近江八景を詠んだ和歌八首や歌川広重の書いた浮世絵を題材にして大津界隈の景勝地が紹介された箏曲。

わたし、滋賀の子でよかったな〜と思う一曲ニコニコ音符
 

御代の平和を寿ぐフレーズで曲が締めくくられるのは、箏の古典曲のお決まり。

アレサ・フランクリンがセットリストに必ずゴルペルソングを一曲入れていたようなものだと思っています。

祈り、大事。

 

そもそも、世が泰平でないとお琴なんて弾いてられません。

平和な日本に感謝。


 

 

 

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近江八景

 

 作曲:山登万和(やまと・まんわ、明治時代の山田流箏曲家)

 作詞:福城可童(ふくしろ・かどう、古流の尺八家)

     中村秋江が補筆

 

 

 

春秋の 眺め尽きせぬ にほの海


霞のひまに 見わたせば


波の粟津(あわづ)の 雲晴れて


千船百船(ちふねももふね) 打ち出での


浜をあとなる 追風に


真帆(まほ)あげ帰る 矢走潟(やばせがた)


はや夕日さす 浦々の


景色を見つつ わたるには


瀬田の長橋 ながからず


眺むるうちに 三井寺(みいでら)


入相(いりあい)告ぐる 鐘の声


比良の高嶺は 白雪の


やや肌寒き 浦風に


おつる堅田(かたた)の 雁がね(かりがね)も


数さへ見えて 照る月の


光(※影も)さやけき 石山


昔の跡の 偲(しの)ばれて


夜半(よは)の時雨も 唐崎


松には千代の 声すなり

 



君がみいづの あきらけく


治まる御代に 逢ふみ路(近江路)や


名に聞こえたる 八つの名所(などころ)

 

 

 

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元旦のパフォーマンスにて近江八景を弾かせていただきました
一部、動画こちら↓

 

 

 

「近江八景」とは次の8つと言われています。

 

 

 比良(ひら)の暮雪(ぼせつ)

 

 堅田(かたた)の落雁(らくがん)

 

 唐崎(からさき)の夜雨(やう)

 

 三井(みい)の晩鐘(ばんしょう)

 

 矢橋(やばせ)の帰帆(きはん)

 

 粟津(あわづ)の晴嵐(せいらん)

 

 石山(いしやま)の秋月

 

 瀬田の夕照(せきしょう)

 

 

南湖の景色しか出てこないので、滋賀県全体で8つ選んだ琵琶湖八景なるものがのちほど制定され、それには竹生島とか安土八幡の水郷が含まれるそうです。

 

でもやはり、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の影響は大きい。

 

 

歌川広重の「近江八景」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

去年、家族でドライブしてて、瀬田の唐橋を初めて渡ったときの写真。

瀬田の長橋、長からず。たしかに、短かったです。

そして、比叡山の向こうに落ちる夕日が瀬田から綺麗に見えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の平和を祈ります。

 

 

深尾多恵子

Songbird TAEKO