に着きみんなが寝ていることを確認して階段をあがる
部屋のドアを開ける

机の上には
朝日に煌めく香水が置かれていた



終わり



(以下コメントコピペ)

181:名も無き被検体774号+:2013/09/17(火) 23:58:58.36 ID:p3lOZqKyi
>>173
乙!!

184:名も無き被検体774号+:2013/09/17(火) 23:59:04.40 ID:j0V/xjEs0
>>173
おつ!

210:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:03:00.89 ID:fNcbooq5O
>>173
ありがとう。嫁もっともっと大切にするよ。
本当に乙

214:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:04:21.66 ID:VTNUMfCC0
>>173
おつ!

254:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:16:34.11 ID:zkUVnnmh0
>>173
何回も更新ボタン押した会があった!乙

182:名も無き被検体774号+:2013/09/17(火) 23:58:59.98 ID:AxUd2DXS0
>>1がプレゼントした香水のOMNIAは
ラテン語で『すべて』と言う意味

優ちゃんは>>1のすべてだったんだろうな

194:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:00:14.53 ID:4yt8H1fu0
優がとても可愛かった乙

202:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:01:22.06 ID:eo4ICb9P0
これは泣けるスレ

>>216
さぁ色々と質問に答えてもらうぜ!!


…………


さぁみんな質問だ!


ん?


俺はないかな……うん


221:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:06:45.88 ID:eguMpk950
結局は日数は進んでたの?

>>221
日数はきっちり進んでたみたい
妹に
俺もしかして家出してた?
って聞いたら
は?部屋に引きこもってたじゃん
と言われたwww

230:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:09:50.90 ID:CjRS4AGn0
異世界の先生が今の世界にいたって事でOK?

>>230
引きこもりがいたらしいなぁ

273:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:25:14.13 ID:mjnpa2qJ0
異世界のやつも大変だっただろうな。
信号おかしいし、左右逆だし、そして、彼女がいないし…

>>273
確かに・・・
俺は恵まれてたな・・・
いや、あいつ帰ったら優がいるからちょっと辛い思いしても大丈夫だろ

294:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:32:52.91 ID:Pc4Av0vm0
もう後悔はないの?

>>294
おう、もう後悔しないことにしたよ


298:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:34:05.58 ID:CtVhirgc0
それにしても優のヒザの傷跡が気になる

>>298
あの謎だけは本当にわからん
でも、違う世界の自分に何かあると何か起こるもんなのかな?

309:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:39:43.34 ID:Pc4Av0vm0
俺も一生愛せる彼女が欲しいな

>>309
絶対出来るさ


320:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:47:55.94 ID:SBoO89yU0
優は事故の時に異世界へ移動して、それから違和感を感じつつ数年を過ごしてきたって事なのかな?
また何処かですれ違う事があるかもしれないね。

>>320
秒速5センチメートルみたいなすれ違いかた以外がいいなぁwww

330:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:54:46.62 ID:7P5LN4oa0
>>1のお母さんとか妹は『ここ最近のアンタおかしかったよ』とか言ってこなかったの?

(*>>1はこの記事の主(俺)の事)

>>330
風邪で寝込んでると思い込まれて放置プレイだったと聞く
もっと俺のこと構えよ・・・

335:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:57:15.97 ID:mkcal4HV0
香水は、前スレ>>864を受けてるのかと思ったけど違った?
>家に着いた
>家には誰もいなかった
>俺はこの世界の俺から借りていた服を脱ぎ
>こちらに来てしまった時に着ていたバスケの服に着替えた
>俺はバッグを漁る
>あった、きれいだなぁ
>でもこれは俺が持っているべきじゃない
>机の上にオムニアクリスタリンをそっと置く
>やっぱりここは俺のいていい場所じゃあなかったんだ
>忘れ物はないかな?
>大丈夫だな、よし
>俺は車に乗り込み家を後にした

>>335
そうだよー

338:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 01:04:53.25 ID:mkcal4HV0
香水と一緒に帰ってきたんだ
香りは色々思い出させるからね
素敵な記念品だ
レスサンクスでした

>>338
毎日磨いてるからね!
塗装剥げないように気を付けないと・・・www

348:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 01:11:43.18 ID:E8qC5Ibd0
ん?香水持って帰ってきたの?机に置いて来たんじゃなく?

>>348
オムニア様はずっと机で鎮座されておりました


363:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 01:18:50.50 ID:E8qC5Ibd0
読みかえした!あっちの自分の家の机に置いて来て、こっちに帰っても机にあったって事ね?
…ですよね?

>>363
その通りでございます!

369:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 01:25:53.82 ID:E8qC5Ibd0
ステキ♡
おもしろかったー!ありがとー!!


342:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 01:06:48.78 ID:0B2PPY9cO
お互いにあった後悔を浄化するためだったんだろうね。
>>1はこれを期に前に進んで行かないと元カノがかわいそうだ。

>>342
俺は進むよ
頭おかしいと言われたって俺は今回のことを胸に頑張る

351:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 01:12:38.75 ID:0B2PPY9cO
それが一番の供養だと思う。
泣きたい時は素直に泣いて、笑う時は腹のそこから笑える様になる事を祈ってるよ。

>>351
ありがとな
とりあえず目標は笑ったときに頬の筋肉痛くならないようにすること
しばらく無表情だったせいですぐ頬がいたくなるwww


310:名も無き被検体774号+:2013/09/18(水) 00:39:57.76 ID:RHIOeRcPi
なんかこのスレのおかげで今日も頑張れそうだわ






















今日のブログはこんな感じでした。





あ、武雄ですw





この話が本当かどうかは分からんが、記事整理しながらまた半泣きした。





優のキャラは盛ってるのか何なのか。。アニメに出て来そうなキャラでしたな。。










異世界に行って来たっていう記事はこれまで何回も出て来てて





絶対嘘やろってやつから、まじかいってやつまであって





今回の記事はその中でも新しい体験談だった気がする。





おもしろかったです。





よかったらみんなの摩訶不思議体験コメくださいな。










さ、今日はシングルのレック!





優、いってくるぜ!