5月9日(金)
本号は、全部で516ページ。本号の特集は、第150回の直木賞候補作の最終候補となった6作品の一部を掲載していることでした。既に朝井まかての「恋歌」と姫野カオルコの「昭和の犬」の2作品が同時受賞していることを知っているわけだが、最終候補6作品を読み比べてみると、僕は伊東潤の「王になろうとした男」が断然良かった。審査員の評価で決定されるわけだが、人の評価というのは、個人の好き嫌いの要素が多分に影響するので、誰が審査員であるかで受賞作は変わるものだと思いました。
本号ではまた、千利休は秀吉になぜ自決を迫られたのか?を特集したエッセイもあり、特に興味をもてた。これに関連して、伊東潤の「利休形」という短編小説は、作家の憶測をベースにした短編だが、強く共感できた。彼の無駄のない筆使いも良い。
千利休の美を山本兼一と千宗屋が対談して語り合うページがあったが、今年2月に山本兼一が病死していることを知っているので、人間の命というものに改めて考えさせられた。人の命は本当にはかなく。突然であることを思い知らされる。山本兼一は、この対談の時点で、2-3ヶ月先に自分が死亡してしまうことを予見していないことを考えると、人間は、未来が見えないから生きていけるのだと考えてしまいます。57歳ですから、まだまだ活躍して欲しかった作家だけに、彼自身もファンも残念でならないと思います。