The world of imagination -578ページ目

言葉の歴史~Internal Dialogie~

リルケの「マルテの手記」の様に、ただ独り歩む者の内部世界の対話を記述

してみることにしよう・・・。


このサイトに、読者はいないから、好きに書いてもよいだろう。写真は、休憩用

です。


        
    (千葉県成田市内、レストラン「テッパツヤ」、15th, Oct, 2007)


今住んでいる家にある、一番古い本は、新潮文庫で、23年前に買ったリルケの

詩集だ。私は古い人だ。紙の本を捨てることはできない。百回は軽く超える読書

(でも一回に2,3編の詩を読むだけだけどね)で紙はすっかり古びている。

しかし言葉は古びない。


   たぶん私は最後の輪を完成することはないだろう

   でも 私はそれを試みたいと思っている                (*1)

                            

そういう言葉を僕は求めているのだろう、だから


   近くにあって

   たしかめるよすがもないのは 神。

   しかし危険があれば そこには生ずるのだ

   救う力も また。                              (*2)


という、ヘルダーリンの「パトモス」のような言葉を求めてしまうんだろうな。

上記は、2002年の新訳ですが、1966年の手塚富雄先生の訳、


   神は近きにあって

   しかも捉え難い。

   だが 危険のあるところ、そこには

   救いの力もまた育つ。                          (*3)


も、捨てがたいと感ずる。これを僕が読んだのは、訳の成立のずっとあと、

手塚さんのなくなられたあと、高校生で、心理的な変化が激しい時期に読んだ

からなのかもしれないね。


論理的な根拠を超えた希望の言葉がないと、きっと僕は歩んでいけないのだ。

だから本を読む。ある意味、本を読まないでもお気楽に過ごせる人はうらやましい、

そういう人は、心が揺らぐことはないからだ。しかしこうも言うではないか、

こころの貧しい人は、幸いである、と。


   私は罪の大波が、私の魂を征服しようとして突進してくるのを感じた。

   だがその時、私は闘い続けよというイエスの声を聞いた。彼は私を

   見捨てないと約束してくれた。決して一人にはしないと。決して、

   決して一人にはしないと。                        (*4)


素敵な女性、ソニアさんが教えてくれたけれど、彼・・キング牧師は、牧師さん

だから、プロテスタントなんだね。しかしカトリックの50年代の教皇ヨハネス23世の

晩年の言葉、


   いつの日も生まれるのに良き日であり、いつの日も死に逝くに

   良き日である。                               (*5)


これを、20世紀最大の女性思想家(と、僕の思っている)ハンナ・アーレントの

文章の中にその引用を見出す時、希望の泉に差異はないのだと、強く感じた

のです。


         
    (大分県大分市内、ワインバー、「ラ・コート」、06th, Nov, 2007)


                  ◇  ◇  ◇


理路を超えた希望だけが愛を作る。マーラーのアダージェット、第五交響曲の

第四楽章は、妻アルマの為にささげられた。愛は哀しいからか、弦はコーダで

震えるように響き渡るけれど、それは、むしろ、愛はすべての感情を包み込む

から、なのかも、しれないね。



References;

*1:「リルケ詩集」,富士川英郎訳 p13,

*2:「ヘルダーリン詩集」,川村次郎訳, p181

*3:「ヘルダーリン全集Ⅱ」,手塚富雄他訳, p219

*4:「真夜中に戸をたたく」,クレイボーン・カーソン, p246

*5:「暗い時代の人々」,ハンナ・アーレント p89

休息。。

          
   どうも最近朝テキパキ起きれなくなったなと思っていたら、ここ半月

   休みがなかったことに気づきました。でも結局、月曜も休みとれない

   アルネ・・(とるつもりだったが中止)。

   でも疲れていても好奇心は萎えることはなくて、金曜に大分に出張に

   行った際も、夜、思わず新しい業態のお店を見つけて、ラッキー!

   この小さな町にはもったいない立派なワイン屋さんに、ちょっとした

   ワインバーが併設。早速楽しんできました。ロスを承知でシャンパンも

   バイ・ザ・グラスで出している志は、地方としてはかなりすばらしい。。

          

   土曜はかなり久々に和食・・。この、地方名産のうちわえびのおつくりも

   よかったが、体力消耗のためか、最後の鯛めしはいっぱいいぱいでした・・

紅葉の旅


            

   まあ、旅といっても出張なのですが・・・。1week、 USバーモント州の

   Burlingtonという街に行ってました。

   日本はまだまだ生暑くて、それにここ数年、赤と黄色と緑の紅葉を肌で

   感じる事もなかったので、この出張で、日常の中で思わず美しい光景を

   見れたのは本当によかった。


   仕事は上手く行ったから、それはよしとして、ここでは、カナダ国境まで車で

   1Hのこの州都の仕事場の入り口の紅葉を載せておきましょう。。(会社名は

   消してあります~)


            

   ところで州都Burlingtonのダウンタウンの写真をこうして載せていると、

   本当にEnglandの田舎街の雰囲気がします。それは、仕事相手の方との

   会食の時にも伝えたんだけど、名前も英国風だし。

   こうした東海岸の町は、UKの伝統をずっと保ってるんだな、って思いました。

   僕はこんなコンパクトな街がほっとします。

   なのでお土産も地味で、まあ職場用にはチョコ詰め合わせでよいのですが、

   大事な人には・・・ささやかだけど、バーモントらしいお土産を持って帰りました。

   渡せるのは・・・来週の土曜だなぁ。