これはトルコからやって来ました。

 

10日ほどで届いたので、まあ、普通に届いたと言っていいでしょうね。

 

 

表題の通り、アメリカ宛の航空便です。

 

見た感じ、なんて事のないカバーに思えるのですが、私には大いに意味があります。

 

まずは、一つ目の理由

 

 
つまり、普通郵便料金(この場合は封書)よりも航空郵便料金の方が安かった期間のカバーであること。偶然にも以前ご紹介したカバーと差出の日付は同じです。
 
これだけだったら今回の方が見た目はショボいし要らないんじゃない?ということになるのですが、もう一つ理由があって
 

百城凸版だけを貼った使用例であること

 
です。
 
百城凸版、本当に地味な存在です。未使用でとりあえず揃えようとすると2円の青と50円が揃いません。紙も何種類か知られていますが同じデザインの中信版と比べても分類が難しくて材料が比較的少ない事もあって思うように分類が進まないのが現状です。
 
でも、郵便史的には非常に面白い要素を含むのです。
 
それは発行年に関係しています。
 
カタログを見ればわかるのですが、発行は1944年から1946年となっています。これはどういうことかと言うと、初期は日中戦争中に発行が開始され、後期には日中戦争が終わった後に発行されている、ということになります。
 
つまり、発行されてから時間が経つにつれて使用された地域が段々と広がったという切手になるのです。
 
今回のカバーを例に取ると、この1年前にこのような切手を貼ったカバーは存在しません。日本占領下だからです。
 
上海だからといって敬遠する必要などないのです。
 
もう一つ、70円を4枚貼って料金に適応させています。私にはこれが嬉しいポイント。70円という額面はこの時期加刷切手を含めて何種類か発行されていますが、これといった適応例がありません。強いて言えば書留速達がありますが、料金が設定されている期間に発行された切手ばかりではなく、そのような使用例を探すのは絶望的とは言いませんがかなり難しいと思います。
 
ですから、そのような適応使用例を待っていてもいつになるか分かりませんので、まずは目に止まった使用例を入手した、ということになります。
 
ちょっと高かったですけどね・・・・・