水を吸う、干からびたスポンジ | The world of imagination

水を吸う、干からびたスポンジ

水曜日、次々会議をこなしておおむね所望の結果を出した後、雨の中、羽田に移動して18:40発のANAを待つ間、90分ほど時間が出来たので、ターミナル5階の、天麩羅割烹へ。久しぶりだ。
           The world of imagination
ひとり、カウンターにすわり、最初の小海老をほおばった時、ああ、俺疲れてるんだな、と、実感した。


すごく、旨いと、癒されると、感じたからだ。


陳腐な言葉だけれど、乾ききったスポンジが、水を吸い込むようだった。


  ★


自分で希望した側面もあるとはいえ、プロジェクトのリーダーは、誰にも言い訳が聞かないから、厳しい。その上、僕の20年間のサラリーマン生活の中でももっとも、ひとつひとつの仕事が、お金も時間も技術も、飛びぬけてハードルが高く、・・・そして、僕と一緒に悩んでくれる立場の人は、居ない。


これまで何個ものプロジェクトを成功させてきたが、年齢的なだけでなく、転職後、仕事も出会いも道楽も全てがハイ・テンションであったこの5年間は、今年の初めに終っていることをかんがみると、やはり、・・・大きな立場は、今回で最後かなと、想う。


今回のは勿論、最後までやりきるつもりだ。別に、刀で切るつけられるわけじゃない。ただ、リーダーだから、強烈に早い速度で進む何十人もの優秀なエンジニア達の業務が、もし僕の全体マネジメントの力不足でイマイチになったら、みんなに申し訳ないということだ。そして、皆やはり過去のリーダーと比較するからね。


ベストを尽くしているさ。


どうなんだろうね。パートナーがいたら、「あなたは充分頑張っているわよ」とか言ってくれるのかな。理屈はいいんだ。認めてくれている人が居るということが必要なんだ。


先月までは、週末、胃が痛かった。けれど、今は・・・・。勿論、まだまだ不完全だなと毎週自戒はするけれど、自分を責めたりはしなくなった。


この3連休は、今日既に昼に家で仕事してしまった。明日は午後ずっと資料つくりだけど、朝と夜は愉しもう。あさっては午後から出張先に移動だ。



  ★


・・・天麩羅では、コース以外には、鮎を頼んだ。それが写真。琵琶湖の、秋になってもこの大きさのまま成熟する種だという。美味しい。


自分の職場や協業先の職場を見ていると、皆、極限に近い忙しさだ。しかし想う、ただ穏やかに生活したいだけなのに、何故、崖を全速力で駆け抜けるような毎日が、続くのか、と。ただ生きたいだけなのに、労働とは何ゆえにここまで厳しいのかと。


年収の上昇や出会いトキメキや上級の食事や宿に明け暮れたハイ・テンションな5年間が終った後、・・・私は一歩引いた視線で、世界を、見ている。


今は、全力で進もう。しかし、来年以降、僕は何かを、決断するかも、しれない・・のかも、しれない。