12月24日(水)
本号は、全部で546ページ。特集は「医療小説」と「梅雨の晴れ間」。
医療小説の特集においては、久坂部羊の「地下室のカレテ」が秀逸だった。彼は今年の第3回医療小説大賞の受賞者とのことだったが、医者の書く小説という色眼鏡で見ていたが、登場人物の心情もしっかりと書かれていて、普通の小説としても高レベルだと思った。
久坂部羊の第3回日本医療小説大賞受賞作である「悪医」の一部が紹介されていたが、やはり受賞作だけのことはあると思わせるストーリー展開と筆力だと思った。
今まで西村京太郎の小説は、ワンパターンのミステリー小説が多く、敬遠してきたが、新連載の「金沢が歴史を創った日」は、彼のイメージとは打って変わって、本格的な歴史小説で、第1回の今回を読んで次も読みたいと思わせる内容だった。このような小説も書ける人だったんですね。
近藤史恵の「そこからの景色」は読みきりの短編小説だったが、孤独な自転車競技選手の悩みや葛藤が描かれていて共感した。
今野敏の「送検」は同じく読みきり短編小説。この人の警察小説は、本当に上手だと感心してしまう。大森署の竜崎署長がクールでかっこいい。
特集「梅雨の晴れ間」では、こざわたまこの「紫陽花の濡れる季節に」が秀逸だった。特集名のような、読後感の爽やかな短編小説だった。
連載ものでは、次の作品が良かった。
木内昇の「球道恋々」
原田マハの「暗幕のゲルニカ」