その1。
以前電話でインタビューしたアンスネスさんのピアノリサイタルに行ってきました。
いや~素晴らしかった!大音量も小さい音も、アルペジオも和音も、動きが大きなのも細かいのも、速いのも遅いのも、とにかく全てが under his control。これって当然のようでいて、プロのピアニストでも結構難しいんですよ。ミスタッチは仕方ないにしても、音量大きくなるとたたくような音になっちゃう人とか、速いパッセージがヘロヘロと雑に聞こえたりとか。しかしアンスネスさんは、テクニック的には完全に制御されているなかで、音楽的には気持ちよく盛り上がるし、聞こえるべきメロディラインだけでなく「おお!」と思う部分が匂い立つかのように際立ったりして、とっても私好みのピアノでした。

プログラムは、ヤナーチェク「霧の中で」、シューベルトソナタ19番、ドビュッシー前奏曲より5つ、ベートーヴェンソナタ14番「月光」。

私も昔は結構ベートーヴェン弾きましたが、偉大だ!と世の中で言われているほどには私は好みじゃなくて、プロの人のを聴いてもあんまりおもしろくないんだけどなー、とずっと思ってました。が!今日は「ベートーヴェン、interesting 」と思ったよ。たぶん生まれて初めて。

ご参考まで、評論家の東条碩夫さんのコメントは*こちら*です。

終演後、「電話の主はワタシです~」とご挨拶に行きました。で、終わって楽屋からロビーに戻ってきたら、ものすごい人人人・・・。サイン会のために待っている人たち、どこが最後尾?ってくらいオペラシティのロビーがいっぱい。リサイタル中の拍手も、今日は相当お客さん喜んでるな~という感じだったし、ロビーはその流れで熱気ムンムンでした。いや、素晴らしい。


その2。
土曜日に観た、俳優の加藤健一さんと畠中洋さんの音楽劇「詩人の恋」。ハイネの詩にシューマンが作曲した歌曲、これがメインテーマのお芝居。お二人とも声楽家ではないし、一体どんな舞台なんだろう、と半信半疑で行ったら、まあこれが素晴らしいのなんのって。

どういう歌かはこちら。ヘルマン・プライの歌でどうぞ。

舞台は1980年代のウィーン、加藤さん演ずるマシュカン教授はちょっと落ちぶれた声楽の先生。彼のところに、畠中さん演ずるアメリカ人ピアニスト、若くして成功してたけど挫折したスティーブンが、送りこまれてやってきます。で、ピアニストの彼にシューマンの「詩人の恋」を全曲歌えとレッスンが進んでいくうちに、最初はいやいやだったスティーブンはいろんなことがわかってきて、またマシュカン教授の過去や人間性がどんどん見えてくる・・・・・・のですが、とにかく「詩人の恋」のいろんな部分が何度となく歌われるわけですよ。ドイツ語だったり日本語だったりですが、これが私のようなどっぷりクラシック音楽人が聴いて(観て)も全く違和感のない舞台。

先にも書いたとおり、お二人の俳優さんは歌手ではないので当然もろクラシック~な歌い方ではありません。が、(畠中さんはミュージカル俳優さんでもあるのでさておき)加藤さん、素晴らしい俳優さんゆえ、時々ですが歌っている時も素晴らしい声が出るんです。朗々と伸ばす音など、「おおっ!」と思うようなお声だったり。で、お芝居がとてもクレバーなつくりでどんどん引き込まれ、演技力の高さゆえの、彼らの歌で感動。
このお芝居、03年、06年に続いて3度目だったそうなので、いずれまた再演するんじゃないかなー。してほしいなー。そしたら皆さん観にいって下さいな。特にクラシック音楽関係の皆さま。

以上、備忘録でした。
明日からまた、某オーケストラと一緒に5日間動き回ってます。では~。

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NHKの番組、「プロフェッショナル 仕事の流儀」。昨晩は100回記念スペシャルで、今まで番組で取り上げたプロフェッショナルたちに共通する行動や考え方を、茂木さんが脳科学の観点から説明していました。おもしろかったので、メモ。

★アイデアが出ないと悩んでいるとき

・とことん考えて、寝る。「寝たら、わかった」「寝て覚めた時に、ああこういうことね、とわかった」という発言多数。
・脳は、起きている間にランダムに集められた情報を、寝ている間に整理しているそう。
・「考える場所」を作っておく。外からの情報に邪魔されないところ。ひとりになれるタクシーや飛行機の中、お風呂とか。

★プレッシャーを克服するには

・苦しいときに、あえて笑う。
・なんでも笑ってやらないと。マジメに考えすぎると体の動きが鈍くなる。
・脳科学の実験で証明されたこと:わざと口角を上げて笑顔にしていると、脳が「おもしろい」と反応する。
・脳が「おもしろい、楽しい」と思うことに呼応する体(筋肉)の反応が笑顔だが、逆も真なりで、ムリヤリ笑顔にするだけで脳が「おもしろいかも~」と思うらしい。
・プレッシャーを克服できる=集中できる。「スイッチが入った」状態にするには、本番前の「決まりごと」を作っておく。例:難しい手術の前に、必ず同じ部屋に行ってひとりでゆっくりと新聞を読むお医者さん。球場に入ってからいつも必ず同じ動作をするイチロー。

★やる気を出すには

・目標を立てる→報酬(お金、評価など)を得る。やる気が出ないのは、このどちらかに問題がある場合が多い。
・目標を立てる手段として、「師匠」や「あこがれの人」を持つ。そういう人がいなければ、周りの人のいいところを見つけて取り入れる。
・脳にはミラーニューロンというのがあって、師匠の行動を見ているだけで、自分も同じことをしたような感覚を脳は持つのだとか。
・小さな成功体験を大切にする。例:十何年、大会で賞を取れなかった花火師さん。賞こそ取れないが、何回かに一度は自分が納得する花火が作れた。その「小さな成功体験」が積み重なって、やがて大成功に。


なるほどね~。ワタクシ的には、「煮詰まったら寝る」と「あえて笑う」がツボでした。


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またレッスン時からの連想ネタ。
either A or B って言い方あるでしょ。AかBかどっちか、って。
イギリス人は「アイザー(すまぬ、ザはもちろん「にごるth」のことね)」と読む人が多く、アメリカ人は「イーザー(前に同じ)」と言う人が多いのですが、逆の人ももちろんいます。

英国人学校の朝のホームルームは、先生が出席を取ったあとはしばらくおしゃべりしていて構わなかったのですが(まあこれが私にとっては結構難しかったりしたのだが)、ある朝、女の子たちが、いろんな単語をどう発音するか、という発音の違いで盛り上がってました。

Bath は バーth か、それともバth か。
Grass は グラースか、またはグラスか。
そして、either は アイザーか、イーザーか。

このブログでさんざん語っている通り、イギリスの発音は出身地域と階級によっていろんな差があるのですが、このころの私はそんな差までわかるはずはなく、へえ~いろんな言い方があるのねえ、と思いながら聞いていました。

もっともここの学校は、親が軍人ゆえ転校がやたら多い子どもたちばかりだったので、住んでる地域のアクセントはつかずに、親の出身に影響されていたと思われますが。

で、女の子たち10人がかしましく、グラースだのグラスだの言っていたんですが、ふとその中の一人が私に、

「あなたはなんて言ってる?イーザー?アイザー?」

って聞いてきた。

ほえ~!!そんなの、「私が」どう言う、なんてないよ!
だって私はあなたたちのマネをしてるんだもん。
どっちをマネるべきか、決めてくれ~。

彼女としては単に、黙ってニコニコ聞いている私に話を振っただけなのかもしれませんが、英語をまだまだしゃべれないガイジンに対して、「あなたの意見も、この発音対決多数決に左右するのである!」と言わんばかりに聞いてきたのがなんだかおかしかったな~。

長じて私は、either についてはイギリスでは圧倒的にアイザーが多かったので、そちらに落ち着きました。
grass, bath については、ちょっと上のクラスの人たちは「グラース」「バース」と伸ばすので(カタカナじゃ説明できんな)、そちらを採択いたしました。が、ワタクシたま~に北の人になるので短くなったりもしますが。

ま、どっちでもいいんですよ、言いやすいほうで。


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