山田流箏曲「石山源氏・下」のブログこちら

 

 


 

先生が、滋賀出身の私に「近江八景」「竹生島」の次に習うべき曲として昨年半ばから「石山源氏・下」をお稽古してくださっているうちに、あらら大河ドラマが始まった、と。

 

そして、お稽古は今週より「石山源氏・上」に入りました。

20分くらいあります。

今年教えていただくのは、とてもタイムリー。

お能「源氏供養」の謡が題材になっています。

 

 

源氏物語という虚構の物語を書いた罪(なんでそれが罪?!ですが、仏教上はフィクション物語を書くのは罪だそうで・・むむむ。)によって死後も苦しみ続ける紫式部の救済への願い。石山寺を詣った安居院(あごいん)のお坊さんが紫式部の亡霊に出会い、紫式部の願いを聞き入れて霊を弔うお話です。

 

作曲は、近江の国=滋賀生まれ、我らが千代田検校(?-1862、 江戸時代後期の箏曲家)。

 

 

石山寺は大津市にあります。紫式部が源氏物語の執筆を始めた場所。そこを詣ったお坊さんがおられる安居院とは、奈良県明日香村にある飛鳥寺(飛鳥時代の法興寺)の正式名称だそうです。しかし、京都の大徳寺あたりだおいう話もきいて、調べ中。

 

 

 

 

 

山田流箏曲「石山源氏 (上)」

 

    千代田検校



衣も同じ苔の道、石山寺に参らむ。

(法印)「是は安居院(あごいん)の法印にて候   

 

  我石山の観世音を信じ、
 
  常に歩みをはこび候  

 

  今日もまゐらばやと思ひ候 。」


時も名の花の都を立ち出でて、

 

嵐に連るる夕浪の白川表過ぎ行けば、


音羽の滝をよそに見て、関の此方(こなた)の朝霞      、


されども残る有明(ありあけ)の、影もあなたににほの海

実(げ)に面白き景色かな。

さざ波や、志賀唐崎の一つ松、塩焼かねども

 

浦の浪立つこそ水の煙りなれ。


かくて御堂に参りつつ、補陀楽山(ふだらくさん)も是かとよ。

四方(よも)の眺めも妙(たえ)なるや、瑠璃や瑪瑙の石山寺。

黄金(こがね)砂(いさご)を地に敷きて、木々は宝の花盛。

遥かに月の影清く、光り輝く玉の堂。

ここ安楽の御国ぞと、聞くも妙なる不断香(ふだんこう)。

染まり重なる墨色の、衣のさまこそ尊(たとふ)けれ、衣のさまこそ尊けれ。


(紫式部の霊)「なふなふ、あれなる御法(みのり)の人に、申すべきことの候ふ。

  我は紫式部なるが、この山に籠もり、あだ夢の根なし草なる言葉の末、

  源氏六十帖に書き連ね、拙き筆にまかせつつ、名の形見とはなりたれど、

  かの源氏に供養せざりしにより       、

  願くは供養御(おん)のべ、我が跡を弔ひてたび給へや。」

(法印)「安き間の御事、御願(おんねがひ)にまかすべし。」

声満つや、法(のり)の山風ふけ過ぎて、光和らぐ春の夜の、

眠りを覚ます鐘の声、光源氏の跡弔はむ。


                          

(式部)「あら有り難や嬉しやな、何をか布施に参らせ 候ふ べき。」

(法印)「否や布施などは思ひもよらず。ありし都の御手ずさみ

  昔に返す舞の袖、形見に舞ふて見せ給へ。」

     
(式部)「いかで 仰せを背くべき、恥ずかしながら舞はむ」とて、

もとより其の名も紫の、色珍しき薄衣(うすぎぬ)の、   

 

日もくれなゐの扇を持ち、

よわよわと立ち上がり、あはれ胡蝶の一遊び、

夢の内なる舞の袖、現に返すよしもがな。        。

 

 

参照:https://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/ishiyama.html

 

 




 Songbird TAeKO
 深尾多恵子

 

 

 

 

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