4月1日(火)
本号は、全部で532ページ。本号の特集は、「江戸の元気」と称する4人の人気作家による江戸ものの読みきり短編小説。なかでも、山本兼一の「利休の茶杓」は、手馴れたベテラン作家の作品は、まるで10割そばをつるつると食べる時の喉越しの良さと後味の良さも味わえる読後感がありました。
本号の箸休め?のようなエッセイが500ページを超える中で、記憶に長く残りそうです。それは、「さだまさし、鬼平を語る」です。シンガーソングライターとして大ヒットを連発したさだまさしは、数年前から小説も書いています。そのレベルは、本当にプロのベテラン小説家に匹敵するほどです。そのさだまさしが、池波正太郎の大ファンであったとは知りませんでした。さだまさし曰く「鬼平犯科帳を4回読んだ、人生の全てを学んだ」。歌も文章もすばらしい。彼の才能には、驚くばかりです。更に我々の耳と目を新しい歌と小説で喜ばせてくれることを期待しています。
オール読物には毎号のように安西水丸の「ちいさな城下町」という小旅行の感想を絵と文章で表したものがあったのだが、2週間ほど前に新聞で彼が亡くなったことを知っているから、数ヶ月前には、旅行にも行き、絵と文章を書いていた人が亡くなってしまうということに何とも言えず生きているものは必ず死ぬという宿命の悲しさを感じた。本号では、群馬県沼田市に、主に真田氏の歴史を探る旅に出ておられます。この旅行時に、自分が数ヵ月後に亡くなってしまうなんて彼自身、思いもしなかっただろう。