2019年6月30日(日)
某小説雑誌に評論家のお薦め記事が掲載されていて、興味を持ちました。
主人公は武士ですが、平和な時代が続く江戸時代以前が時代設定です。平安時代末期になり、世の中が乱れ、時代の中心に武士が台頭。鎌倉時代、室町時代へと続く、そのような時代の武士が主人公です。
5つの読み切り短編小説で構成されています。題名通り、戦には敗れても、人生や生きる目的においては、決して負けていないという生き方を示している作品でした。
僕は1作目の「管領の馬」に最も感銘を受けました。戦いに敗れて、多くの部下が主人公の元を離れていく中で、最後まで彼を見捨てず、彼を救おうとする年上の側室。彼女の最後に涙してしまいました。
2018年3月、新潮社発行。249ページ。
作品紹介(新潮社のサイトより)
奸臣を侍らせ、女色に耽っていた関東管領・上杉憲政は、最愛の息子を討たれ、城を追われる。すべてを失った男が、難民となった領民たちと共に見た景色とは――使命に目覚める者、伴侶を見つけた者、負けることでしか望みを叶えられなかった者。時代小説界の新鋭が、敗れた武将たちに芽生える不屈の闘志を描く人間賛歌。