ありがとうございます。。 | The world of imagination

ありがとうございます。。

前の記事には、たくさんの(多分、このブログでは最多)のコメントいただいて・・・感謝の思いで、いっぱいです。


或る意味、日常の暗部を書くというのは、はしたないことなのかもしれません。でも、折角、「書く」という場をえたのですから、自分の気持ちを整理するために、記述をしてみました。。


今後も、しばらくそういう記事がポツポツ出るかもしれませんが、ずっと続くと、読んでくださる方のほうが気持ちがどんよりすると思うので、趣向をちょっと、変えてみます。


すなわち、このような心の者が、読んだり見たりしたものを、紹介する、という形で。


そうすれば、自己を直接生々しく書くことなく、その向かっている気持ちの方向性は、示せるのではないかと、思うのです。


今日は、少し前に記事にした、12世紀の愛の往復書簡(離れ離れになり、お互いに苦渋の生活をしている二人)から、女性の方、エロイーズの、書簡の最後のほうの文章からです。


これが、900年も前の、しかも因習のとらわれた修道院の世界の中で書かれた、ということを踏まえて読むと、その、心の自由さと、せつなさが、倍増して、感じられるのです。

男性であるアラベール(神学者)は、エロイーズを賞賛し、あなたは完全な女性なのだから、神の恩寵は必ずあなたを救う、だから、不安をかんじる必要は無いのだと、"理屈"を述べます。自由な気持ちを大事にする、遠く離れた修道院の院長のエロイーズは、しかし、正しくも、こう、応えます。


「(・・・)お願いですから、どうかそんなに私を買いかぶらないでください。いつも私のために祈っていただきたいのです。私が健やかだなんて、思わないでください。私から、あなたという癒しを取り上げたりなさってはいけません。私はなんでも持っているだなんて、思わないでください。困ったときには、すぐに助けにいらしてほしいのです。私が強いなどとは、思わないでください。あなたの腕に飛び込むよりも先に、よろめいてしまうかもしれません。(・・・)」*1



二時間後に、出張に出ます。木曜日が不燃物の日だから、空き缶を、袋に入れておかなきゃ。



*1:「アラベールとエロイーズ」岩波文庫、2009、Page-154