小説すばる6月号 読了 | ソンブーンのブログ

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2月3日(火)


本号は全部で532ページ。本号の特集は、湊かなえ。彼女とのロングインタービューが掲載されていたが、デビュー以降の彼女の作家としての歩みと成長を浮き彫りにしていて、彼女のファンでなかった僕が彼女に興味をもつきっかけになりそうです。


冒頭の小説は、湊かなえの新連載「ユートピア」の第一話。ミステリー小説の新進気鋭の作家がどんな話を展開するのか、今後の展開が愉しみです。


池井戸潤の「陸王」の第12話。高視聴率のテレビドラマの「半沢直樹」の原作者だけに、読んでいて、そのストーリーテラー振りに感心してしまいます。


乾緑朗の「一人ぼっちの王国」は、読後感の爽やかな秀作の短編小説でした。


高野秀行の「恋するソマリア」の第一回は、驚きと発見の連続だった。高野秀行と言えば、早稲田大学探検部出身の怪物探しをネタにした小説家というイメージで見ていたが、アフリカ東部にあり、今でも内戦があったり、海賊が出没したりと危険なイメージのあるソマリアに強い関心を持っていることに驚きました。ソマリアの言葉を苦労して勉強し、現地に取材したルポルタージュ。第一回目から本当に面白かった。これからの連載が愉しみです。


飛鳥井千砂の「すりだしに戻る」は、婚期を逃がした50過ぎのOLが主人公。内容に共感。一時「負け犬」という言葉が流行したが、未婚のまま年を重ねて中年や初老になる男女はこれから益々多くなっていくと思います。他人がどう考えようと、本人が普通の生活ができることをを幸せと感じて、その小さな幸せを感じる日々を如何に多く持つかだと思います。自分の人生は、人と比較しても意味はない。


真保裕一の「ダブル・フォールト」第8回。主人公の新米弁護士の人の良過ぎるところが、どうも鼻につく。現実世界には、まず存在しないタイプの人の良さだな。


楡周平の「砂の王国」第6回。この小説は初回から面白かったが、ストーリーの展開に適度に変化があり、読者を飽きさせない。


深町秋生の「イーブル・ウーマン」は、読みきりの短編小説。個性が強烈な女社長の経営する特殊な調査・セキュリティ専門会社が舞台。現実には有り得ないような話ばかりだが、筆のタッチが軽妙で、ユーモアのある話の展開に頬が緩んでしまいます。