「七帝柔道記」 読了 | ソンブーンのブログ

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5月26(月)


面白いと評判の「七帝柔道記」(増田俊也)を読み終えた。読後感の爽やかな青春物語。読み易い文章と話の適度な進展で、580ページも苦にならず、読み進めることができた。


20歳前後の若者が、体と精神を柔道を通して鍛えていく成長物語だが、社会人のようにお金の絡んだ考え方とは真逆の純粋な若者像が躍動していて、読者も若者に同化したような気持ちになる。


最後半に次のような文章が出てきて、深く共感した。


「いずれの大学の柔道部員も柔道推薦で入学したわけではない。いつでも退部する自由を持っている。五輪に出られるほど強くなれるわけでもない。将来、柔道の専門家になるわけでもない。しかも新聞どころか柔道専門誌にも結果が掲載されない七帝戦。そのなかで、悩み苦しみながら自らで自らを厳しく戒律で縛り、他の学生たちが楽しい大学生活を謳歌している間、練習に打ち込んでいるのだ。」


概要(ウィキペディアより)

戦前行われていた寝技中心の高専柔道を受け継いで、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の旧帝国大学7大学で現在も行われている七帝柔道を題材に、昭和の風景が描かれる。実在の人物と架空の人物が混交しているが、他大学の選手も含め、登場人物のモデルのうち何人かは実名で描かれている。

増田は、作品に出てくる人物のモデルたちを、リアルタイムで書く評論などに「その後」の人生を織り交ぜて登場させたり、また登場人物のモデルたちと時々雑誌上で対談したりし、彼らのキャラクターに膨らみを持たせて独特の世界観を構築している。

戦前、旧制第四高等学校で高専柔道を経験した井上靖の自伝的青春小説『北の海』の続編を意識して書かれた作品であ] 。井上は『北の海』の中で四高の柔道部員にスカウトされ、「体格や才能がものをいう立技と違い、寝技は練習量がすべてを決定する柔道だ」「白帯でも体格が小さくても才能がなくても寝技なら練習量を増やせば必ず強くなれる」という言葉に惹かれて入部してい。