結婚式を終え暫く経った頃、嫁は働き出す。



両親に借りたお金を返す為かと思ったが実は違った。



「私もお小遣い欲しいから働くことにするわ」



「子供も暫く作らないでしょ」



「マンションの頭金貯めないとダメだし」



もっともらしい言葉を並べ、私の了解を得ようとしていたが



恐らく反対しても働くだろうと判断し、渋々了承した。



ワタクシの給料だけでも生活していけたがダブルインカム



になることでもっと豊かな生活や両親への返済に充てられると



思っていた。



ワタクシの当時の<お小遣い>は3万円だった。



来る未来の為の貯蓄は当然だし何より両親に返したかった。



社員達にせこいと思われながら(被害妄想含む)も



その<お小遣い>で生活を続ける。





働き出して初めての給料日。



嫁から給与明細を見せてくれるかなと思ったがそんな素振りはない。



「明細見せて」



その言葉で目の色が一瞬にして曇った。



当時のワタクシは嫁の性格をよく分かっていなかったし普通の話を



しただけだと思った。しかし実際は「何で見せないといけないの?」



と言いたげであった。



無言で袋を差し出す。一応「ご苦労様」と声をかけるが無反応。



悪いことを言ったとはこれっぽちも思っていないワタクシは怒ると



いうより不思議な気持ちで佇んだ。



嫁はふ~と大き目のため息を吐いてトイレに向かった。



おもむろに中を見る。当然だが開封してあった。



手取り17万円。



想像以上に多くてワタクシは素直に喜んだ。



この分だと早く返済出きるなと心の中でほくそえむ。



トイレから戻った嫁に



「凄いじゃん、こんなにもらえるんだ」



9時半出社で18時半まで。残業なしという職場を考えると



いい給料だと思った。



喜んでいるワタクシに嫁は言った。



「このお金は自由に使うからね」





「えっ?」



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「なあ、由実の関係のご祝儀少な過ぎない?」



「確かに少ないけどこんなもんでしょ」



「いや、でも試算の時に言ってなかったでしょ」



「う~ん。わかんないね」



完全に逃げモード。



田舎がそういう風習なら最初から言って欲しかった。



しかしワタクシはその前月に嫁の弟の結婚式に出ていた。



「こんなのあり?地元ではそんなもん?俺、お前の弟の結婚式で交通費辞退しておまけに10万出したけど?その時に相場なんて聞かなかったじゃん」



ワタクシは昇進して「それなり」の年収を手にしていた。



それを知っててハメたか?



「いいんじゃないの?身内なんだし」

「村長って細かいよね。仕事で大きな金額動かしてるくせに」



機関銃のように浴びせかける。


その身内、あなたの身内が3人で3万しか払ってないのですが。。。



キミの上司1人当たり2万ですが。。。言葉が出ない。




何でこんな事で言い争いに?



基本的に人との関わり合いのなかで、モメ事があれば



己の非や至らぬ点をまず考える性格のワタクシ。



ビジネスの上で役立つ能力、或いは技術だと考え、比較的



短気な性格を改善してきた。ここまでの話でワタクシの話は



ちゃんと筋が通っているのだろうか?



ワタクシにはまだ余裕がある。



一つの仮説。



嫁が各人に「そんなに払わなくていいよ」なんて言ってる気がする。



見栄っ張りの嫁のことだ、あり得る。



お金の事で細かいことを言いたくなかったけど、これからの事もある。



はっきりしておきたい。お金に執着を持って欲しいわけではなく、



事前に言って欲しかった、これに尽きる。



そして極度の短気。ここまでだとは知らなかった。



この頃から「エキセントリック」「お金」に関して疑問を持ち始める。



しかしもう後戻りは出来ない。



この時ワタクシはまだ甘かった。



通帳とカード、銀行印、実印まで渡してしまっていた。



その事に気付きもしないワタクシがいた。





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嫁のご祝儀に手をかけた私はその束の厚みに



驚きと怒りにも似た感覚を覚える。



嫁の実家は遠方と書いたがワタクシの実家よりも



俗に言う「田舎」である。



結論から述べると参加者がワタクシの来賓と同数に



関わらずご祝儀が1/2にも満たない。



目を疑った。



ワタクシの価値観がおかしいのか。



それほど物価が違うのか?



結婚が決まってから「お金」に関わる悩み事が尽きない。



その時から私の10余年の悩みは決まったのかもしれない。



驚いたのが嫁の親戚と上司。



彼女の叔母と従兄弟が各10万円という破格のご祝儀があり



最初に見てしまったこともあってウキウキしながら次へ。。。



もう1人の叔母だ。



家族3人で来ていた。



10万くらいかなと淡い期待で袋を開ける。



イチ・・・ニ・・・サン・・・







えっ








3万・・・?



3人で3万?



交通費・宿泊費もこちら持ち・・・



料理や引き出物・交通費で一人当たり6万円かかっていることは



判っている。18万出費で3万円回収。



「なんでこんなに少ないの?」



「貧乏だからじゃない?」



「だったら1人で来るとかさぁ~何かあるじゃん」



「そんなこと言われても・・・知らないよ」



と不毛な話をしつつ次に手をかける。



彼女の会社の上司だ。



それなりに期待し、中身を出す。



3回数えなおした。しかしその数は万券1枚と5千円券2枚以上には



ならなかった。それが4人。。。



何と嫁の友人も2万。。。それが4人。。。



めまいがした。



あまりの大赤字とワタクシの持ち出しが多すぎて流石に



呆れると同時に頭に来た。



何か言ってやろうか・・・



嫁は結婚式での2回怒る事件以来不機嫌である。


ぽちっとな



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