40年間ニューヨークのジャズ世界を支え続けた偉大な日系アメリカ人女性が昨年お亡くなりになりました。Cobi との愛称で親しまれたノブコ・ナリタさんです。

 

コロナ禍にてコビさんがコロナウィルスにかかられたときは、業界みんなヒヤッとして、その後無事に復帰なさってホッとしました。その後、病院通いが2〜3年続いていたようで、2023年11月に天寿を全うされました。

 

3月20日にマンハッタンのセント・ピータース教会にて追悼ジャズコンサートが行われ、多くの人が集い、私の友人ミュージシャンたちもたくさん出演していました。感動的な、素晴らしい会だったとのこと。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

 

Nobuko "Cobi" Narita  ノブコ ”コビ” ナリタ

'

 

 

 

バイオグラフィーより

http://cobinarita.com/about-cobi/

 

 

1926年3月3日カリフォルニア生まれの日系アメリカ人。子供の頃からラジオでジャズを聴き、ヒューストン・パーソンやエタ・ジョーンズが出演するクラブでボランティアをする。

 

第二次世界大戦中の1941年、15歳で家族とともにアリゾナのヒラリバー戦争移住センター(日本人収容キャンプ)に収容される。(Karate Kid でMiyagiを演じた俳優Patt Morita、作曲家の古賀政男も同じキャンプに収容されていた!)
収容所で迫害的な生活を強いられるも、収容所内でニュースレターを発行して情報交換や肯定的なメッセージを送ることに貢献。

 

収容所から解放されると、奨学金を経てペンシルバニアのゲティスバーグ大学でシアターを学ぶ。在学中に結婚。その後7人の子供を授かり、のちに離婚。

1969年7月4日、44歳でニューヨークでの仕事を得て、ずっと暮らしたいと思っていた街ニューヨークへ7人の子供と一緒に引っ越す。セントラルパークを散歩している途中、ジャズベーシストのGene Taylorに出会い、ミッドタウンのセント・ピータース教会でJohn Garcia Gensel牧師の手伝いをするように提案され、そこからジャズへの貢献が始まる。


Jazz Interactionsという組織で働く。(founded in 1960s by jazz trumpeter Joe Newman and Rigmor Newman)

 

1972 年、Collective Black Artistsにてexecutive director 職。女性という理由で2年で解雇され、その後しばらくして団体は解散。

 

1976年、Universal Jazz Coalitionを創設し、Betty Carter, Dizzy Gillespie, Herbie Hancock, Ahmad Jamal, Melba Liston, Clark Terry, George Wein, and Abbey Lincolnを役員に迎える

 

西48丁目に楽器店を経営するPaul Ashと出会い、のちに結婚。


当時横行していた女性ジャズミュージシャンへの不公平な扱いを改善すべくThe New York Women’s Jazz Festivalを始める。初年、Casablanca Clubにて行い、観衆が入りきれずにストリートで演奏したところ、George Wein からCarnegie Hallを提供するとのオファーを経て、次の日はカーネギーにて行われた。

 

金銭的に困っているジャズミュージシャンへの資金集めのイベントを多々開催する。


1983年、マンハッタンのロフトを借りてJazz Center of New Yorkを開始、ジャムセッションやコンサートを開催し、 Dizzy Gillespie, Randy Weston, Ahmad Jamal, Billy Harper, George Coleman, and Harold Mabern,  Max Roach Double Quartetなどがコンサートに出演。さらに、Vocal Discovery と呼ばれるワークショップを開始し、Abbey Lincoln, Dakota Staton, Maxine Sullivanなどが指導した。

In 1995, 女性ジャズ演奏家が面する問題について話し合うパネルに参加。 Lorraine Gordon (Village Vanguardのオーナー)主催。このパネルより、 International Women in Jazz が誕生。初代プレジデントを3年勤め、 議席長を3年勤め、その後は顧問職。ほか、役員を勤めた主な団体は次の通り

 

 Flushing Council of Culture and the Arts, 

 Japanese American Association of New York

 Asian American Arts Alliance 

 Y’all of New York

 

タップダンス界へも強力に支援し、 48丁目のSam Ash楽器店の上にてCobi’s Place 

を開き、タップダンスのセッション、コンサートなどを開催し続けた。

 

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Houston Person、Kenny Barron、Lafyette Harrisなど、多数のミュージシャンがニューヨーク、セント・ピータース教会でのメモリアルに出演されました。

こちらの写真はBilile Harper, Jimmie Owend, Sharp Radway, Reggie Workman, Aaron Scott のグループ。

 

 


 

 

タップダンサーの亀田佑香さんはCobiさんが長年サポートされていたアーティストのお一人で、メモリアルにも参加されていて写真を提供してくださいました。

佑香さん&在し日のCobiさん

 

(過去ログ: Yukaさんプロデュース&出演、ダンサーの蛯名健一さん、ピアニストの天平さんと私の4アーティストの共演によりニューヨークで開催されたThe Power of Dreamsコンサート 2012年2月)

 

 

 

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Cobiさんが創設された International Women in Jazz, Inc. (=IWJ)には、わたしは2009年から加入しています。今も、TAEKO's Kyoto Women Jazz Band の定期公演を後援してしてくださっています。私が加入した当時、Cobiさんはすでに名誉顧問でしたので直接お目にかかることはめったにありませんでしたが、お名前はともてよく伺っていました。たいへん尊敬されておられ、たまに直接お目にかかったときにはとても気さくにお話しくださいました。

 

 

 

↓こちら、International Women in Jazz, Inc. に加入したときにオーディションを通って出演させてもらった Women in Jazz Festival のパンフレット(2009年)Annie Rossさんと同じステージに立つという名誉な経験でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深尾多恵子

 Songbird TAeKO

 

 

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