大学の軽音楽部時代にちらっと聞いた次の命題:
「F#とG♭の違い」
どちらも、ピアノでいうところのファとソの間の黒鍵。
しかし、F#と呼ばれる時とG♭と呼ばれる時がある。
その違いはなにか。
F# すなわち、Cスケールで言うところの♯11th (シャープ・イレブンス)
G♭ すなわち Cスケールで言うところの♭5th (フラット・フィフス)
和音の構成からして#で呼ばれるときと ♭ で呼ばれるときがある、そうい音楽理論的なことが分かるレベルになることを「F#とG♭の違いがわかるようになる」というのかなと思ってました。
このたび、本当の違いが判明。
F#といえば、Lydian Scaleリディアン・スケール
Major 7th Sharp 11thのコードにLydian Scaleリディアン・スケールが当てはまるのは誰にしも明らかだとして、
上の動画の10分59秒あたりで 「 C Major7th Sharp 11thコードではB Minor Pentatonic Scale が弾ける」と解説されています。それについてコメント欄でも「なるほど、それは知らなかった!」的な反応が書かれています。
有意義な解説です。半音下がった音をルートにしてブルースコードが応用できる。
しかしその解説だけでは計り知れない、あるかたの回答は次の通りでした。
「僕はSharp 11thとは呼ばない。 Flat 5thと呼ぶ」
なぜか?
♯11th はヨーロッパ、つまり白人の音楽概念に基づいたコード。
♭5th はブルース、つまりアメリカの黒人の音楽概念に基づいたコード。
音は同じでも由来や歴史が全く違い、そこに広がるフィールが全く違う。この人はSharp 11thと書いてあるとき、心の中でFlat5thとしてアプローチしていることが判りました。そしてジャズが黒人音楽なのは、誰がなんと言おうと明白な事実。
アメリカ数百年、ひいてはアフリカにも遡る歴史に基づいた壮大な回答が、今回のNY滞在のある瞬間に私の五臓六腑に沁み渡っていきました。
F♯は白人の概念、ヨーロッパの音楽。
G♭は黒人の概念、ブルース。
そして、ブルースとは人間らしさ、土の匂い。
The flat 5th is about being human humanity.
自分へのメモまで。
Songbird TAeKO