青波杏「楊花(ヤンファ)の歌」読了 | ソンブーンのブログ

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2024年5月24日(金)

 

小説雑誌に或る本屋店主の激賞のコメントを読んで、興味を持ちました。

 

時代設定が太平洋戦争前夜の日本、台湾、中国という激動の時代です。2人の若い女性が主人公です。一人は日本人ですが、もう一人は台湾ネイティブの現地人です。時代に翻弄されて、日本、中国、台湾と転々としながらも逞しく生きていく女性2人は運命の糸で結ばれていたという内容です。

 

2023年2月、集英社発行。221ページ。

 

作品紹介(集英社のサイトより)

1941年、日本占領下の福建省廈門。
大阪松島遊廓から逃走して、上海、広州、香港と渡り歩き、廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。
中秋節の晩をきっかけに強くヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。
しかし、楊から秘密裏に出されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった……。
戦時下の中国・廈門を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作。