桐野夏生「残虐記」読了 | ソンブーンのブログ

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2023年10月21日(土)

 

熱海旅行中に読み切ってしまいました。夢中に読むというよりは、何となく薄気味悪さを感じながら読み終えました。

 

世の中には正常でない、俗にいう「変態」人間がいて、彼らの被害者になる人もいるでしょう。本作品の主人公のように、精神的な傷を生涯抱えていくということもあると思います。心の中を覗くことができないのだから、友人も教師も親さえも彼らの傷を癒してやることは出来ない。不幸な遭遇が、生涯の闇を抱えることになるなんて、余りにも理不尽だ。

第17回柴田錬三郎賞受賞。

 

平成19年8月、新潮文庫。255ページ。

 

作品紹介(新潮社のサイトより)

自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。黒く汚れた男の爪、饐えた臭い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた毒の夢と男の欲望とが交錯する。誰にも明かされない真実をめぐって少女に注がれた隠微な視線、幾重にも重なり合った虚構と現実の姿を、独創的なリアリズムを駆使して描出した傑作長編。